ブレタノマイセス (ブレタノミセス)/Brettanomycesと言う
語を聞いた事がありますか?ワインに影響を与える酵母で、
時に好影響を、但し、多くの場合、悪影響を与えます。
ブレタノマイセスの影響を受けるとワインに野趣な香味が
備わります。血の滴る様な動物赤身肉であったり、天然の
淡水魚や根野菜、天然のきのこをイメージする土っぽさで
あったり、なめし皮ぽさであったり。
それらを思わせるニュアンスが程良いレヴェルであるなら、
ワインに複雑さ、深みが備わっていると感じるのですが、
過剰なレヴェルになると近づくのさえ勇気が要るほど不快
な、例えば、発酵腐葉土、下水、夏場の生ごみ、香りとは
言えず、臭いを放ちます。
ブレタノマイセスは私達の周りにごく普通に存在し、意図
しない所でワインに影響を与えてしまいます。この物質の
影響を排除する為、ワイナリーでは様々な対応策がとられ、
ワインが台無しにならない様、注意が払われています。
只、興味深い事にブレタノマイセスの影響が低レヴェルで
あったならば、熟成香(ブーケ)に類する香りを呈します
ので、人為的にブレタノマイセスをワインに添加し、その
影響をコントロールしつつワインを仕上げて行く醸造家も
います。
しかしながら、0でなければ1でも100でも同じだと言う人
にとっては人為的にワインに複雑さを備えさせたとしても
それを不快に感じる事もあり、ブレタノマイセスの影響が
ない方が良いのは間違いありません。
ブレタノマイセス(ブレティーさ)を白ワインに感じる事
はほとんどなく、その多くは赤ワインで、時にロゼワイン
にも。そして、Merlot/メルロ、Pinot Noir/ピノ・ノワ、
Sangiovese/サンジョヴェーゼ、Montepulciano/モンテ-
プルチャーノ、Tempranillo/テンプラニージョなど動物の
赤身肉、ジビエ肉を思わせる様な野趣で複雑なニュアンス
をもたらす品種で造ったワインに特に感じがちです。
所で、ブレタノマイセスの影響を感じるワイン(不快では
ないレヴェルの)を飲んでみたいと思いませんか?今なら
飲めるレヴェルの、複雑と感じるレヴェルの、深みがある
と感じるレヴェルの赤ワインがあります。1,300円です。
そのワインを料理、食べ物と合わせ、ブレタノマイセスが
創り上げた香味(ブレットさ)を和ませ、同時にワインと
料理のマリアージュも完成させてしまいましょう。和み、
マリアージュしたものは◎、なかなか良いには〇、悪くは
ないがは△、ダメだねこれはは×で表しました。
先ずは寿司と。低度のブレットさと同系の香味を持つネタ
と赤ワインに相性の良い魚卵を用意しました。
・炙り合鴨:予想◎ 結果◎
予想通り鴨肉の野趣さと相乗しました。
・炙り中トロ:予想◎ 結果〇
炙りを強くして海水天然塩ではなく、醤油で食すなら◎に
なるでしょう。
・炙りうなぎ:予想◎ 結果〇
鰻の野趣さがワインに追い付きません。山椒をシッカリと
かけて鰻の味わいを豊かにすれば◎になるでしょう。
・炙りサーモン:予想〇 結果×
サーモンの香味に生感が予想以上にありますので、炙りを
強くし、醤油で食しとたとしても△止まりでしょう。
・炙りえんがわ:予想〇 結果×
サーモン同様です。
・炙りしめさば:予想〇 結果△
鯖の香味の野趣さとの相性は悪くはありませんので、醤油
で食すのなら〇になるでしょう。
・いくら軍艦:予想〇 結果〇
魚卵は赤ワインとの相性が悪くはないと言う事実の通り、
良い調和をしてくれます。ブレティーなワインでなければ
もっと良い結果になるでしょう。
・たらこ軍艦:予想〇 結果〇
こちらもいくらと同様です。
(寿司は、はま寿司でTo go)
載ったとり重にペアリングです。
・とり重弁当:予想◎ 結果◎
鴨肉同様、雉肉にも鉄分ぽさ、血合いっぽさが感じられ、
その様な風味を備えた鶏肉ですし、醤油タレが香ばしさと
味わいの深み(火が入った醤油にはソトロンと言う香味に
奥深さをもたらす成分を生醤油の時より一層、明確に感じ
ます。)を鶏肉に添える事で、ワインの味わいの芳醇さに
より良くマッチしました。パーフェクトと言っても過言で
ないマリアージュを奏でてくれました。
(とり重弁当は、とり弁鶏でTo go)