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2017年6月25日日曜日

ローラン・ペラション訪問記4

3回に渡りDomaine Laurent Perrachon/ドメーヌ・ローラン・
ペラションのCrus des Beaujolais/クリュ・デ・ボージョレを
紹介して来ました。ワインに限らず、どんな生産者でも価格の
高い商品から価格の低い商品まで、異なる販売価格帯の商品を
取り揃え、商いをします。そして、価格の一番低い商品にこそ
その生産者の凄さ、技量、商いの精神が表現されると言われて
います。ローラン・ペラションが造り出すワインにもその事が
例外なく当てはまります。今日は彼らのそのワインを紹介致し
ます。


日本に来ていませんが彼らが造るクリュ・デ・ボージョレの一つ
にChenas/シェナがあります。このシェナの原産地はシェナ村と
東側のLa Chapelle de Guinchay/ラ・シャペル・ド・ガンシェ村
にまたがっています。
上の画像はラ・シャペル・ド・ガンシェ村のGoogle Earthです。
村のほぼ全体にブドウ畑が広がっていて、ワイン村そのものです。
この村はクリュ・デ・ボージョレの原産地ですが、村にある畑の
全てがクリュ・デ・ボージョレの為のブドウを育む畑ではなく、
他の原産地呼称の為のブドウ畑も村内にあるのです。


こちらの画像がその詳細です。Cはクリュ・デ・ボージョレの為
の畑があるエリア、Vはクリュ・デ・ボージョレの原産地を囲む
様にボージョレ地方北部に広がるBeaujolais Villages/ボージョレ
・ヴィラージュと言う原産地呼称ワインを造る為のブドウを育む
畑があるエリア、Bは原産地呼称ワインのBeaujolais/ボージョレ
を造る為のブドウが育まれる畑のあるエリアです。
ワイン法で上位に格付けられている原産地ではそれよりも格下と
なる原産地呼称ワインを造る事ができ、クリュ・デ・ボージョレ
の原産地でなら、ボージョレ・ヴィラージュもボージョレも造る
事が出来ると言う具合に。
同じ村内なのにどの様な訳があって区分されているのでしょうか。
それは土壌の構成要素の違い。地勢の違いとそれによる自然環境
の違い。それらの結果、育まれるブドウの実が持つ性格に差異に
現れ、そのブドウでワインを造れば地味を備えた酒質になり、又
品質に優劣が出る。これらが考慮され、長い時を経て区分された
のです。
ローラン・ペラションは村内のボージョレ・ヴィラージュ原産地
でボージョレ・ヴィラージュの赤ワインとボージョレの白ワイン
を造っています。その造り分けをより詳細に見てみましょう。
ボージョレ地方の多くは花崗岩が含まれた土壌なのですが、場所
により花崗岩の含有率が非常に多い所、少ない所、花崗岩でなく
石灰岩に由来する土壌である所もあります。
ボージョレ地方の赤ワインはGamay/ガメイと言うブドウ品種で
造り、白ワインはChardonnay/シャルドネと言うブドウ品種で
造るとフランスのワイン法で定められています。
ガメイは花崗岩に由来する土壌で育むとその個性を十分に発揮し、
シャルドネは石灰岩に由来する土壌で育むとそうなると言われて
います。
ボージョレ地方では青ぽく見える石が含有されていたり、黄土色
ぽい石が含有されている土壌は花崗岩に由来していて、白ぽい色
をした石を含んでいたり、全体に白ぽい色に見える土壌は石灰岩
に由来しています。
ローラン・ペラションのボージョレ・ヴィラージュの赤ワインと
ボージョレの白ワインはラ・シャペル・ド・ガンシェ村内のその
様な土壌と適応するブドウの組み合わせに従ってブドウを栽培し
ワイン造りが行われています。


上下の画像はローラン・ペラションの自社畑の画像です。上の画像
の畑は畝の植生をまだ鋤き込んでいないので地表が見えず判り難い
ですが、粘土質がより少なく、下の画像の畑の土壌に比べ、土壌の
粒子が大きくサラサラとしています。そして見た目の色は白っぽさ
を感じません。


ブドウ樹の仕立て方も違う事が判ります。植生の残る畑は幹が2つで
枝は上に真っ直ぐ伸びているのに対し、下は幹が1つで枝は横に誘引
されています。前者はガメイ、後者はシャルドネです。土壌の状態、
ブドウ樹の性質、どの様な実を収穫したいのか等を考慮し、この様
な手法を採っているそうです。


より判り易いのが上下の画像です。上はガメイに向く花崗岩由来の
土壌で青ぽく見えます。下はシャルドネに向く石灰岩由来の土壌で
白ぽく見えます。


ローラン・ペラションのボトムレインジのワインの紹介を致します。
同じ村の同じ原産地で土壌の違い等を考慮し造り分けた原産地呼称の
違う赤ワインと白ワインです。


花崗岩に由来する土壌を持つ原産地@ボージョレ・ヴィラージュで
育んだガメイで造ったボージョレ・ヴィラージュの赤ワインが左で
石灰岩に由来する土壌を持つ原産地@ボージョレ・ヴィラージュで
育んだシャルドネで造ったボージョレの白ワインが右です。
ボージョレ・ヴィラージュ(赤)は花崗岩の地味を表現した繊細で
酸味とミネラリーさが活き活きと広がり、フレッシュさが実に快適
な酒質をしています。トマトの冷製カッペッリーニ、ガスパチョ、
トマトスープのロールキャベツ、ピッツァ・マルゲリータ等トマト
の酸味を生かした料理との相性に優れたワインです。
ボージョレ(白)は石灰岩の地味を表現したクリーンでシャープな
酸味とミネラリーさのハーモニーがあり、混じる粘土質に由来する
白い果実や花を思わせる白の印象がエレガントさを添えています。
レモンやポン酢の爽やかさを添えた淡い味わいの料理と素晴らしい
マリアージュを奏でるワインです。
*Domaine Laurent Perrachon 2015 Beaujolais Villages Rouge
ドメーヌ・ローラン・ペラション2015ボージョレ・ヴィラージュ・ルージュ
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら、パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:15~18度。
<爽やかなミディアムボディー>
2,000円
*Domaine Laurent Perrachon 2015 Beaujolais Blanc
ドメーヌ・ローラン・ペラション2015ボージョレ・ブラン
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う
淡白
な味わいの料理。チーズなら、シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口>
2,000円

2017年6月24日土曜日

ローラン・ペラション訪問記3

Domaine Laurent Perrachon/ドメーヌ・ローラン・ペラション
が造ったCrus des Beaujolais/クリュ・デ・ボージョレは現在、
2種類のみが日本に来ていると前回のブログにアップしました。
Julienas/ジュリエナを既に紹介しましたので、本日はMorgon/
モルゴンを紹介致します。


モルゴンの原産地はクリュ・デ・ボージョレ地区のほぼ真ん中に
あり、南東を向いた傾斜地とその扇状地に畑が広がっています。
標高は高い所で500m程、低い所で250m程になります。土壌は
ジュリエナ同様、花崗岩が混じっていて、更に風化した岩由来の
粘土混じりのRoche Pourrie/ロシュ・プリと呼ばる土壌もあり、
この地特有のものです。
ロシュ・プリの土壌で育んだブドウで造る赤ワインはモルゴンの
原産地の地味そのもので、Morgonne/モルゴンヌと形容されて
います。それはまるでコード・ドール地区(ブルゴーニュ地方)
のピノ・ノワの赤ワインの様です。


原産地呼称ワインのモルゴンはVillie Morgon/ビリエ・モルゴン
とその南にあるMorgon/モルゴンの2つの村が原産地で、土壌の
違いで7つの区画(上の画像では6しかありませんが)に区分け
され、1区画からだけのブドウでワインを造るとMorgonの表示
に加え、その区画名をラベルに記載する事が出来ます。
本日、紹介しますモルゴンはCorcelette/コルスレット区画だけ
のブドウを使い造りましたので、区画名が原産地呼称名の下に
記載されているのをラベル上で確認できます。
コルスレット地区では南東や南を向いた標高300~400mの他と
比べると急な斜面に畑が拓かれ、土壌は花崗岩主体になります。
他の地区のモルゴンと比べるとミネラリーさをより感じる酒質
になる傾向があります。つまり、より長期熟成に向くワインと
言えます。


コルスレット地区の斜面を谷を挟んだ南側の地区Les Charmes/
レ・シャルムから望んだ画像が上です。レ・シャルム地区は上の
画像で確認出来る様にコルスレット地区とほぼ同じ土壌ですが、
傾斜の向きが東方向で、この地勢の違いから来る地味の相違の為
別々の地区になっています。


こちらが日本に来ているローラン・ペラションのもう一つのクリュ
・デ・ボージョレ、Morgon/モルゴンです。その原産地呼称の直ぐ
下にCORCELETTEの文字がシッカリ刻まれています。



Julienas/ジュリエナの赤ワインもそうでしたが、比較的色合いが
うすいにも関わらず、味わいの深みがシッカリとあるのはローラン
・ペラションのクリュ・デ・ボージョレに共通する要素です。
現地で彼らの他のクリュ・デ・ボージョレを8種類テイスティング
していますが、例外なくいずれもにその事を感じました。優れた
畑を所有している。そこでブドウを丹念に育てている。ナチュラル
なワイン・メイキングで地味を明確に表現している。この様な事が
重なり、その深み、そして角々しさの全くない球体の様な口当たり
を感じさせるワインに仕上がっているのです。
*Domaine Laurent Perrachon 2013 Morgon Corcelette
ドメーヌ・ローラン・ペラション2013モルゴン・コルスレット
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら、パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなミディアムボディー>
3,000円


上の画像はビリエ・モルゴン村にあるLa Caveau du Cru Morgon/
ラ・カヴォー・デュ・クリュ・モルゴン(試飲直売所を備えた地域
のコミュニティー施設)です。
1953年に造られたこの試飲直売所はボージョレ地方で初の事でした。
今では多くの村に同じ様な施設があり、この地方を訪れる多くの人
のお気に入りのスポットになっています。

2017年6月23日金曜日

ローラン・ペラション訪問記2

Domaine Laurent Perrachon/ドメーヌ・ローラン・ペラション
は原産地呼称ワイン、Julienas/ジュリエナの原産地の中心である
ジュリエナ村にあります。彼らはジュリエナ以外のクリュ・デ・
ボージョレも自社畑で育んだブドウで造っています。


Saint Amour/サンタムール、Chenas/シェナ、Moulin-a-Vent/
ムーラナヴァン、Fleurie/フルーリー、Morgon/モルゴンが彼ら
のクリュ・デ・ボージョレのラインナップです。その内、日本
へ来ているのはジュリエナとモルゴンです。


ジュリエナの原産地は標高230~430mのほぼ南を向いた斜面に
畑が拓かれ、豊富な日照を享受し、ブドウは育まれます。その為
ブドウはシッカリと熟し、ハッキリとしたピュアな果実味のある
実となります。
上の画像はジュリエナの原産地を別の原産地から望んでいます。
見渡せる斜面一面にブドウ畑が広がっています。


こちらの畑はローラン・ペラションのジュリエナにあるドメーヌ
の前(南側)に拓かれた畑です。ボージョレ地方では通常、樹は
桑の樹の様に地面に近い所に株を持つ様に仕立てられ(株仕立て
と言います。)枝は株の所から上に数本伸びています。
ブドウ樹の間に草が茂っていますが、これは畑仕事を怠けている
からではなく、様々な理由からこの様にしています。表土の流出
を防ぐ。土壌の乾燥を防ぐ。草を土に鋤き込んで堆肥にする。又
多様な植物相を保つ事でブドウ樹にとっての害虫を捕食する益虫
を集める。この様な理由によります。
ボージョレ地方では化学物質に頼らないナチュラルな農法が広く
普及していますので、ブドウ樹と樹の間に他の植物が生えている
畑を普通に目にします。益虫にとってフレンドリーな環境がそこ
に広がっています。


こちらはジュリエナにあるドメーヌの熟成庫です。225ℓ、300ℓ、
400ℓ、500ℓの木樽を熟成する赤ワインの酒質を考慮しつつ使い
分けています。
果実味がリッチであったり、タンニン(渋味)が豊かであったりと
言った赤ワインは容量の小さい木樽を、ブドウ由来のナチュラルな
果実味を大切にしたい赤ワインは大きい木樽を使います。樽の内側
の木と触れ合うワインが樽内のワイン総量に対して多いと木樽から
の成分がワインにより多く移行しますから、その成分を受け入れる
だけの強さがワインに必要になるからです。


こちらがローラン・ペラションの本拠地が原産地のジュリエナです。
JULIENASの文字の下にROCHE BLEUE/ロッシュ・ブルーの表示が
あります。これはジュリエナの原産地の多くに見られる青ぽい色の
花崗岩の事で、この花崗岩を含んだ土壌で育んだブドウでワインを
造るとそのワインのボディーに豊かさをもたらすと言われています。


赤ワインは通常、色合いが薄いと酒質は軽く(ライトボディー)、
濃いと酒質は重く(フルボディー)となります。このジュリエナは
比較的薄めの色合いなのですが、味わいに深みを感じフルボディー
に近いリッチさがあります。これが青色花崗岩(ロッシュ・ブルー)
由来の地味なのです。
Domaine Laurent Perrachon 2014 Julienas
ドメーヌ・ロラン・ペラション2014ジュリエナ
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
チーズなら、パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなミディアム~フルボディー>
2,500円
これこそジュリエナ。地味あるワインを是非、味わってみて下さい。

2017年6月22日木曜日

Laurent Perrachon/ローラン・ペラション訪問記

ボージョレ地方の最上位のワインであり、この地方の別格のワイン
であるCrus des Beaujolais/クリュ・デ・ボージョレ。10の呼称
を持ち、それぞれが自然環境を反映した地味を明確に備えたワイン
になっています。


クリュ・デ・ボージョレ地区の北端Julienas/ジュリエナ村にある
Domaine Laurant Perrachon/ドメーヌ・ローラン・ペラション
を訪問する為、北上して来た事は前回のブログにアップしました。


ドメーヌに通じる小道を少し進んだ所にある看板をみますと、この
les Mouilles/レ・ムーイユと言う地区には3つのワイン生産者など
がある様です。


その中で訪問先のドメーヌ・ローラン・ペラションが一番手前に
ありました。OUVERT/Openとシッカリ表示されています。アポ
あり訪問ですから、その表示がなくても別に構わないのですが。


ドメーヌ(ドメーヌとはブドウ畑を所有し、そこで育んだブドウで
ワインを造る生産者)の建物まで進む左側には所有畑が拓かれ、南
に向かい緩やかに傾斜した地勢になっています。
上の画像で赤いバラの花が咲いているのが判りますか?ワイン用の
ブドウ畑に行くとしばしば目にする光景です。これには訳があり、
ブドウの樹を襲う病気をいち早く察知する為で、バラの方がブドウ
よりも先に病気に侵される事からこの様に畑の横に植えられる様に
なりました。


訪問時に彼らのワインのほぼ全てをチェックした試飲直売所です。
テーブルの後ろの棚にはオールド・ヴィンテージの彼らのワイン
が。飾ってあるだけでなく、実際に販売しています。
ボージョレ地方で別格のクリュ・デ・ボージョレと言えども日本
では2000年ヴィンテージ前後、いや、もっと新しいヴィンテージ
のワインしか手に入らないですし、ワイン業界で働く人でも古い
ヴィンテージのクリュ・デ・ボージョレを味わう機会など滅多に
ありません。それがここにはたくさんのオールド・ヴィンテージ
が...。
全ヴィンテージを各1本ずつ買って帰りたい衝動を抑え、目の前の
テイスティングしなくてはならないワインに集中!!彼らのワインは
いずれも原産地の地味を明確に的確に表現した酒質になっていて、
比較しテイスティングをするならパーフェクトな教材しなりますし、
予め原産地呼称毎の酒質を一覧表にし参加者に配り、何も判らない
状態でワインをその一覧表を参考にテイスティングし、どのワイン
がどの原産地呼称なのかを当てるゲームをワイン会でしてみるのも
一興でしょう。
次回から彼らのワインを紹介します。

2017年6月21日水曜日

クリュ・デ・ボージョレ地区を北上

前回アップのCote de Brouilly/コート・ド・ブルーイィ、Brouilly/
ブルーイィはCrus des Beaujolais/クリュ・デ・ボージョレ地区の
最南端。本日は一挙に北上します。



そこは原産地呼称ワイン、Julienas/ジュリエナの誕生地。ジュリエナ
の名はGalius Julius Caesar/ガイウス・ユリウス・カエサルの名前に
由来すると言われています。英語読みでシーザーの事です。


原産地呼称ジュリエナのワインの誕生地はジュリエナ村とその周辺の
3村にまたがり、ブドウ畑の大部分がほぼ南を向いた傾斜地に拓かれて
います。
ジュリエナ村はPinot Noir/ピノ・ノワ(ドイツではSpatburgunder/
シュペートブルグンダー)で造る高品質の赤ワインで非常に有名な村
Assmannshausen/アスマンスハウゼンと姉妹村になっているのです
ね。全く知りませんでしたが。赤ワインの銘醸地と言う事つながりと
想像します。


ジュリエナ村の中心に近づくとジュリエナへようこそ/Bienvenue a
Julienasの壁が出現。テンションが上がります。



そして村の中心には教会に併設されたワイン試飲直売所があります。
この時は朝の早い時間でしたので、中に入る事は出来ませんでした。
この様な施設は10あるクリュ・デ・ボージョレの原産地内の村には
必ずあり、この地を訪れた人々の多くが生産者訪問同様こちらにも
立ち寄り、試飲をし、ワインを購入して行きます。


ジュリエナの村を背に東方向へ進むとアポあり訪問先のDomaine/
ドメーヌ(ブドウ畑を所有し、そこで育んだブドウでワインを造る
生産者)、Laurent Perrachon/ローラン・ペラションがあります。
進入路の入口にはかつて使用していたであろうブドウの手動圧搾機
が置かれ、その下方には50m先左側との案内板が。
これから会う人はどんな人なのか。見学する醸造所や畑はどの様な
感じなのか。どれほど素晴らしいワインに出会えるのだろうか。等
と思いを巡らせ、テンションがマックスになる瞬間が真にこの時と
言えます。
次回からローラン・ペラション訪問記を連載します。

2017年6月19日月曜日

Pavillon de Chavannes/パヴィヨン・デ・シャヴァンヌ

完璧な自然条件が整った時、遥か遠くにモン・ブランを目視できる
ヴュー・スポットが山頂にあるMont Brouilly/ブルーイィ山。この
山を見上げる地にDomaine/ドメーヌ(ワイナリーと言う程の意味)
を構え、この地ならではの香味を湛えた珠玉の赤ワインを造り出す
のがDom.du Pavillon de Chavannes/ドメーヌ・デュ・パヴィヨン
・デ・シャヴァンヌです。
ドメーヌの正門からブルーイィ山を見上げるとその斜面にブドウ畑
が広がっています。パヴィヨン・デ・シャヴァンヌの所有する畑は
そこにあり、Cote de Brouilly/コート・ド・ブルーイィと言う呼称
の赤ワインを造っています。



こちらが正門からブルーイィ山を見上げた画像です。ドメーヌの塀
に沿って走る道路がこの山の中腹よりやや下方となります。原産地
呼称ワインのコート・ド・ブルーイィはその道路の上方のエリアと
この山の裾野に沿って山を囲む様に走る道路の内側のエリアが対象
となっていて、外側は前回のブログで取り上げた別の原産地呼称の
ワインが誕生するエリアになっています。



標高477mのブルーイィ山の山頂に近い畑はこの様な地勢に拓かれ
水はけの良い、日照を十分に受けられる環境にあります。しかし、
この傾斜ですから畑仕事は重労働です。
ワインの誕生する背景を知ると好き勝手な事を言ってワインを批評
する様な軽率な行動をとるものではないと思わずにいられません。
車一台が通れる道を隔て上下に畑がありますが、様子が異なる事が
判りますか。上の畑のブドウ樹は古木で、下の畑のブドウ樹は若木
です。
ブドウの樹も生き物ですから当然、寿命があります。樹齢15年程に
なるとワインを造る為の高品質なブドウを育める様になり、その後
20~30年間、その状態をキープし、それ以降は少しずつ産出量を
減らして行き、役目を終わらせます。樹齢100年のブドウ樹がある
畑もありますが、多くの場合、樹齢50~60年程で若木へと改植する
様です。
パヴィヨン・デ・シャヴァンヌの若木の畑は高樹齢によりブドウの
実の生産性が衰えた為に改植したとの事でした。改植のタイミング
はそればかりではありません。樹が病気に侵された時、旱魃や雹、
浸水などの自然の猛威で樹が枯死してしまった時などは勿論、改植
します。



改植した若木の畑はこの区画だけで、その畑の下には幹の太い樹
が植わっている畑が見えます。その先に目を向けますと林を挟み
2つの建物が見えますが手前がパヴィヨン・デ・シャヴァンヌの
ドメーヌです。



ドメーヌのワイン熟成庫がこちらです。歴史を感じます。木製の
大樽、しかも長年使いこんだ古樽はワインが持つ天然成分の酒石
が内側に付き、ワインと木が触れ合わない事、また長年使った事
で木に含まれている成分が減少し、木に含有されていた成分での
ワインへの影響がなくなるなど、ワインの熟成をある意図を持ち
行う際に好都合となります。
その意図とは微量の空気との緩やかな接触により酸味、タンニン
(渋味)を和らげ、香味を洗練させると同時に原料ブドウ由来の
ナチュラルな成分に余計な要素を添加させない為にステンレス製
のタンクでもなく、木の成分がワインへと流出してしまう新しい
木樽でもなく、大きな古樽を使う事でワインへ余計な成分の添加
を防ぐ事です。そして何故、大きな樽かと言いますと、小さい樽
は木とワインの接触する比率が高まり、空気接触に加え、木から
の成分がワインへと移行し易くなる為、その現象を回避する目的
で大きい樽、しかも古樽を使用するのです。
次回はパヴィヨン・デ・シャヴァンヌのコート・ド・ブルーイィ
と隣接する原産地のワイン、ブルーイィ(生産者は別になります
が)のワインを紹介します。

2017年6月12日月曜日

Dom.du Vissoux/ドメーヌ・デュ・ヴィスーⅡ

ドメーヌ・デュ・ヴィスー(Pierre Marie Chermette/ピエール・
マリー・シェルメット)のワインを初めて味わったのは20年程前
だったと記憶しています。そのワインはBeaujolais les Griotte/
ボージョレ・レ・グリオット(グリオット大理石の破片を含む畑
で育まれたブドウで造ったこのドメーヌの主力商品)と言う赤で
Primeur/プリムール(Nouveau/ヌーヴォーと同じ意味)でした。
彼らが造ったプリムールは当時流通していた多くのヌーヴォーと
全く次元を異にするレヴェルで、これがボージョレの新酒なのか
と大いに驚かされたものでした。そんな驚愕のワインを造り出す
村、畑、醸造所、ヴィスーのスタッフ(シェルメットさん家族)
と実際に接したい。この思いを温め続け、この度、ようやく訪問
するチャンスを得たのでした。



ヴィスーがあるのはとても小さな村のSaint Verand/サン・ヴェラン。
村の中心は小高い丘の上にあり、村内のそれぞれの地区へはこの丘を
四方へ下って行きます。すれ違う車も、人の気配もない小道を進むと
やがてその道の両側にこの村では比較的大きな建物が現れます。ここ
がドメーヌ・デュ・ヴィスーです。
上の画像の右側の建物が新醸造所、左側に少しだけ写っている建物が
旧醸造所です。新醸造所の裏の緩斜面にブドウ畑があります。



こちらは新醸造所内のワイン発酵の為のスペースです。初めての発酵
を終え、ワインはそれぞれ相応しい所へ移されています。相応しい所
とは深みを添えたいワインは木樽へ、フレッシュな果実味を残したい
ワインは貯蔵の為のステンレス製タンクなどへと言った具合に。



こちらが熟成タンクです。立方体のタンクの内側がコンクリートや
樹脂でコーティングされています。ステンレス製のタンクと異なり、
こちらでワインを熟成させますと、フレッシュさよりもシットリと
した果実味を備えたワインへと洗練されます。


Japon/日本向けのパッキング済ワインです。20ケースのパレット
になっています。訪問したのが3週間程前ですから、今頃は日本へ
向かう船の中にある筈です。



新醸造所の裏の傾斜地に広がる畑です。初めて味わったヴィスーの
プリムールの原料ブドウは、当時は違うのかもしれませんが、今は
この区画からのブドウも使い造られています。


こちらはヴィスーが所有する畑の中で最も樹齢の高い樹が植樹されて
いる区画です。ヴィスーが造る赤ワインの中にCoeur de Vendanges
Vignes Centenaires/クール・ド・ヴァンダンジュ・ヴィーニュ・
サントネールがあり、この区画のブドウで造るのですがサントネール
ですから樹齢が何と100年です。
次回はヴィスー訪問の際に出会った驚きの品質のワインを紹介します。
ボージョレなら赤に違いないと思うでしょうが、そのワインは白です。

2017年6月11日日曜日

Domaine du Vissoux/ドメーヌ・デュ・ヴィスー

初めてのボージョレ地方訪問は、この地方の中心の街Villefranche
sur Saone/ヴィユフランシュ・シュール・ソーヌから原産地呼称
ワインBeaujolais/ボージョレの誕生エリアを先ず巡り、Beaujolais
Villages/ボージョレ・ヴィラージュの原産地、Crus des Beaujolais
/クリュ・デ・ボージョレの原産地へと北上しました。


ボージョレの原産地は上の立体地図の比較的傾斜が緩やかなエリア
(レンガ色ぽい一番広い所)、ボジョレー・ヴィラージュは傾斜が
きつくなるエリア(ボージョレの原産地に隣接する空色の所)で、
その中に10の呼称を持つクリュ・デ・ボージョレの原産地があり、
ボージョレの原産地と比べるとその風景を目まぐるしく変化させる
地勢の多様な(もちろん土壌や気象条件なども)地域です。


最初のアポあり訪問Domaine/ドメーヌ(ブドウ畑を所有し、そこ
で育んだブドウでワインを造る生産者)はDomaine du Vissoux/
ドメーヌ・デュ・ヴィスー。ヴィユフランシュ・シュール・ソーヌ
の南西にある村、Saint Verand/サン・ヴェランにあります。この
村と同名の村がボージョレ地方に隣接するMacon/マコン地区にも
あり、白ワインで名を馳せています。
ドメーヌからのメールにAttemtion!!(注意して!!)とありましたが
マコン地区のサン・ヴェランに行ってしまったら、大変な事です。
きっと間違えて言ってしまう人がいるんでしょうね。わざわざ注意
を促すのですから。


ヴィユフランシュ・シュール・ソーヌから約25㎞。道が空いています
し、一般道路であっても最低時速60~70㎞で走行しますから30分弱
で到着します。
上の画像(地名を赤枠で囲んだ標識)はここからサン・ヴェラン村が
始まりますとの知らせです。ここは小高い丘になっていて、先にある
茶色ぽい建物は村の中心に建つ教会です。この村は本当に小さいです。
飲食に関係する店は教会のある広場に1軒のパン屋、2軒のレストラン
があるだけです。


丘の上(教会を背に)から村の南西方向を望んでいます。この丘を
下り、その先に見える山(丘と言うべきか?中央に白い建物らしき
ものが見える。)までがボージョレの原産地です。
訪問先のドメーヌ・デュ・ヴィスーは左折し進めばその道路沿いに
あるとの案内(赤い板)を上の画像中の標識で確認できます。白い
板の案内はこの村の地区のある方向を知らせています。


標識通りに進む事数分。すれ違う車ななく、人の気配も全くない中、
ドメーヌに到着です。銀色の車は今回の滞在で借りたフォードです。
車の奥の建物がドメーヌの旧醸造所で、今はワインの貯蔵熟成のみ
で使っています。


こちらは地上から地下の貯蔵熟成庫へとつながる階段です。木組み
の屋根に歴史を感じます。歴史のあるワイン生産者の建物はこの様
な感じが多い気がします。


貯蔵熟成庫でテイスティングです。ワインは日本へ輸出している
ものに加え、彼らが日本へ輸出したいもの、更にテイスティング
してみたいとリクエストしたワインの計11種類です。
ご覧頂ける様にほとんどが赤ワインです。この地方が赤ワインの
地である事を再認識します。地上より10度以上も涼しいこの部屋
で空中に漂うワインの香りに包まれてのワインのテイスティング
は筆舌に尽くし難い素晴らしさがあります。この瞬間が造り手を
訪問した時の最高のひと時です。
この訪問の直前に強烈な雹が降り、ブドウの樹に大きな害が出て
いました。葉を破り、葉を落とし、更には枝を裂き、中には枯死
してしまう樹が出て来るだろうと言っていました。
そして訪問した日は30度の強烈な暑さ。年を重ねる毎に自然環境
が大きく変わりかつての常識が通用しない。大変な時代になって
しまったとしばしば耳にします。ワインを販売する苦労、苦しみ
はありますが、(傍から見る程、ワインのビジネスは華やかでも、
楽でもありません。)その様な話を聞く度に自分が背負う思いは
ブドウ栽培者、ワイン生産者に比べたなら微々たるものと思わず
にいられません。
次回はヴィスーの新醸造所とブドウ畑に行ってみましょう。

2016年12月22日木曜日

陽光が燦々と降り注ぐ風光明媚な地

カリフォルニア州で最も世界に名を馳せているワイン産地と言えば
Napa Valley/ナパ・ヴァレーかもしれません。このナパ・ヴァレーの
南にナパ・ヴァレーよりも冷涼な気候条件のCarneros/カルネロス
があり、その気候を生かし、Pinot Noir/ピノ・ノワやChardonnay/
シャルドネを主に育んでいます。



カリフォルニア州は北半球にありますので、一般的には南(赤道)
の方へ行く程、温かく、暑くなります。ではなぜ、ナパ・ヴァレーの
南にあるカルネロスの方が涼しいのでしょうか?
それはカリフォルニア州の沿岸部に沿って北から南へ流れる海流
が寒流の為、沿岸部に冷気が発生し、その冷気が川、湾、低地を
通り内陸へ流れ込む事により、その影響を受けるエリアが冷気を
貯め、涼しくなるのです。
ナパ・ヴァレーのあるナパ郡のワイン産地はカルネロスが南端に
位置するので、ナパ郡では最も寒流の冷気の影響が強く、ナパ
の産地の多くがCabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンで
名声を獲得しているのに対し、カルネロスは冷涼気候下に適性が
あるピノ・ノワやシャルドネで名を馳せている訳です。




上下の画像はカルネロスにある最も有名なブドウ栽培農家の
ひとつのTruchard/トルシャードです。この地はナパ郡の中で
最も冷涼なのですが、カリフォルニアの特徴である燦々と降り
注ぐ陽光はその冷気を消し去る位に強く、肌に射すとは真に
これかと実感する程です。
つまり、ナパ郡では冷涼と言えるのですが、日が射す時間は
実際にはそれ程、冷涼ではなく、むしろ温かい(暑い)位で、
陽光があるなしで大きな気温差がある地なのです。




その大きな気温差とタップリの日射がブドウを完熟させ、ピュアで
明確な果実味をもつ実になります。この地で育まれたブドウから
誕生した多くのワイン(白もロゼも赤も)がハッキリしたフルーツの
主張を備えたナチュラルな味わいに仕上がっています。




CarnerosはCarneroの複数形で、スペイン語で雄の羊の事です。
小高い丘の起伏がどこまでも続くこの地はメキシコから布教の
為、北上して来たスペインやメキシコの宣教師により、開拓され
今に続いています。連れて来た羊が丘に群れていた事から名
をつけたと言われています。
次回はこの地の著名なブドウ栽培農家が自ら造った赤ワインを
紹介します。