私達が大好きな寿司。その寿司に赤ワインも合わせ楽しんで
欲しい。そんな思いから毎週、寿司と赤ワインの相性研究を
しています。
寿司ネタの大部分は魚介。だから寿司には白ワインでしょう
と思っている方が非常に多いと推測しますが、実は白ワイン
では対応できない寿司が多数あるのです。
以前から何度も何度も言及していますが、魚料理に白ワイン、
肉料理に赤ワインと言った話は常に正しいとは限りません。
むしろ醤油や赤味噌がある日本の食形態に於いては、それは
間違いと言っても良い位です。
また、魚や肉、食材だけで語れば、白身には白ワイン、赤身
には赤ワインとなるのですが、これも絶対とは言えません。
ワインと料理、食べ物との相性の良さを決定付けるのは味。
料理、食べ物の味を調えた調理法、調味料、香辛料なのです。
鰻の蒲焼と鰻の白焼、タレ味の焼鳥と塩味の焼鳥。同じ食材
でも全く別物です。同じ食材であっても、そのフレーヴァー
の違いが相性の良いワインを変えます。
赤ワインを飲みつつ、寿司を楽しむのであれば、基本は赤身
のネタを選ぶ事。そして応用編は白身であっても「えんがわ」
の様に脂がシッカリ乗っているのなら、白ワインでなく、赤
ワインが良となります。
しかし、赤身、脂の乗った白身には赤ワインではあまりにも
抽象的過ぎます。日本人に合う服。和食に合うワイン。その
程度の言い回しで、何を指してそう言っているのか意味不明
です。
ですから、マグロの赤身の握りにワサビを多く添え、醤油を
付けて食べる。と言った具合に前提条件があるのなら、より
緊密にマッチするワイン、この場合には赤ワインをチョイス
する事が可能になります。
話がそれますが、「醤油につける」の「つける」は「付ける」
でOKでしょうか?辞書で確認しましたが、それで正しいのか
自信がありません。
戻ります。寿司ありきでワインを選ぶばかりでなく、手元に
あるワインを飲みたいので、それに合う寿司をと言う場合も
あるでしょう。
例えば、手元にCannonau/カンノナウと言うブドウで造った
サルデーニャ島の赤ワインがあるとします。この赤ワインは
紫色の果実や花を思わせる華やかな香りに緑色のイメージ、
フレッシュなハーブ様の、更にそれを乾燥させた時の状態の
ニュアンスの香りも感じます。
それは地中海沿岸部が産地のワイン、特に赤ワインに顕著な
特徴で、畑の周りに生えている灌木(ガリーグ)に由来する
香りです。
ブドウは生き物。呼吸をしていますし、生育する為、大地の
栄養を根が吸い上げます。ブドウの周りの環境がブドウ内に
取り込まれます。それがワインに移行する訳です。
オーストラリアのカベルネ・ソーヴィニョンの赤ワインには
ユーカリの香りを感じる。スペイン南部の海沿いで造られる
シェリーのマンサニージャには塩気を感じる。環境の影響に
よる結果です。
フレッシュな、そしてドライなハーブを思わせる香りを持つ。
同時に鉄分ぽさを明確に感じるタンニン(渋味旨味の成分)
も備えた今日紹介のカンノナウの赤ワイン。この特徴にどの
寿司が相棒として立候補するのでしょうか。
ガリーグのヒントも決め手ですが、その前に鉄分ぽさがある
食材(寿司ネタ)である事が必須条件です。白身には鉄分を
感じる事はありませんから、赤身で決まりです。
マグロの赤身の握りでOKでしょうか?相棒として悪くはない
でしょう。でもガリーグの事を忘れてしまっています。完璧
を求めるのなら、寿司にガリーグのヒントを感じたい。そう
です。握りではなく、軍艦です。海苔巻きです。
また、ワインにフレッシュ・ハーブの様な緑色のイメージも
あるのですから、いつもより多めにワサビを添えてあげれば
両者のフレーヴァーに多くの共通項が生まれ、似た者同士の
織り成すパーフェクトなマリアージュが完成するでしょう。
海苔とワサビがある事でワインとより緊密にリンクし、文句
の付け様がない融合が創られます。脇役なんて言わせないぞ。
今日紹介の赤ワインにとって、マリアージュ完成の為に必要
不可欠な海苔とワサビ。それらが共存する寿司と共に是非、
カンノナウの赤ワインをお楽しみ下さい。
軍艦は「はま寿司」からTo goです。
*Centosere 2021 Cannonau di Sardegna
チェントセーレ2021カンノナウ・ディ・サルデーニャ
飲み頃温度:19度。
<フルボディー>
2,**0円
WINE HOUSE
開店時間:14時~19時
定休日:毎月7日(1月7日は休業しません。)
代金決済:現金 or PayPay
年末年始はいつも通り無休にて商い致します。