2022年10月23日日曜日

驚愕の品質の白ワインはここから

ワイン法で赤ワインが認められていない産地にあるから当然と
言えば当然なのですが、その生産者が造り出す白ワインの凄さ
にはいつも驚かされ、心を打たれます。
その生産者はJidvei/ジドヴェイ。ルーマニアのほぼ中央に位置
するジドヴェイと言う村が本拠地で、ワイン造り、販売だけで
なく、慈善事業にも熱心に取り組んでいます。
ジドヴェイ(造り手の)はEUとの共同プロモーションで人生初
のルーマニア滞在を実現してくれ、ジドヴェイ(ワイン生産地
の)だけでなく、ルーマニア・ワインへの造詣を大いに深める
チャンスを与えてくれました。
だからと言って、ジドヴェイのワインを贔屓目に捉えている事
は一切ありません。お世話になった事と彼らのワインを感じる
事とは全く別の事。ワインをチェックする時、余計な感情移入
は絶対にしない。テイスティングとはそう言うものです。
それでも尚、彼らが造り出した白ワイン(ロゼワインも)の質
の高さは驚嘆に値し、今まで世界各国のワイナリーを数千か所
も訪ねて来ましたが、ジドヴェイは世界10傑に確実に入ります。
しかも価格がリーズナブル、抜群のコスト・パフォーマンス。
それを考えたら、トップ3に間違いなく入るでしょう。
そんな白ワインを味わって頂き、あなたにもその凄さを実際に
感じて欲しい。その一心でジドヴェイの2種類のワインを紹介
します。
ジドヴェイはルーマニア原産のブドウだけでなく、他国にその
オリジンがある国際品種も自社畑で栽培し、そこで収穫された
ブドウでもワイン造りを行っています。
今日はルーマニアにオリジンがある品種でなく、国際品種から
誕生した白ワインを敢えて紹介します。その品種はSauvignon
Blanc/ソーヴィニョン・ブランとPinot Gris/ピノ・グリ。この
2つの品種は決して珍しい品種ではありませんので、それらから
誕生したワインを飲んだ事があるよと言う人が多くいると推測
します。
だからこそ、その2つの品種のワインを紹介します。フランス、
イタリア、ニュー・ジーランドを始め、様々な国で栽培され、
ワインになっているそれら2つの品種。今までに味わった経験
に比較し、ルーマニアのワインを味わえる。そして、チャンス
があるなら、是非、フランスやイタリアと言ったワイン伝統国
の同じ品種のワインと同時に比較し、ルーマニア産のワインの
凄さを実感して欲しいと思います。




*Jidvei 2021 Sauvignon Blanc
 ジドヴェイ2021ソーヴィニョン・ブラン

相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う
        淡白な味わいの料理。
        チーズなら、シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな、やや辛口>
1,**0円




複数の料理、食べ物とのペアリングを踏まえて特にお勧めしたい
このワインの相棒は、「しらす海苔せんべい」です。
ソーヴィニョン・ブランのワインは白のイメージと緑のイメージ
の2つのタイプに大別できます。白のイメージとは、白い果肉の
果実を思わせるフレーヴァー、白い花を思わせる香りがあり、緑
のイメージとは、若葉や若草、フレッシュなハーブや緑黄色野菜
を思わせる香りが備わっている事を意味しています。
ソーヴィニョン・ブランのワインはそのどちらかのイメージしか
ない事もありますが、通常は白のイメージ>緑のイメージ、緑の
イメージ>白のイメージと言った感じにどちらかのイメージが他
に勝っている事がほとんどです。
今日紹介のジドヴェイのソーヴィニョン・ブランのワインは白の
イメージ>緑のイメージ(僅かですが白が上回る)のタイプの方
になり、料理や食べ物に緑をイメージできる要素のアクセントが
あると調和がとれます。
また、ソーヴィニョン・ブランのワインの最大の特徴は白、緑の
イメージに関わらず、心地の良い苦味があり、それは硬水の様で
あったり、小魚、根野菜、砂肝などの食材の味わいに通じる感じ
のものであったりします。
それらが「しらす」、「海苔」とリンクする訳です。心地の良い
苦味、ミネラリーさが「しらす」と緑色のイメージが「海苔」と
調和するのです。
このせんべいは静岡の名物ですので、群馬では滅多に買えません
が、ベイシア太田モールで時々、売っていますので、見かけた際
には是非、購入し、当店でジドヴェイのソーヴィニョン・ブラン
をゲットし、その筆舌に尽くし難いマリアージュをご堪能下さい。




*Jidvei 2021 Pinot Gris
 ジドヴェイ2021ピノ・グリ

相性の良い料理:わずかな脂肪分を含む素材、オリーヴオイル
        やバターを使った料理。
        チーズなら、ゴーダ。
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある、やや辛口>
1,**0円




複数の料理、食べ物とのペアリングを踏まえて特にお勧めしたい
このワインの相棒は、「ねぎ塩鶏丼@吉野家」です。
ピノ・グリのワインには様々なスタイルがありますが、果実味の
リッチさ、華やかさ、ブドウ由来の苦味のアクセントを核とした
骨太なミネラリーさの味わいの広がり、ピーナッツの香ばしさを
思わせるフレーヴァーが共通項として備わっています。
塩だれの華やかさがワインの華やかな果実味と、長ネギと玉ねぎ
のミネラリーさがワインの骨太なミネラリーさと、ゴマと焼いた
鶏肉のナッティーな香ばしさがワインのナッツを連想させる香り
と調和します。
焼いた鶏肉、特に鶏皮は加熱するとピーナッツを思わせる香りを
発出します。鶏肉が主の時(例えば串焼き)の場合ならば、木樽
を用いて造った白ワイン(木樽から抽出され、ワインに備わった
フレーヴァーが明確にナッツを思わせます)がベターです。今回
は塩だれ、ねぎの存在が木樽の要素を備えた白ワインまでは呼び
寄せません。ですので、木樽のヒントない、ナッティーなワイン
でOKなのです。