ドメーヌ・デュ・ヴィスー(Pierre Marie Chermette/ピエール・
マリー・シェルメット)のワインを初めて味わったのは20年程前
だったと記憶しています。そのワインはBeaujolais les Griotte/
ボージョレ・レ・グリオット(グリオット大理石の破片を含む畑
で育まれたブドウで造ったこのドメーヌの主力商品)と言う赤で
Primeur/プリムール(Nouveau/ヌーヴォーと同じ意味)でした。
彼らが造ったプリムールは当時流通していた多くのヌーヴォーと
全く次元を異にするレヴェルで、これがボージョレの新酒なのか
と大いに驚かされたものでした。そんな驚愕のワインを造り出す
村、畑、醸造所、ヴィスーのスタッフ(シェルメットさん家族)
と実際に接したい。この思いを温め続け、この度、ようやく訪問
するチャンスを得たのでした。
ヴィスーがあるのはとても小さな村のSaint Verand/サン・ヴェラン。
村の中心は小高い丘の上にあり、村内のそれぞれの地区へはこの丘を
四方へ下って行きます。すれ違う車も、人の気配もない小道を進むと
やがてその道の両側にこの村では比較的大きな建物が現れます。ここ
がドメーヌ・デュ・ヴィスーです。
上の画像の右側の建物が新醸造所、左側に少しだけ写っている建物が
旧醸造所です。新醸造所の裏の緩斜面にブドウ畑があります。
こちらは新醸造所内のワイン発酵の為のスペースです。初めての発酵
を終え、ワインはそれぞれ相応しい所へ移されています。相応しい所
とは深みを添えたいワインは木樽へ、フレッシュな果実味を残したい
ワインは貯蔵の為のステンレス製タンクなどへと言った具合に。
こちらが熟成タンクです。立方体のタンクの内側がコンクリートや
樹脂でコーティングされています。ステンレス製のタンクと異なり、
こちらでワインを熟成させますと、フレッシュさよりもシットリと
した果実味を備えたワインへと洗練されます。
Japon/日本向けのパッキング済ワインです。20ケースのパレット
になっています。訪問したのが3週間程前ですから、今頃は日本へ
向かう船の中にある筈です。
新醸造所の裏の傾斜地に広がる畑です。初めて味わったヴィスーの
プリムールの原料ブドウは、当時は違うのかもしれませんが、今は
この区画からのブドウも使い造られています。
こちらはヴィスーが所有する畑の中で最も樹齢の高い樹が植樹されて
いる区画です。ヴィスーが造る赤ワインの中にCoeur de Vendanges
Vignes Centenaires/クール・ド・ヴァンダンジュ・ヴィーニュ・
サントネールがあり、この区画のブドウで造るのですがサントネール
ですから樹齢が何と100年です。
次回はヴィスー訪問の際に出会った驚きの品質のワインを紹介します。
ボージョレなら赤に違いないと思うでしょうが、そのワインは白です。