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2020年7月19日日曜日

外観良し、香り良し、味わい良し

スペイン産の最も有名なワインのひとつにVino do Jerez(Sherry)/
ヴィノ・ド・ヘレス(シェリー)があります。見解は色々あります
が、個人的にはシェリーが最もスペイン・ワインらしいワインだと
思っています。
シェリーは白ワインです。但し、私達が一般的に語る所の白ワイン
とは異なります。一般的に語る所の白ワインはStill Wine/スティル
・ワインと言うカテゴリーに属し、シェリーはスティル・ワインと
異なるカテゴリーのFortified Wine/フォーティファイド・ワインに
属します。
フォーティファイド・ワインとは、とても簡単に言えば、スティル
・ワインを酒精(グレープ・スピリッツ)、つまり、アルコールで
強化したワインの事です。
フォーティファイド・ワインには複数の種類があり、アルコールで
強化する仕方が異なります。ここでも簡単に説明しますと、ワイン
は果汁に含まれる糖分を酵母の働きで発酵させ、アルコールに変化
させた結果、できる飲料です。
フォーティファイド・ワインはその発酵の途中や発酵が終わった時
にアルコールを加え、それが発酵の途中なら酵母を死滅させ、発酵
を終了させると同時に、酒精が強化された事で酒質が整えられた。
一方で、発酵が終わった後でなら、酵母を死滅させる事は目的では
なく、単に酒精を強化し、酒質を整えた結果、できる飲料です。
ですので、シェリーは白ワインと言っても、私達の言う一般的な白
ワインとは趣が異なり、また、アルコール度数が高いのが特徴です。
フォーティファイド・ワイン(酒精強化ワイン)は、ワインを蒸留
したグレープ・スピリッツ(酒精)で強化されていますので、私達
が一般的に言う白ワインより保存性が高くなっています。
それ故、残念な事ですが、輸入の際、輸送の際、販売の際に万全の
品質管理がされていない事があり、スペインで味わったシェリーと
同じシェリー(日本に輸入されている)を味わってみると、品質に
大きな違いがある事が多々あります。
保存性が高いからと言って、適切な温度管理の下に置かれていない。
これが最大の原因で、酸化、熱劣化し、色が濃くなっている。香り
がくぐもっている。フレッシュさ、クリーンさがない。そんな状態
になってしまったシェリーに日本市場でお目にかかります。
フォーティファイド・ワインと言えども、ワインですから、厳格な
品質管理が必要です。それをして初めて素晴らしいコンディション
のシェリーを日本の消費者の元へ届ける事が可能となります。
シェリーにはいくつかのタイプがあるのですが、その中でスティル
・ワインの白に最も近いタイプがFino/フィノ(特定の街で造られる
フィノの一種のManzanilla/マンサニージャは、もっと白ワイン的)
で、酒質が繊細の為、細心の品質管理が必要です。
そのフィノ(マンサニージャも)に既に言及した様に、スペインで
味わうものと、日本で味わうものとの差が激しい事が多く、日本で
パーフェクトなコンディションのフィノに出会う事が容易ではあり
ません。(マンサニージャはそれ以上に困難)


本来、フィノは緑の矢印で指し示したグラスの中の液体の様な外観
をしています。フィノより繊細なマンサニージャはその左のグラス
で、フィノより淡い色合いをしています。フィノにもその様な外観
のものもありますが、コンディションが悪くなればなるほど右側の
グラスの中の様になって行きます。流石に右2つ目までは行きません
が...。
ですので、素晴らしいコンディションのフィノに偶然、出会った時
には大感激です。スペインにいるかの様な錯覚に陥ります。そんな
錯覚を久し振りに起こしました。このフィノは現地で味わえるのと
ほぼ同じです。
フィノの本質である繊細さ、軽やかさ、クリーンさ、フレッシュさ
そしてスティル・ワインの白(酒精強化してある事を忘れてしまう、
感じさせない)の様な香味の広がりがあります。これこそがフィノ。
このパーフェクトなコンディションのフィノを味わったなら、必ず
シェリーってイイね。と思うでしょう。
コンディションの良さ、その品質の素晴らしさで間違いなく私達の
心を打つフィノがこちら!!
*Colosia Fino / コロシア・フィノ
飲み頃温度:11~14度。
      フレッシュさを引き立てるのなら8~10度で。
<引き締まった口当たりの辛口>
2,000円
香り:豊かなミネラリーさを備えた白ワインを思わせるニュアンス
   (硬水のミネラル・ウォーターに感じるフリンティーさ)が 
   あります。生アーモンドやカシューナッツをイメージさせる
   ヒントがあります。更にコンディションの良いフィノにある
   典型的な香り、長十郎梨のアロマがあります。空気に触れる
   とそれらにルビーグレープフルーツを思わせるフルーティー 
   さが加わります。
味わい:ジューシーで柔和、エレガントな口当たりです。そこに酸
    とミネラリーさが優しく溶け込んでいます。還元的な要素
    も心地良くない苦味もなく、口中でも長十郎梨のアロマを
    を明確に感じます。コンディション良好の証です。
    果実味、酸味、ミネラリーさ、木樽のヒントのハーモニー
    に高級なブルゴーニュの白ワインを思わせるニュアンスが
    満ちています。
・鶏肉とカシューナッツの塩炒め
・砂肝の塩焼き
・やまといもの天ぷらを塩で
・カキフライを塩で
・海鮮ちゃんぽん
・舌平目のムニエル
この様な料理と一緒にお楽しみ頂けるコンディション良好なフィノ
です。今までシェリー(フィノ)にガッカリしていたあなた!!是非、
このフィノを飲んで、悪夢から脱却して下さい。


屯(かおす)@太田市浜町からto goした「塩味の串焼き」にも完璧
なマリアージュ。



そしてローソンで見つけた「サンヨー食品、改、極貝だし塩らーめん」
にも驚く程、素晴らしいマリアージュ。

   


2014年4月19日土曜日

こんな絶品は久し振り

現地で飲むとFino/フィノManzanilla/マンサニージャってやっぱり白ワイン
なんだなと再認識できるのに、日本に輸入されたフィノやマンサニージャを飲む
とそのほとんどがフォーティファイド・ワイン(ワインを蒸留し、造ったグレープ
・スピリッツ、ブランデーの事、を添加した酒精強化ワイン)にしか思えない残念
な状況があります。
勿論、フィノやマンサニージャは酒精強化したフォーティファイド・ワインの一種
Sherry/Vino de Jerez(シェリー/ヴィノ・デ・ヘレス)ですから、酒精強化
したフォーティファイド・ワインに思えるのは当然なのですが...。しかし、フィノや
マンサニージャは白ブドウで造った白ワインに分類される事も事実です。酒精
を強化してあるからと言って、焼酎・ウイスキー・ブランデーなどの蒸留酒の様
にアルコールが浮き立つ程の強い口当たりではなく、酒精強化のない白ワイン
よりも少々アルコールを強く感じる程度の差しか、本来はありません。それも
ほとんど嫌味がない程度に。
では、なぜ、日本で飲むフィノやマンサニージャはフォーティファイド・ワインに
しか思えないのでしょうか?それはフィノやマンサニージャはフォーティファイド
・ワインの中で最も繊細で、アルコール度数が低く、フレッシュさと軽やかさを
備えたワインですので、スペインから日本へ遥々、長旅をして来日する際中に
コンディションを崩し、本来持つ白ワインらしさを失ってしまうからなのです。
フォーティファイド・ワインに限らず、繊細な酒質のワインは細心の注意を払い
輸送する必要があるのです。そんな注意を払って日本に迎えられたシェリー、
フィノやマンサニージャだけが現地と同様の白ワイン感覚で味わえる酒質を
保っている訳です。
そんなの当り前じゃないの?ところがそうでもないのです。多くの輸入元、いや
ほとんどの輸入元の考えは、こうです。酒精強化してあるから品質の劣化は
起こらない。だからコストが高くつく定温コンテナ(空調装置の付いたコンテナ)
での輸送をする必要がないと。その結果、海上や港で高温にさらされ、熱劣化
で繊細さが失われ、強化したアルコールが浮いた感覚の主張をする様になり、
香りは干し草、石こうの様な乾いたニュアンスを備え、味わうと苦味が突出し、
白ワインとは言えないアルコール飲料となってしまっているのです。
2009年にへレスを実際に訪れ、多くの造り手のフィノやマンサニージャを口に
するまで、この日本でのその様な真実を知りませんでした。無知とは恐ろしい
ものです。コンディションを崩し、更に品質を劣化させたフィノやマンサニージャ
をその時まで平気で販売していたのですから。
でも、その失敗は良い経験です。学習により修正されました。当店で販売する
フィノとマンサニージャは限りなく現地での状態に近い商品のみです。仕入の
前にコンディションをチェック。そして収穫年がない商品ですので、ビン詰め時
のロット番号もチェック。実際に入荷して来た商品が、仕入れ前にチェックした
商品と同じロット番号なのかもチェック。同じなら販売、違うならテイスティング
し再チェック。品質がOKなら販売。それが当店のポリシーです。
だから安心してお買求め下さい。優良コンディション保証済み商品です。現地
での味わいをこの日本ででも。白ワインなんだなと実感できるマンサニージャ
の到着です。是非、味わってみて下さい。シェリーの負のイメージを払拭する
逸品です。



La Gitana Mansanilla en Rama
ラ・ヒターナ、マンサニージャ・エン・ラマ
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う淡白な
           味わいの料理。
チーズなら・・・シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口> 3,000円(消費税別)


現地でのマンサニージャの相棒、Calamares Fritos/カラマレス・フリトス、
(イカフライ)レモン果汁を振りかけて。


日本的に行くのなら、焼きハマグリ。そして、タケノコの淡い炊き合わせに
ワカメを添えて。こんな春らしい料理に繊細でリフレッシングな香味をした
マンサニージャはピッタリのワインです。