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2024年9月27日金曜日

山廃純吟+牛肉生ハム=完璧ペア

マイスター佐藤@太田市八幡町、フローエス・ゲグルンツェ
入魂のA5黒毛和牛の生ハム。生ハムですが、一般的に思い
描くそれとは大きく異なります。
塩味は極めて控えめで殆ど感じない程です。噛めば噛むほど
甘味旨味が口の中に広がります。A5黒毛和牛ならではの味、
上品さです。牛脂が口中で溶けつつ優美な旨味が甘味として
広がります。とても優雅です。
それでも尚、牛肉は牛肉、品位のある野趣さを穏やかに主張
し、余韻に味わい深さをシットリ残します。余韻のその感覚
が相棒となるワインや日本酒を決定付けます。
9月23日に紹介した相棒の2種類の赤ワイン。ピノ・ノワ
よりもピノ・ネーロの方がよりパーフェクトなのはその為と
言えます。ワインに備わった野趣さの程度が融合する緊密の
度合いに影響を与えるからです。
10kgの仕込みと言う事でいつ完売してもおかしくない状況
ですので、昨日も2袋買って来ました。昨晩のペアリングは
当家の総本家のある小千谷の酒蔵が造った日本酒、時々紹介
しているあのIONOです。今春入荷していた山廃純米吟醸の
原酒との共演です。
山廃で造った日本酒にしばしば感じる乾燥きのこを思わせる
土っぽさ、切り干し大根を思わせるドライさ、ジャーキーや
干物を思わせる鉄分ぽさ、そんなニュアンス、フレーヴァー
は山廃造りで醸した際に生まれた無数の香りが幾重にも重合
し、創られます。
特に肉の加工品を思わせるニュアンス、フレーヴァーが牛肉
の生ハムを食べた時の余韻に広がる品のある野趣さと極めて
密接にリンクし、完璧とも言えるマリアージュを創造する訳
です。
合うだろうなとは予想していたものの、予想を遥かに超えた
マリアージュでした。筆舌に尽くし難いとは真にこの事です。
そんなパーフェクト・マリアージュを皆様にも実感して頂き
たく、IONOを紹介します。在庫は極少量ですので完売の際
はご容赦下さい。



マイスター佐藤謹製のA5黒毛和牛の生ハムのパーフェクト
・ペアの日本酒がこちら!!

*IONO YAMAHAI JUNMAI GINJO 720㎖
飲み頃温度:15度程度。
<穏やかで深みのある味わいの辛口>
2,***円




WINE HOUSE
開店時間:14時~19時
定休日:毎月7日、15日
支払方法:現金 or PayPay
入店時のルール:マスクの正しい着用、手の消毒

昨年の元旦の朝に発症した右顔面麻痺が未だに治癒しません。
1年半以上経ちました。時間の経過は早いです。色々な治療
をしましたが、もう治らないそうです。この麻痺の為、右目
が閉じず異物が混入し易い状態です。飛沫の侵入で感染症を
患う可能性があります。
この右顔面麻痺の影響で嚥下障害を起こしていて、感染し、
体調を崩すと誤嚥性肺炎による重篤な状態となる可能性が大
です。
ご存じの方が多いとは思いますが、当店では対面にて商品に
関する様々な説明をします。その際、飛沫をブロックする為
どなたにもマスクの着用をし、飛沫拡散を防止して頂く事に
していますので、宜しくお願い致します。




2024年2月21日水曜日

先ずはこのワインで

多くの事が変わりました。ワインに関してです。こんな事を
言うとウソだろと信じてもらえないかもしれませんが、以前
はスパークリングワインを勧めると、スパークリングワイン
はワインじゃないからとか、シャンパンを下さいと言うので
いくらぐらいのが良いですかと聞けば、1,500円くらいのが
欲しいとか、そんな反応が結構ありました。
炭酸ガスを含有しているワインは、スパークリングワインと
言う様にワインですし、シャンパンはスパークリングワイン
ですが、スパークリングワインが全てシャンパンではない訳
で、ワイン消費途上国ではありがちな誤解のオンパレードの
日本でした。
その様な事は滅多になくなりましたが、今でも多々出会う事
があります。それはスパークリングワインの赤に関してです。
スパークリングワインに赤があるの?と言った感じです。
ワインや日本酒などの醸造酒は原料に含まれる糖分を酵母の
働きで化学反応(発酵)させ、アルコールを生成させます。
その発酵の際にアルコールと同様、生成されるのが炭酸ガス
です。ですから醸造酒は発酵が終了した段階では発泡性の酒
なのです。
つまり、ワインと言う醸造酒はブドウ果汁を発酵させ、発酵
が終わった時、発泡性ワインでして、スパークリングワイン
の様に強い発泡性ではありませんが、赤も含め全てのワイン
が発泡性ワインとして誕生しているのです。
簡単に言うと、その炭酸ガスをワインから逃がしたワインが
一般的なワイン(私達がワインと呼んでいる)で、炭酸ガス
を注入したり、糖分と酵母を加え、更に発酵を進め、十分な
炭酸ガスを生成、含有させたワインがスパークリングワイン
になります。



小布施ワイナリーのSakeの季節のもう一つの楽しみ、太田市
八幡町にあるフローエス・ゲグルンツェ、マイスター佐藤の
生ハム。それに合わせ楽しめる赤のスパークリングワインを
紹介します。
赤のスパークリングワインは様々な国で造られていますが、
中でもイタリア中部の州、エミーリア・ロマーニャは生ハム
と共にランブルスコ/Lambruscoと言うブドウで造った赤の
発泡性ワイン(イタリアではスプマンテ/Spumante)で名を
世界にとどろかせています。
勿論、現地では生ハム、その他の肉の加工品と共に楽しまれ、
パルマの生ハム、プロシュット・クルード/Prosciutto Crudo
やジベッロの生ハム、クラテッロ/Culatelloとの相性は筆舌に
尽くし難いものがあります。
太田市にはマイスター佐藤の生ハムがあります。プロシュット
やクラテッロがなくたってOK。ランブルスコのスプマンテと
ペアリングさせ、至福のマリアージュを堪能しましょう。




*Vigna Ca del Firore 22/ヴィーニャ・カ・デル・フィオーレ
飲み頃温度:11~14度。
<エレガントなライト~ミディアムボディー、やや辛口>
2,***円
生ハムとの相性で前回言及した様にこのワインも真にフルーツ
そのものです。イメージは紫色、ブルーベリーです。生ハムと
特に相性の良いブルーベリーですから、このワインとの相性も
言わずもがなです。
ブルーベリーを思わせるフレーヴァーに満ちた赤のスプマンテ
とマイスター佐藤の生ハムのゴージャスな共演をあなたの食卓
で楽しんで下さい。




WINE HOUSE
開店時間:14時~19時
定休日:毎月7日、15日
支払方法:現金 or PayPay
入店時のルール:マスクの正しい着用、手の消毒

昨年の元旦の朝に発症した右顔面麻痺が未だに治癒しません。
1年経ちました。時間の経過は早いものです。色々な治療を
しましたが、もう治らないそうです。この麻痺の為、右目が
閉じず異物が混入し易い状態です。飛沫の侵入により感染症
を患う可能性があります。
ご存じの方が多いとは思いますが、当店では対面にて商品に
関する様々な説明をします。その際、飛沫をブロックする為
どなたにもマスクの着用をし、飛沫拡散を防止して頂く事に
していますので、宜しくお願い致します。







2023年4月22日土曜日

もう少しだけ楽しめそうです。

皆さん、マイスター佐藤@フローエス・ゲグルンツェの
生ハムを楽しんでいますか?そろそろ終わりかと思った
のですが、もうしばらく楽しめそうです。
生ハムとフルーツの組み合わせがある様に、フルーツを
思わせるフレーヴァーが満載のワインならば、生ハムに
マリアージュさせる事が可能です。
とにかくリッチなフルーティーさがある事。白ワイン、
ロゼワイン、赤ワインの何れでもOKです。また果実の
凝縮感が豊かに備わっていさいすれば、甘くても、辛く
てもOKです。
ポイントは、そのワインが飲む果実と例えられる酒質で
ある事。生ハムに合わせ楽しむワインはそれでOK。
今日はそんな酒質のワイン(白)を気温が上昇し、初夏
の気配が濃くなった事ですし、まとめて紹介致します。
そんな白ワインはRiesling/リースリングと言うブドウで
造られています。白い果実(桃、梨)を思わせるタイプ
も、黄色い果実(ルビーグレープフルーツ、パイン)を
思わせるタイプあり、気分次第で選び、生ハムと一緒に
お楽しみ下さい。




*The Stump Jumop 20 Riesling (Aussie)
 ザ・スタンプジャンプ20リースリング(オージー)

飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口>
1,**0円
白い果実と柑橘果実のコンポートのフレーヴァーが共存
するワインです。






*Chapel Hill 21 Riesling &SB(Hungary)
 チャペル・ヒル21リースリング&他(ハンガリー)
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
2,**0円
白桃、ラ・フランスのフレーヴァーにミントの爽やかさ
が加わるワインです。




*Sula Vineyards 22 Riesling (India)
 スラ・ヴィンヤーズ22リースリング(インド)

飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな、わずかに甘口>
2,**0円
白桃、ラ・フランスのフレーヴァーに満ちたワインです。




*Joahim Flick 21 Riesling(Germany)
 ヨアヒム・フリック21リースリング(ドイツ)

飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな、やや甘口>
3,**0円
パイナップルのフレーヴァーに満ちたワインです。




*Ratzenberger 16 Riesling (Germany)
 ラッツェンベルガー16リースリング(ドイツ)

飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
9,**0円
黄桃、かりんのフレーヴァーに満ちたワインです。




*Dr.Loosen 18 Riesling (Germany)
 ドクトール・ローゼン18リースリング(ドイツ)

飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口>
9,**0円
柑橘果実のコンポートのフレーヴァーに満ちたワイン
です。




WINE HOUSE
開店時間:14時~19時
定休日:毎月7日
代金決済:現金 or PayPay
入店時のルール:マスクの正しい着用、手の消毒


3月12日にアップの投稿を精読、理解の上、ご来店下さい。







2021年12月20日月曜日

ワインに合う?もっと詳しく教えてよ。

和食に合うワインなどと言ったセリフをよく耳にしますが、
その和食とは何を指して言っているのでしょうか。また寿司
に合うワインと言ったセリフもしばしば耳にします。
ぶり大根なのか、ぶり塩大根なのか。鰻の蒲焼なのか、鰻の
白焼きなのか。同じ食材を使った料理でも味付けが違えば、
合うワインが異なります。
寿司だって同様で、イカなのか、鮪なのか。イクラなのか、
玉子焼きなのか。で合わせ、マリアージュさせ、楽しむべき
ワインが決まります。
ですから「トップソムリエ認定、ワインに合うチョコレート」
などと言った曖昧な表現では消費者はこのチョコにどの様な
ワインが合うのか判らないのです。そんな曖昧な表現を許可
してしまうなんて、本当にトップソムリエ?



そこで、カカオ分88%で、酸味と甘味のハーモニーが高貴に
広がり、芳醇でありがなら優雅な味わいのこのチョコレート
の良さを削ぐ事なく、その個性でチョコレートの素晴らしさ
を一層引き立てるワインを探しました。
今までの経験から白いチョコには白ワイン、黒いチョコには
赤ワインが相応しい事が判っています。そこでカカオ分88%
が作り出すフレーヴァーをチェックしつつ、どんなタイプの
赤ワインが良いのか絞り込んで行きます。
通常、チョコレートには木樽の要素が明確でリッチな香味の
ワインが合うのですが、カカオ分が高く、味わいにシャープ
さがあったり、フルーツの要素が加わったりしている場合は
樽風味があるだけでは十分ではありません。
ワインの味わいにミネラリーさから来るシャープさが必要で
であったり、ワインの香りに同種の果実の要素がある必要が
あります。そうする事で同系の香味が両者に多く存在し、密
なリンクが生まれます。
カカオ分88%のこのチョコレートは酸味の存在、その広がり
ある味わいが特徴で、その特徴を生かしつつ、ワインの持つ
酸味、ミネラリーさと調和させ、両者をマリアージュさせて
行きます。
カカオ分の芳醇さにマッチさせるにはワインに芳醇な渋味の
成分(タンニン)がある必要があります。当然ですがそれは
赤ワインです。
また、チョコレートが持つオイリーな口当りは、ワイン造り
で使われたオーク樽に由来する成分と調和します。フレンチ
・オークの木樽より、アメリカン・オークの木樽の方がより
多くの成分をワインへもたらします。よって、アメリカン・
オーク樽で造られた赤ワインがベターです。
更にその赤ワインには酸味とミネラリーさのハッキリとした
存在が求められます。それらを考慮すると、自ずと相応しい
赤ワインが絞られます。
アメリカ合衆国、南米、オーストラリアなどの産地のワイン
で、タンニン分が多く、酸味とミネラリーさの存在感がある
赤ワインと言ったら、カベルネ・ソーヴィニョン/Cabernet
Sauvignonで造ったワインしかない。それも単一か使用比率
が高いワインが良いと言えます。
その様な赤ワインを2種類用意しました。お手頃価格の商品
とかなり高額の商品です。本来ならお手頃価格の商品だけを
紹介するのですが、年末年始は高額ワインを買って頂ける事
が多々ありますので、高額な赤ワインも紹介させて下さい。




*Deen 2017 Cabernet Sauvignon(Aussie)
ディーン2017カベルネ・ソーヴィニョン(オーストラリア)
飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなミディアム~フルボディー>
1,870円


 

*Star Lane 2009 Cabernet Sauvignon(U.S.A.)
スター・レーン2009カベルネ・ソーヴィニョン(アメリカ)
飲み頃温度:19度。
<まろやかなフルボディー>
11,000円
「黒いチョコレートと赤ワインのマリアージュ」を是非、実感
して下さい。このペアリングは欧米ではとても人気のある試み
です。この日本にも大いに普及させたいと思っています。

2021年9月27日月曜日

秋の味覚と言ったら

厳しい残暑をもう嫌だよと言うほど感じる事なく、夏が過ぎて
行きました。空気も、空も、風もすっかり秋です。不漁の予感
がよぎった秋刀魚でしたが、それも取り越し苦労だった様で、
豊漁のニュースが届いています。
秋の味覚と言えば、その筆頭格はやはり秋刀魚でしょう。刺身
で良し、焼いて良し、炊き込みご飯にしても良し、色々な方法
で楽しめますから、週に何度も食べたいと思ってしまいます。
秋刀魚は魚ですから、合わせ楽しむワインは白ワイン?巷では
「魚には白、肉には赤」となっていますので、殆ど人は秋刀魚
を食べる時には白ワインを選んでしまうでしょう。
でも、秋刀魚の料理に白ワインを合わせてどうでした?良いな
と感じましたか?秋刀魚の塩焼きに大根おろしを添え、ポン酢
をかけて食べた時なら、白ワイン(酸味が爽やかで辛口の)が
合ったと思いますが、実はそれ以外の食べ方の時は赤ワイン、
もしくはロゼワインが断然、マリアージュします。
秋刀魚の様な脂がシッカリのった魚、鰹の様に血合いの野趣さ
と鉄分ぽさを明確に感じる魚は白ワインでは生臭さを助長して
しまい、心地の良いハーモニーを奏でてくれません。
フルーティーではない、野趣さのある香味、渋味(タンニン)
が柔和に広がる赤ワインでこそ、秋刀魚や鰹の風味が引き立ち、
いわゆる「ワインと料理のマリアージュ」が完成します。
食材や料理が備えている香り、味わいの要素とワインが備えて
いる香り、味わいの要素を可能な限り同化してあげる。これが
「ワインと料理のマリアージュ」の基本なのです。
旬はあっという間に過ぎ去ってしまいます。秋が深まり状態が
格段に良くなって来た秋刀魚を食べまくって下さい。そして、
それに合うワインを飲みまくって下さい。
秋刀魚をどんな風に食べますか?それを教えて下さい。最適な
相棒となるワインを選び、お勧め致します。


輸入元の取り扱い停止により味わえるもの国内にある在庫だけ
となったPepe/ペペのワイン。更に熟成が進み、味の広がりが
一層、豊かになりました。
Pepe 15 Irpinia Aglianico/ペペ、イルピニア、アリャーニコ
この赤ワインには「秋刀魚の握り寿司」「鰹の握り寿司」が
ベスト・マッチです。
ペペのワイン達は在庫がかなり少なって来ました。なくなって
しまう前に是非、味わってみて下さい。白ワイン3種類、ロゼ
ワイン1種類、赤ワイン2種類があります。 ↓ ↓ ↓ ↓




毎週月曜日の夕食は「寿司の日」。「生の秋刀魚の握り」でも
「炙り秋刀魚の握り」でもワイルドな香味のある赤ワインなら
間違いなくマリアージュがそこに生まれます。
但し、生の方は生姜、炙りの方は山葵で食べた方がベターです。



*Riva Rey 2016 Rioja Crianza
 リヴァ・レイ2016リオハ・クリアンサ

飲み頃温度:15~18度。
<深みのある味わいのまろやかなミディアムボディー>
1,320円
秋刀魚の握り寿司にベストマッチな1本です。マリアージュを
是非、ご堪能下さい。

2020年9月29日火曜日

こんがりと焼けたチーズには

きつね色にこんがりと焼き目の付いたチーズが食欲を掻き立てるパン。
食べ物を見ると条件反射でこれにはこのワインが良いかな。と直ぐに
思いを巡らせてしまうのですが、あなたならその様なパンを食べる時、
どんなワイン、どんな飲料を合わせ、楽しみますか?



チーズの主原料はミルク。パンの主原料は小麦粉ですが、その味わい
はイースティーさ、ミルキーさ、クリーミーさもあり、チーズの持つ
要素と同じ方向を向いています。別の言い方をすれば、両者には乳系
(乳酸的な)の要素があり、それが味わいの核となっています。
その味わいの核となっている乳系のヒント、乳酸的な要素に着目する
と、合わせ楽しむべき(相性の良い)飲料が自ずと絞られます。
乳系のヒント、乳酸的な要素のある飲料と言えば何でしょうか?先ず
思う浮かぶのは日本酒です。特に純米酒で、山廃や生酛ならば、乳系
のヒントがより明確です。
他には何があるでしょうか?ワインはブドウが原料で、全てのワイン
が元々はブドウ由来のリンゴ酸を含有しているのですが、製造過程で
乳酸菌の働きにより、リンゴ酸が乳酸に変化する現象が起こり、これ
をMLF/マロラクティック発酵と言うのですが、深みのある味わい、
まろやかでふくよかな口当たりの酒質になります。
MLFは一部の白ワインとロゼワイン、ほぼ全ての赤ワインで行われ、
それらのワインは乳酸を含有し、乳系のヒントがある、乳酸的な味の
ある料理、食べ物との相性に優れる事になります。
きつね色にこんがりと焼き目の付いたチーズがあるパンには純米酒、
MLFありの白ワイン、ロゼワイン、赤ワインが選択肢となり、パンの
味わいの深みにより、白ワインにするのか、ロゼワインにするのか、
赤ワインにするのかを決定します。
純米酒であれば、ワインの時ほどパンの味わいの深さに影響を受けず、
白ワインに合いそうなパンなら冷えた温度で、赤ワインに合いそうな
パンなら冷やで(20度くらい)を目安にパンにマリアージュさせると
良いでしょう。
パンを食べながらワインや日本酒を楽しむと言う選択肢は多くの方に
とって今までなかったかもしれませんが、ワインを楽しんでいる合間
の口直し程度の存在にパンはとどまりません。この機会にパンを料理
と考え、色々なパンにそれに相応しいワインや日本酒を合わせ、その
マリアージュを是非、ご堪能下さい。
どんなパンを食べるのかお知らせ下さい。それに合わせ、素晴らしい
マリアージュを創造してくれるワインをお勧め致します。



ワインを飲む時に必ず食べるこちらのパン。ソムリエ仲間でパン職人
でもある平谷さんと彼の家族が営むアット・ホームな店「南の麦」で
買えます。
南の麦は月火定休、足利市八幡町の小高い丘にあり、花に囲まれた庭
があり、そこから見渡せる景色の素晴らしさは筆舌に尽くし難いもの
があります。
ほぼ毎週、買いに行くのですが、先日はワインではなく、ふくよかな
酒質の純米酒に合わせてみました。和釜で炊いた米の焦げを思わせる
風味のある純米酒に焼チーズのこんがり感とがパーフェクトと言える
マリアージュを創り上げていました。

2019年1月26日土曜日

ほうれん草×ソーヴィニョン・ブラン

ワインは色で分ければ白、ロゼ、赤の3種類になります。そして
原料ブドウによる違い、造る過程の違いなどにより、様々な酒質
の白ワイン、ロゼワイン、赤ワインがあります。白ワインと一言
で括れない多様性が、もちろんロゼにも赤にもあるのです。この
多様性こそが様々な料理との素晴らしいマリアージュを生み出す
秘密です。
今日は白ワインに焦点を当て、相性の良い料理を紹介致します。
白ワインは含まれる酸味の性質で相性の良い料理が大きく異なり
ます。酸味の違いは主にアルコール発酵の過程とその後の熟成の
過程で生まれます。
白ワインの出来上がるまでの大きな流れは、ブドウを破砕圧搾し
果汁を取る→果汁を清澄させる→酵母を加え果汁を発酵させる→
アルコール発酵が終わり果汁がワインになる→そのワインを熟成
させる→ワインを瓶詰する。この様な感じです。
ワインの多様性は先ずは原料ブドウの違いにより生まれるのです
が、それに造る過程の違いが加わり、更に酒質の明確な多様性が
生まれます。



白ワインの多様性はブドウが持っていた酸味(リンゴ酸)を変質
させずワインに持たせるのか、それとも造る過程で乳酸菌の働き
でリンゴ酸を変質させ乳酸をワインに持たせるのかに因ります。
上の画像の中の青い楕円で囲んだ過程(ワインがステンレス製の
タンクで製造過程を過ごすのか、それとも木樽で過ごすのか)が
分岐点です。
リンゴ酸のワインは軽やかで、爽やかさがあり、乳酸のワインは
ふくよかで、口当たりに粘性があります。この違いが柑橘果実の
要素のある料理に合うのか、クリーミーな料理に合うのかを決定
付けます。
ワインと料理の相性の良さは両者が共通の要素を多く持っている
ほど高まります。共通の酸味を持っているかいないのか。これが
白ワインと料理のマリアージュを決める主要因です。リンゴ酸を
感じる料理にはリンゴ酸を持つ白ワイン、乳酸を感じる料理には
乳酸を持つ白ワインを合わせれば良いのです。
レモンやゆずの果汁をかける。ポン酢を付ける。これはリンゴ酸
のワインが活躍できる食卓です。クリームで調理する。胡麻だれ
を付ける。これは乳酸のワインが活躍できる食卓です。
食べるのが好きな方が多くいるとと思いますが、スパゲッティ・
カルボナーラを想像してみて下さい。クリーミーなソースに削り
かけたチーズ、どちらも乳系の要素が満載です。これに合わせる
白ワインはもちろん乳酸を持ったタイプです。入手し易いワイン
はChardonnay/シャルドネと言う品種で造ったものになります。
但し、シャルドネで造ってあってもリンゴ酸のワインもあります
ので確認が必要ですのでご注意下さい。



また、Sauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブランと言う品種で
造ったワインにも乳酸を備え、スパゲッティ・カルボナーラに
合わせ楽しめるものがあります。
乳酸を持つシャルドネのワインの香味のイメージを端的に言うと
白と黄で、乳酸を持つソーヴィニョン・ブランのワインの香味の
イメージを端的に言うと白と緑です。ソーヴィニョン・ブランの
品種個性がワインに反映した結果そうなりました。


ほうれん草を練りこんだパスタをご存知の事と思います。噛むと
口の中にハーベイシャスな心地良い香りが広がります。ワインと
料理に共通項が多ければ多い程、相性の良さが高まる訳ですので
スパゲッティ・カルボナーラの麺がほうれん草を練りこんだ麺で
あるのならシャルドネよりソーヴィニョン・ブランのワインの方
が断然お勧めです。


レンジで温めるだけで食せるこんな商品もありますので、乳酸を
持ったソーヴィニョン・ブランの白ワインを合わせ楽しんでみて
下さい。
*Balletto 2017 Russian River Valley Sauvignon Blanc
バレット2017ロシアン・リヴァー・ヴァレー、ソーヴィニョン・ブラン
飲み頃温度:11~14度。
4,000円
2つ目の画像のワインです。

2019年1月25日金曜日

牛肉よりも鴨肉か

しびれる様な寒さが連日続くこの時期、湯気が立ち上る鍋を囲み
お腹を満たす時間は至福のひと時です。そんな時、あなたは料理
に合わせワインを選び、楽しんでいますか。
湯豆腐、水炊き、もつ鍋、ちゃんこ鍋、しゃぶしゃぶ、すき焼き
こんな鍋料理が家庭で楽しむ定番でしょう。それぞれの鍋料理に
合うワインが当然ありますが、今日はイタリアからの新着ワイン
で、すき焼きにパーフェクトなマリアージュをするワインを紹介
致します。
すき焼きと言えば牛肉で作るのが最もポピュラーですが、豚肉や
鶏肉(特に鴨肉)で作るすき焼きもそれに劣らず味わい深いもの
です。今日紹介しますワインは香りの華やかさが甘めの割り下と
絶妙な調和を見せるのに加え、野趣で鉄分を感じる味わいが動物
赤身肉を食した時に感じる鉄分ぽさと素晴らしいマリアージュを
創造してくれます。
そのワインがこちら。醤油で作る割り下に合い、血合いや鉄分の
野趣さを感じるのですから既にお判りでしょうが、赤ワインです。


イタリア中部のAbruzzo/アブルッツォ州を代表する赤ワインで、
Montepulciano/モンテプルチャーノと言うブドウで造られ、熟成
の期間が通常よりも長いRiserva/リゼルヴァです。
インキーで紫色の花や果実をイメージできる華やかな香りがあり、
ふくよかなアルコール分の厚みの中に長期熟成によって身に着けた
丸みある旨味を備えたたっぷりの渋味が広がります。木樽の中での
長期熟成でオークが持つヴァニリン成分がワインに移り、オイリー
な口当たりが芳醇に口中を満たします。その芳醇さは煮込み料理の
ベストパートナーです。


そしてモンテプルチャーノ種で造った赤ワインの香味の大きな特徴
はジビエ(野鳥獣)の肉が持つドライな鉄分、ワイルドな血合いの
ヒントを感じる事です。ワインと料理のマリアージュの一番の基本
は両者に同じ方向を向いた香味をどれだけ揃えられるかです。
芳醇でリッチ、豊かな野趣さがあるモンテプルチャーノの赤ワイン
ですから、料理にも豊かな個性を大いに求めたい所です。牛肉より
鴨肉で作るすき焼きを勧めたい。そんな背景がありますので、今回
この赤ワインを楽しむのであれば是非、近所の肉専門店で可能なら
野生の鴨肉(なければ合鴨で)を購入し、青みの野菜を使わないで
すき焼きを作り、食す時は玉子をシッカリ付けて食し、ワインとの
マリアージュを楽しむと良いでしょう。
*Rocca Antica 2014 Montepulciaono d'Abruzzo Riserva
 ロッカ・アンティカ2014モンテプルチャーノ・ダブルッツォ・リゼルヴァ
飲み頃温度:19度。
<まろやかなフルボディー>
3,000円

2014年2月10日月曜日

チョコにワイン、最強の組み合わせ

ワインの原料はブドウ。それなのに花の香りがしたり、ブドウではない果実
の香りがしたり、コーヒーやチョコレートの香りがしたりします。それはなぜ
 でしょうか?
原料ブドウが持つ香りに加え、発酵によって生じる香り、熟成によって生じる
香りがあり、更には複数の香りが組み合わせる事で生成される香りもあり、
その結果、花、ブドウ以外の果実、植物、動物、香辛料、コーヒーやチョコ、
他にも様々なものを思わせる香りが生まれます。
ヴァレンタインズ・デーの定番はチョコレート。チョコレートとワインがとても
良くマッチし、想像を遥かに超えるマリアージュを創造するのをご存知です
か?
このブログで2月14日に向けたワインを色々、紹介しました。貴腐ワイン白
がホワイトチョコに、それ以外のチョコがレッド・ポートワインにマリアージュ
します。
それらに加え、ある種の赤ワインがレッド・ポートワインの代役となります。
その赤ワインは、アメリカ産オークから作った木樽で熟成し、ココナッツ、
カカオ、ココアを思わせる香りを備え、口当たりに油分を感じる酒質をして
います。生産国では、アメリカ、オーストラリア、スペインにその種のワイン
を見つける事が出来ます。


同じ系統の香味を持つもの同士は調和し、違和感のある反発はしません。
チョコレートを思わせる香りをアメリカ産オーク樽から得た赤ワインにとって
同じ香りを持つ食べ物のチョコレートは相棒なのです。
但し、ここで一つ。レッド・ポートワインでしたら、ホワイトチョコレート以外の
チョコレートで、それがどんなに甘くてもOKなのですが、アメリカ産オーク樽
で造られた赤ワインの場合、甘味が強いチョコレートではなく、カカオの純度
が高く、甘味が少なく、苦味を少しばかり感じ、芳醇さが豊かな大人テイスト
のものがベストな選択です。




ワインにチョコレート?決して邪道な組み合わせでなく、高度なテクニック
を駆使した王道の組み合わせです。
どんなチョコレートで彼のハートを狙い撃ちしますか?教えて下さい。それ
に最高に相応しいワインをお選び致します。2月14日はそれでパーフェクト
です。

2014年2月4日火曜日

ホワイトチョコにワイン?

ワインの多様性は他の飲み物の追随を許しません。今までにワインと食物
の様々な組み合わせを体験し、想像の域を脱した素晴らしいマリアージュ、
予想を遥かに超えた素晴らしいマリアージュを経験して来ました。ワインの
多様性の成せる業です。


想像の域を脱したマリアージュの中で今でも最も鮮明に覚えているのは、
白ワインとホワイトチョコレートとのマリアージュです。
木樽で発酵させて造った白ワインにはホワイトチョコレートを思わせる香り
やカスタードの香り、シュー生地を思わせる香りがあります。口当たりは、
トロリとしたミルキーさを感じます。液体のワインでありながら、その香りや
味わいはホワイトチョコレートそのものと言えます。お互いが似ているの
ですから、反発はしません。相乗し、マリアージュし、その香味を華やかに
豊かに、高貴に、美しく、新たなステージへと誘います。


Peter Lehmann 2010 Botritis Semillon 375ml
ピーター・レーマン2010ボトリティス・セミヨン375ml
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや甘口> 2,625円
貴腐ブドウから造られた白ワインです。この種のワインに典型的な香味は
ホワイトチョコレートのチャーミングな香味にマッチします。
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ホワイトチョコレートに合う貴腐ワインは、5,250~21,000円の価格帯で他
にも数種類の在庫があります。


2014年2月2日日曜日

相棒により演じ分けます。

世界最高峰のワインと言えるPort Wine/ポートワイン。それはポルトガル
の北東部の秘境の感すらある産地、Douro/ドウロ地方で誕生する特殊な
ワイン。白ワインもロゼワインもあり、辛口も甘口もあるものの、その大部分
は赤ワインで甘口。芳醇な香り、深みある味わい、しなやかな優美さがあり
甘口であってもビーフシチューやすき焼きと一緒に楽しめてしまう優れもの
のワインなのです。
しかし、この赤のポートワインの凄さはそんな事だけではありません。レッド
ポートワインは一緒にマリアージュを奏でる共演者によりその姿を変化させ、
飲み手に無限の至福感をもたらしてくれます。


チョコレートが大好きな方は多い筈。チョコレートにワインを合わせ楽しんで
みませんか?ホワイトチョコレートでないのなら、レッド・ポートワインが最高
の相棒。チョコレートを思わせる香りも感じられる木樽熟成の長いレッド・
ポートワインなら、カカオの香ばしさを引き立てつつ、オイリーで豊かな風味
ある味わいに融合し、お互いの芳醇さを湧き上がらせます。
口中に広がる風味、鼻腔から広がり出る芳醇な香りはチョコレート工房の
中にいるかの様な錯覚に陥るほどのインパクトを残します。そして何よりも
少しばかり安いチョコレートでも、高級なチョコレートに思えてしまうマジック
をこのレッド・ポートワインがかけてくれます。


そして、レッド・ポートワインの究極の楽しみ方がこちら。木樽熟成の長い
レッド・ポートワインか瓶熟成の長いレッド・ポートワインにある飲み物を
融合させると、驚きの結果が待ち受けているのです。その飲み物とは、
風味豊かなブラック・コーヒー。エスプレッソでもOKですが、最高の結果
を出せるのはモカ
レッド・ポートワインを飲んで、その余韻がある内にコーヒーを飲み、その
余韻がある内にレッド・ポートワインを口に含む。ここに不思議な現象が。
甘かったレッド・ポートワインが超高級感漂うまるでボルドー赤ワインかの
様な香味へ大変身。嘘ではありません。何度も試し、実証済みです。
チョコレートと共演させたら、コーヒーを飲みながらレッド・ポートワインを
変身させてあげて下さい。昔あったCMではないですが、1本で2度...です。


木樽熟成が長いレッド・ポートワインが今ならお手頃な価格で入手可能
です。
*Quinta do Crasto 2006 Late Bottled Vintage Port
  キンタ・ド・クラスト2006レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート
飲み頃温度:19度(豊潤さを楽しむのなら)。甘味を控えめに感じる
        楽しみ方をしたいのなら、11~14度で。
<まろやかなフルボディー、やや甘口> 3,150円
栓を開けた後は、冷蔵庫で瓶を立てて保存して下さい。1か月程は風味
の劣化を感じずに味わえます。

2013年2月12日火曜日

白と黒、あなたならどうする?


チョコレートにだって合わせられるワインはあります。ワインの多様性
は合わせられない食べ物がないと言える程です。もうすぐ2月14日の
セント・ヴァレンタインズ・デー。今年は大切な人と一緒にチョコレート
とワインのマリアージュを楽しみませんか?


チョコレートには白と黒があります。その香り、味わいの違いは
同じチョコレートとは思えない程の差があります。ですのでそれ
ぞれに合うワインも大きく異なります。
ホワイトチョコレートにはミルキーな風味、クリームの様な風味
があり、ブラックチョコレートには香ばしさや苦味があり、渋味
成分に通じる要素を持っています。それらに着目し、ワインを
選び、合わせてあげると良いのです。
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ではホワイトチョコレートに感じる風味を持つワインはどの様な
ものなのでしょうか?これは一度も使用していない木樽で発酵
熟成させた白ワインにある風味なのです。その様な造り方を
した白ワインにはミルキーな風味、カスタードを思わせる風味
があり、口当たりはオイリーです。ワインと食べ物の相性の
良さを生み出す要因の一つに風味と風味の一致があります。
ホワイトチョコレートの風味をワインに感じればそれは間違い
なく、素晴らしいハーモニーを奏でます。
但し、新樽で発酵熟成させた白ワインであっても辛口ではその
マリアージュを期待できません。カリフォルニアのシャルドネで
造られた白ワインにはホワイトチョコレートに通じる風味を感じ
ますが、味わいが辛い為、そのマリアージュはパーフェクトとは
行きません。
より良いマリアージュを求めるのなら、こんなワイン達が良い
でしょう。
*フランス:コトー・デュ・レイヨン
ロワール地方のワインでシュナン・ブランと言うブドウに貴腐菌
が付き、干しブドウ状になった実から造られたネクターの様な
味わいの貴腐ワイン。
*ドイツ:ベーレンアウスレーゼやアイスヴァイン
ベーレンアウスレーゼはコトー・デュ・レイヨンと同じ貴腐ワイン。
アイスヴァインは寒波の到来で樹になったままの実が凍結し、
その凍結した状態の実を圧搾し、濃縮した果汁を発酵させて
造られたワインで、やはりネクターを思わせるリッチさがあり
ます。
これらのワインは比較的入手は容易です。しかし、今までの
経験からホワイトチョコレートにパーフェクトにマリアージュ
する白ワインはこのワインに間違いありません。そのワイン
を初めてテイスティングした時の印象は今でも明確です。
目を閉じて香りを嗅げば、誰もがそこにあるのはホワイト
チョコレートと思い込んでしまうほどの香りだったのです。
だた、入手が困難な所が問題なのですが...。それはこれ!!
*フランス:マコン
ブルゴーニュ地方南部にあるマコン地区の白ワインで、稀に
出来る、やはり貴腐ワインです。原料ブドウはシャルドネで
果蜜の華やかな香り、ミルキーなヒントがあり、その味わい
はホワイトチョコレートとカスタードのエクレアを思わせます。
新樽での発酵、熟成からワインに移った木樽の成分の芳醇
さ、オイリーさもホワイトチョコレートの風味に同化します。
どうですか。この瞬間にもそのマリアージュを試したくて仕方
のない衝動に駆られています。
貴腐ブドウから造られたマコン。見つけたなら、是非、挑戦
してみて下さい。ホワイトチョコレートとのマリアージュを。


それではブラックチョコレートならどんなワインが良いでしょうか?
ベストパートナーはポルトガルのポートワインルビーポート
レイト・ボトルド・ヴィンテージポート、更にヴィンテージポート
でもOKです。価格はルビーポートが一番安く、3,000円程度から
あります。
色が赤のポートワインはブラックコーヒーとの相性にも非常に
優れ、ポートワイン、ブラックチョコレート、ブラックコーヒー、
この3つが揃えば至高のマリアージュを奏でます
また、果汁の糖分を完全にアルコール発酵させず、残糖分が
あるオーストラリアの赤のスパークリングワインで原料ブドウ
がシラーズ、このワインもその芳醇さがブラックチョコレートに
通じ、ポートワインに次いでお勧めのワインです。
ブラックチョコレートのカカオから来る苦味成分、これらの赤
ワインにある豊かな渋味成分(タンニン)、そしてお互いの
芳醇さがマリアージュの決め手です。
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ワインの多様性は無限のマリアージュの世界を創造します。
チョコレートに限らず、自分が食べたいものとワインを合わせ
そのマリアージュを堪能してみませんか?色々リクエストして
下さい。無限のマリアージュの世界へのガイドをお引き受け
致します。

2012年9月10日月曜日

群馬名物、焼きまんじゅう


日本各地に様々な郷土料理がある。もちろん、ここ群馬にもそれぞれの
エリアにそこに根付いた食べ物がある。しかし、群馬県全域でこよなく
愛されている他県には恐らくないであろう食べ物もある。それが画像の
焼きまんじゅう。普通は何も入っていないまんじゅうを串に刺し、焼き、
更に各店秘伝の味噌だれを付けて、香ばしく焼きあげる。
これがなかなかいける。食事としてでも、おやつとしてでも。今日はこの
焼きまんじゅうにワインを合わせてしまおうと言うわけ。そこで、まずは
焼きまんじゅうの風味をチェック。醸造して出来た味噌や醤油には、熟成
段階で生まれる焦臭的な香りを生むソトロンが含まれる。このソトロンは
基本的に経時変化で成分が重合する事で生まれる。カラメル様の香り
が代表的。それが重合度合いを増すと火で熱した醤油やソースが放つ
香り、更にはカレー粉の様な香りへと進む。
熟成したワインにもソトロンを感じる事が多々ある。それが最も感じ易い
のがワインを蒸留したブランデーを添加し、香味を整え、保存性を高めた
酒精強化ワイン(Fortified Wine/フォーティファイド・ワイン)。通常、この
種のワインは、緩やかな酸化還元熟成の下、長期の熟成を経てからで
ないと商品化されない。その為、生成されたソトロンを含んでいるのです。
もともとソトロンを感じる味噌が焼かれる事で更にソトロンが明確化し、
カラメル様の甘いニュアンスの香味を放つ。一方、熟成期間の長い酒精
強化したワインにも、同様の香りがある。だから、この両者は反発し合わ
ない。



ここにフォーティファイド・ワインの中のひとつ、イタリアのシチリア島
で造られるMarsala/マルサラがある。このワインの大半は白ブドウ
から造られた白ワインが長期熟成によってコハク色になったもの。
ただ、少数ながら黒ブドウから造られたRubino/ルビーノ(赤ワイン)
もある
このルビーノは同じフォーティファイド・ワインの赤、Port/ポートより
も軽やかで、渋味成分が少ない。その重厚過ぎない所が、重厚な
味わいをした料理や濃厚な味わいをした菓子を必要としない。
例えば、ポートに合わせ料理を楽しむのなら、ビーフ・シチュー
やすき焼きが良いし、芳醇なチョコレート菓子が良いが、ルビーノ
なら味噌カツやミルクチョコの菓子くらいの味わいの方がワインの
香味が削がれない。
深い味わいのものには深い味わいのものを。中庸の味わいのもの
には中庸の味わいのものを。軽い味わいのものには軽い味わいの
ものを。そうすればお互いの良さが相乗し、引き立て合うのです。
様々なワインをテイスティングしていると、それに合わせ楽しみたい
食べ物が続々と頭に浮かびます。ワインの多様性は、食べ物との
多様な組み合わせの良さを生み出します。この世の食べ物には
必ず一緒に味わい楽しめるワインがあります。ですから、初めから
決め付けず、先ずは試して下さい。
焼きまんじゅうとマルサラ・ルビーノ、きっと両者は良き相棒です
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Pellegrino Marsala Rubino
ペッレグリーノ、マルサラ・ルビーノ<イタリア、シチリア島>
相性の良い料理:素材の自然の甘味を生かした料理。
           フルーツを使用した菓子。
           チーズなら・・・クリームチーズ。
飲み頃温度:12~16度。
<まろやかなミディアムボディー、わずかに甘口>
1,785円
口に入れた時にヒンヤリと感じる位に冷やしてお楽しみ下さい。

2012年7月6日金曜日

マリアージュ、無限の可能性


食の知識を広げる為に、欠かさず見ているTV番組がある。それは木曜の
夜9時から始まる「秘密のケンミンSHOW」。その地のローカル・フードに
焦点を当て、秘密の食べ物のネタばらしをする趣向。これがなかなか興味
深く、かつ、日々の食生活への参考になる。
昨夜は沖縄のモーイ豆腐(画像上)と神戸のそば焼き(画像下)。時には
見ただけで口にするのをためらってしまう食べ物も登場するが、昨夜の
秘密は見ていて、自分でも食べてみたかったし、あのワインと合わせれば
もっとその物を味わい尽くせるのでは、などど思ってしまった。


それでは、それぞれにどんなワインを合わせたら良いだろか?先ず料理
の原材料に注目すると良いかもしれない。
モーイ豆腐は、モーイと言う海藻、ツナをカツオ出汁と醤油、塩で炊き、
煮固めている。外観から想像すると、それは恐らく、天気の良い日の磯を
思わせる香りが漂い、口にすればその風味とカツオとマグロの旨味成分
がシットリと広がる深みある味わいをしているに違いない。
そこでワインは磯の香り(ヨード香)を持ち、なおかつ、醸造、熟成過程での
オートリゼーションからの旨味を持つワインが合いそう。そして、モーイ豆腐
の色調に合わせ、赤やロゼでなく、間違いなく白ワインがベストな選択。
具体的には、Sur Lie/シュール・リーと言う製法で旨味成分を備えたワイン、
フランス、ロワール地方のMuscadet Sevre et Maine Sur Lie/ミュスカデ・
セーヴル・エ・メーヌ・シュール・リーが第一候補。やや香りの同化が少ない
甲州シュール・リーも良いかもしれない。また、コンポート系の香りのない
ドライなタイプのChenin Blanc/シュナン・ブランの辛口も劣らずマリアージュ
すると思う。
それではそば焼きはどうか。こちらはそばはそばでも、日本蕎麦を材料に
すき焼きの割り下で味付け、炒め焼いている。ワインに合わせるポイントは
蕎麦の大地を思わせる香り、割り下の醤油が煮詰まった風味に同化させる
事が出来るか否か。そば焼きの色合いは白やロゼでなく、真に赤ワインが
合う事を物語っているかの様子。が、普通の焼きそばの様にソースの香味
がないのでフルーツ感の多いタイプやスパイシーなタイプの赤ワインでは
ない方がベターに違いない。
具体的には熟成感のあるスペインのTempranillo/テンプラニージョ
イタリアのSangiovese/サンジョヴェーゼの複雑な香味の赤ワインが
第一候補。Merlot/メルロ100%で造ったもの良いと思う。いずれに
しても、フルーティーさが控えめで、熟成により大地を思わせる香りを
備え、醤油が煮詰まった香味(ソトロン)に通じる熟成香(ブーケ)を
持っていればパーフェクト。
昨夜、カミング・アウトされたばかりの未知の食べ物ゆえ、以上の考察
はあくまでも今までの経験に基づくもの。近いうちに実際に試し、その
真偽を確認したいと思います。ワインと料理のマリアージュは無限大
白ワインもロゼワインも赤ワインもあり、その香味のヴァリエーション
の多様性はどんな料理にだって、合うワインが必ずあります。そんな
マリアージュ探しの日々は、食べる為に生きている限り、決して終わる
はありません

2012年1月18日水曜日

再認識


Sauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブランの若葉、若草、ハーブを思わせる
香りは実に清々しく、心地良い。が、一緒に口にする食べ物によって、その
心地良い香りが時に心地良さに欠ける事がある。白身魚の練り物を食べ、
ソーヴィニョン・ブランを口にすると品種個性の心地良い香りが、青臭さと
なって口中に広がる。しかし、青のりを練り込んだものなら、その香りと
ワインの香りが同調し、不快さは現れない。ワインと料理のマリアージュ
を楽しむには先ず、香りと香りを同じ系統で揃えてあげる事。
これはワインに限った事ではない。例えば、クローバーの花やバナナの
様なフルーティーさがあるWeizen Bier/ヴァイツェン・ビール。主原料が
小麦で上の画像の様に白濁している。
バナナの香りがあるので、バナナを使った食べ物には間違いなく合うはず、
との思いから、バナナを使った食べ物をいくつか用意し、一緒に楽しんで
みた。結論から言えば、バナナ以外の要素が強く主張する食べ物とは
合わない。
チョコバナナのクレープやピッツァとでは、ヴァイツェンの味わいが全く感じ
られない。シナモンの風味が豊かなカップケーキとでは、口中が漢方薬の
香味で満たされてしまう。香りと香りを同系にすると言うのは、一番
豊かに広がる香りと香りを同系にする。この事なのだ。
近所のSMで買った、下の画像のバームクーヘン。バナナペーストが練り
込んであり、他の要素はほとんど感じない。真にバナナ。このバナナ味の
バームクーヘンとヴァイツェン・ビール、そのマリアージュの素晴らしさは
今までの経験の中でも声を大にして皆様に伝えたい程のもの。皆様も
チャンスがあったら躊躇せずにトライしてみて下さい。
マリアージュ、それは新しい世界の創造。


バナナ味のバームクーヘンとヴァイツェン・ビール、O~oh,yum-yum!!