2017年6月11日日曜日

Domaine du Vissoux/ドメーヌ・デュ・ヴィスー

初めてのボージョレ地方訪問は、この地方の中心の街Villefranche
sur Saone/ヴィユフランシュ・シュール・ソーヌから原産地呼称
ワインBeaujolais/ボージョレの誕生エリアを先ず巡り、Beaujolais
Villages/ボージョレ・ヴィラージュの原産地、Crus des Beaujolais
/クリュ・デ・ボージョレの原産地へと北上しました。


ボージョレの原産地は上の立体地図の比較的傾斜が緩やかなエリア
(レンガ色ぽい一番広い所)、ボジョレー・ヴィラージュは傾斜が
きつくなるエリア(ボージョレの原産地に隣接する空色の所)で、
その中に10の呼称を持つクリュ・デ・ボージョレの原産地があり、
ボージョレの原産地と比べるとその風景を目まぐるしく変化させる
地勢の多様な(もちろん土壌や気象条件なども)地域です。


最初のアポあり訪問Domaine/ドメーヌ(ブドウ畑を所有し、そこ
で育んだブドウでワインを造る生産者)はDomaine du Vissoux/
ドメーヌ・デュ・ヴィスー。ヴィユフランシュ・シュール・ソーヌ
の南西にある村、Saint Verand/サン・ヴェランにあります。この
村と同名の村がボージョレ地方に隣接するMacon/マコン地区にも
あり、白ワインで名を馳せています。
ドメーヌからのメールにAttemtion!!(注意して!!)とありましたが
マコン地区のサン・ヴェランに行ってしまったら、大変な事です。
きっと間違えて言ってしまう人がいるんでしょうね。わざわざ注意
を促すのですから。


ヴィユフランシュ・シュール・ソーヌから約25㎞。道が空いています
し、一般道路であっても最低時速60~70㎞で走行しますから30分弱
で到着します。
上の画像(地名を赤枠で囲んだ標識)はここからサン・ヴェラン村が
始まりますとの知らせです。ここは小高い丘になっていて、先にある
茶色ぽい建物は村の中心に建つ教会です。この村は本当に小さいです。
飲食に関係する店は教会のある広場に1軒のパン屋、2軒のレストラン
があるだけです。


丘の上(教会を背に)から村の南西方向を望んでいます。この丘を
下り、その先に見える山(丘と言うべきか?中央に白い建物らしき
ものが見える。)までがボージョレの原産地です。
訪問先のドメーヌ・デュ・ヴィスーは左折し進めばその道路沿いに
あるとの案内(赤い板)を上の画像中の標識で確認できます。白い
板の案内はこの村の地区のある方向を知らせています。


標識通りに進む事数分。すれ違う車ななく、人の気配も全くない中、
ドメーヌに到着です。銀色の車は今回の滞在で借りたフォードです。
車の奥の建物がドメーヌの旧醸造所で、今はワインの貯蔵熟成のみ
で使っています。


こちらは地上から地下の貯蔵熟成庫へとつながる階段です。木組み
の屋根に歴史を感じます。歴史のあるワイン生産者の建物はこの様
な感じが多い気がします。


貯蔵熟成庫でテイスティングです。ワインは日本へ輸出している
ものに加え、彼らが日本へ輸出したいもの、更にテイスティング
してみたいとリクエストしたワインの計11種類です。
ご覧頂ける様にほとんどが赤ワインです。この地方が赤ワインの
地である事を再認識します。地上より10度以上も涼しいこの部屋
で空中に漂うワインの香りに包まれてのワインのテイスティング
は筆舌に尽くし難い素晴らしさがあります。この瞬間が造り手を
訪問した時の最高のひと時です。
この訪問の直前に強烈な雹が降り、ブドウの樹に大きな害が出て
いました。葉を破り、葉を落とし、更には枝を裂き、中には枯死
してしまう樹が出て来るだろうと言っていました。
そして訪問した日は30度の強烈な暑さ。年を重ねる毎に自然環境
が大きく変わりかつての常識が通用しない。大変な時代になって
しまったとしばしば耳にします。ワインを販売する苦労、苦しみ
はありますが、(傍から見る程、ワインのビジネスは華やかでも、
楽でもありません。)その様な話を聞く度に自分が背負う思いは
ブドウ栽培者、ワイン生産者に比べたなら微々たるものと思わず
にいられません。
次回はヴィスーの新醸造所とブドウ畑に行ってみましょう。