発泡性ワインの殆どはラベルを見れば、その味わいの甘辛が
判ります。ラベルにそれを判断できる単語が記載されている
からです。
例えば、辛口ならBrut/ブリュット、やや甘口ならDemi Sec
/ドゥミ・セックやSemi Secco/セミ・セッコ、甘口ならば
Doux/ドゥやDolce/ドルチェと言った具合に。
但し、ブリュットと言ってもワイン中に含有されている糖分
は12g未満と規定されていて、含有糖分量に幅があります。
気分が引き締まる程の辛口も和みを感じる辛口もブリュット
です。残糖分が0に近づくにつれ前者のタイプ、残糖分が12
に近づくにつれ後者のタイプへと言った感じです。
今日はホリデー・シーズン向け8つ目の発泡性ワイン、身体
の芯までピリリとした辛さが伝わる様なモルドヴァ共和国産
の白、アルプ/Albのヴィン・スプマントゥ/Vin Spumantを
紹介します。
そのワインはブリュットです。香りには華やかで甘い雰囲気
のフルーツを感じますが、味わうと豊かなミネラリーさが核
となり、超硬水を思わせるシャープな力強さがあり、甘味を
排した極めて辛口のテイストを余韻に残します。そして石灰
を思わせる(フリンティーな)フレーヴァーがそこにあり、
ほろ苦い旨味を備えた食材(アサリなどの貝類、鉄分ぽさを
感じ、加熱すると白っぽくなるブリなどの魚、白い根菜類)
を使った料理が欲しくなります。
*Radacini Feteasca Alba Brut
ラダチニ、フェテアスカ・アルバ、ブリュット
相性の良い料理:僅かな脂肪分を含む素材、オリーヴオイル
バターを使用した料理。
チーズなら、ゴーダ。
飲み頃温度:11~14度。
<豊かなミネラリーさに支えられた極辛口>
2,***円
・鶏もも肉ねぎま串焼き(塩)
この一品をより良くワインに合わせるポイントはねぎまの
ねぎを白い部分のみにする事です。ワインにメントールを
を思わせる緑色にイメージがなく、白い根菜類を思わせる
フレーヴァーがあるからです。
画像は「やきとり日本一」の「塩ももねぎ串」です。買う
際に、ねぎは緑でなく白の串を選んで袋に入れて下さい。
とお願いすればOKです。実際、買う時にそうしています。
野菜のミネラリーさ(心地良い苦味旨味)がワインと調和
します。但し、醤油やオイスターソースの明確な味わいが
ある濃い味付けの野菜炒めではワインに寄り添いません。
画像は「太田市鳥山の大関」の野菜炒めです。炒飯スープ
の味わいを感じる上品な味付けです。今日紹介のワインと
完璧なマリアージュを奏でます。
この料理は今日紹介のワインの相棒になる為に誕生したと
言っても過言ではありません。塩のミネラリーさ、ブリの
鉄分ぽさ(苦味旨味)、大根のフレーヴァーの全ての要素
がワインに含まれている要素と密にリンクします。似た者
同士は上手く行く。真にそれを実感できるペアリングです。
画像では刻みねぎが振りかけてありますが、かけない方が
ワインと融合します。色どり、見栄えを重視せず、両者の
調和を重視しましょう。