2022年12月20日火曜日

昔、流行りましたが。正しくはこうです。

いつの事だったかと思い、検索したら1990年に公開でした。
PRETTY WOMANです。映画公開後、大流行しました。苺を
食べながら、シャンパンを飲む。それもホテルの一室で。
映画の中では苺に白のシャンパーニュを合わせていました。
だから、誰もが白のシャンパーニュに苺と思い込んでしまい
それを実践していた様です。
所がそう簡単には行かないのです。苺のフレッシュさ、爽快
な酸味にどんな白のシャンパーニュでも合う訳ではないから
です。
シャンパーニュは例え白であっても、様々なタイプがあり、
爽やかに広がる酸味に合うタイプもあれば、クリームの様な
乳系のコク、旨味に合うタイプもあります。
後者のタイプの場合、シャンパーニュに含まれている酸味は
爽やかな酸味(リンゴ酸)ではなく、マロラクティック発酵
と言う過程を経てシャンパーニュに備わった乳酸で、粘性を
感じ、ミルキーな、クリーミーな口当たりがあります。
また、そのタイプのシャンパーニュにはトースト、ナッツの
タルト、ビスケット、ローストした鶏肉の皮などを連想する
フレーヴァーがあります。
つまり、フレッシュなベリー果実を思わせる要素が全くない
訳で、ワインと食べ物のマリージュを完成させる為の必須の
基本条件(両者に共通する香り、味わいがある事)がないの
ですから、後者のタイプのシャンパーニュを生の苺に合わせ
楽しむのには無理がある。両者が心地良いハーモニーを創造
する事はないと言えるでしょう。




それではどんなシャンパーニュなら良いのでしょうか。絶対
に必要なのは爽やかな酸味を感じる事。実はこれが厄介なの
です。
シャンパーニュはスパークリング・ワインの中でもワイン法
で定められた熟成期間が長く、その間に落ち着いた深みを身
に着け、香り、味わいに複雑さ、豊潤さが備わります。これ
が多くのシャンパーニュの特徴です。ですから、そうでない
シャンパーニュを探す必要があります。
そこで発想を改め、シャンパーニュにこだわるのを止める。
これが一番の解決策です。シャンパーニュではない、多くの
スパークリング・ワインは、シャンパーニュと同じ伝統的な
製法(瓶内で炭酸ガスを補足する発酵を経て発泡性ワインと
なる)で造られても、シャンパーニュよりもワイン法による
瓶内熟成期間が短く、その分、香り、味わいにフレッシュさ
が備わっています。このタイプならば生の苺との相性がより
優れます。





ここで別の話題を。色と香りって連動していると感じた事が
ありますか?白ワインにベリー果実の香りを感じた事があり
ますか?ロゼワインや赤ワインにレモンの香りを感じた事が
ありますか?きっとない筈です。
白ワインには白色、黄色、緑色をイメージできる香りがあり、
赤色、紫色をイメージできる香りはありません。これは例外
なく、どんなワインにも当てはまります。
つまり、ロゼワインや赤ワインには赤色、紫色の果実や花を
イメージできるフレーヴァーがある。ここに苺を楽しむ際の
大きなヒントがあります。
フレッシュなベリー・フルーツを生で味わい、ワイン、特に
スパークリング・ワインを合わせ楽しむのなら、白でなく、
ロゼが良く、ブルーベリーやブラックベリーとならば赤でも
OK。お互いのフレーヴァーが共通で、両者が密にリンクする
からです。
ベリー果実とワイン、特にスパークリング・ワインの合わせ
楽しみ方が解ったからにはやらないと言う選択肢などない。
そうは思いませんか?
フレッシュなベリー・フルーツ、特に苺やラズベリーを食べ
つつ、楽しみたいスパークリングワインがこちら!!





*Deltetto 2017 Rose de Noirs Brut
 デルテット2017ロゼ・ドゥ・ノワ、ブリュット

飲み頃温度:7度。
<フレッシュでチャーミングなフレーヴァーのやや辛口>
4,**0円
Xmasはもうすぐそこに。Xmasの定番ケーキと言えば、「苺
のショートケーキ」。純白のクリームに鮮やかな赤(苺)が
映えるあのケーキです。
フレッシュな苺がケーキに添えられている事で、今日、紹介
のロゼのスパークリング・ワインの相棒として申し分ないの
ですが、パーフェクトを求めるなら、苺の果汁や果肉が練り
込んであり、白色ではなく、画像の様なピンク色のクリーム
で仕立て、フレッシュな苺が添えてある。そんなケーキなら
今日紹介のロゼ・スパークリング・ワインと共に最高の聖夜
を演出します。




WINE HOUSE
開店時間:14時~19時
定休日:毎月7日(1月7日は休業しません。)
代金決済:現金 or PayPay
年末年始はいつも通り無休で商い致します。




追記
Xmasですから、ケーキとだけでは...。そんな時には鴨肉の
ロースト。そのままですと今日紹介のロゼ・スパークリング
・ワインとのリンクが密になりません。そこで、あるものを
鴨肉のローストにちょい足し。あるものとは、ワサビ。鴨肉
のローストに多すぎるかなと感じる程度に添えて食し、その
味わいが口中に残っている内にワインを。
ワサビの爽やかさとワインのフレッシュさがリンクし、鴨肉
のワイルドさが控えめとなり、思いもしなかったレヴェルで
両者のマリアージュが創り出されます。
画像の料理は、「フランス鴨のむね肉のロースト」。当店の
お客様の「Oyster and Wine Bar RITZ」でTo go用に作って
もらいました。