ワインは色で分ければ白、ロゼ、赤の3種類になります。そして
原料ブドウによる違い、造る過程の違いなどにより、様々な酒質
の白ワイン、ロゼワイン、赤ワインがあります。白ワインと一言
で括れない多様性が、もちろんロゼにも赤にもあるのです。この
多様性こそが様々な料理との素晴らしいマリアージュを生み出す
秘密です。
今日は白ワインに焦点を当て、相性の良い料理を紹介致します。
白ワインは含まれる酸味の性質で相性の良い料理が大きく異なり
ます。酸味の違いは主にアルコール発酵の過程とその後の熟成の
過程で生まれます。
白ワインの出来上がるまでの大きな流れは、ブドウを破砕圧搾し
果汁を取る→果汁を清澄させる→酵母を加え果汁を発酵させる→
アルコール発酵が終わり果汁がワインになる→そのワインを熟成
させる→ワインを瓶詰する。この様な感じです。
ワインの多様性は先ずは原料ブドウの違いにより生まれるのです
が、それに造る過程の違いが加わり、更に酒質の明確な多様性が
生まれます。
白ワインの多様性はブドウが持っていた酸味(リンゴ酸)を変質
させずワインに持たせるのか、それとも造る過程で乳酸菌の働き
でリンゴ酸を変質させ乳酸をワインに持たせるのかに因ります。
上の画像の中の青い楕円で囲んだ過程(ワインがステンレス製の
タンクで製造過程を過ごすのか、それとも木樽で過ごすのか)が
分岐点です。
リンゴ酸のワインは軽やかで、爽やかさがあり、乳酸のワインは
ふくよかで、口当たりに粘性があります。この違いが柑橘果実の
要素のある料理に合うのか、クリーミーな料理に合うのかを決定
付けます。
ワインと料理の相性の良さは両者が共通の要素を多く持っている
ほど高まります。共通の酸味を持っているかいないのか。これが
白ワインと料理のマリアージュを決める主要因です。リンゴ酸を
感じる料理にはリンゴ酸を持つ白ワイン、乳酸を感じる料理には
乳酸を持つ白ワインを合わせれば良いのです。
レモンやゆずの果汁をかける。ポン酢を付ける。これはリンゴ酸
のワインが活躍できる食卓です。クリームで調理する。胡麻だれ
を付ける。これは乳酸のワインが活躍できる食卓です。
食べるのが好きな方が多くいるとと思いますが、スパゲッティ・
カルボナーラを想像してみて下さい。クリーミーなソースに削り
かけたチーズ、どちらも乳系の要素が満載です。これに合わせる
白ワインはもちろん乳酸を持ったタイプです。入手し易いワイン
はChardonnay/シャルドネと言う品種で造ったものになります。
但し、シャルドネで造ってあってもリンゴ酸のワインもあります
ので確認が必要ですのでご注意下さい。
また、Sauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブランと言う品種で
造ったワインにも乳酸を備え、スパゲッティ・カルボナーラに
合わせ楽しめるものがあります。
乳酸を持つシャルドネのワインの香味のイメージを端的に言うと
白と黄で、乳酸を持つソーヴィニョン・ブランのワインの香味の
イメージを端的に言うと白と緑です。ソーヴィニョン・ブランの
品種個性がワインに反映した結果そうなりました。
ほうれん草を練りこんだパスタをご存知の事と思います。噛むと
口の中にハーベイシャスな心地良い香りが広がります。ワインと
料理に共通項が多ければ多い程、相性の良さが高まる訳ですので
スパゲッティ・カルボナーラの麺がほうれん草を練りこんだ麺で
あるのならシャルドネよりソーヴィニョン・ブランのワインの方
が断然お勧めです。
レンジで温めるだけで食せるこんな商品もありますので、乳酸を
持ったソーヴィニョン・ブランの白ワインを合わせ楽しんでみて
下さい。
*Balletto 2017 Russian River Valley Sauvignon Blanc
バレット2017ロシアン・リヴァー・ヴァレー、ソーヴィニョン・ブラン
飲み頃温度:11~14度。
4,000円
2つ目の画像のワインです。