ロゼワインの場合、炭酸ガスを含有しているいないに関わらず、
限りなく白ワインに近い酒質のものと限りなく赤ワインに近い
酒質のものがあります。
前者は酸味とミネラリーさを基調とし、渋味成分(タンニン)
をあまり感じない酒質で、後者はタンニンの存在感がより明確
な酒質をしています。
その様な特徴を念頭にどの様に飲むのかを考慮し、ワイン選び
をすればOKです。但し、何れの酒質であっても、炭酸ガスの
存在が口中をリセットしてくれますので、非発泡のロゼワイン
より料理、食べ物との相性の幅が広くなります。
スパークリングワインではガス圧が強すぎる。飲み残すと炭酸
が抜け、スパークリングワインでなくなってしまうので嫌だ。
だからスパークリングワインを開けられない。
そんな方に朗報です。今日、紹介します2種類のロゼワインは
どちらも微発泡。ガス圧は優しく、口当たりに柔らかさがあり、
また、栓がスパークリングワインのそれではない為、開栓後に
栓をし直す事が可能です。
そんな仕様の2種類の微発泡ロゼワイン。どちらもポルトガル
の北西部の沿岸とその内陸が産地のVinho Verde/ヴィーニョ・
ヴェルデと言うワインです。
ヴィーニョ・ヴェルデは、和訳すれば緑(ヴェルデ)のワイン
(ヴィーニョ)ですが決して緑色のワインなどではなく、日本
で若々しい、フレッシュなを青で表現するのと同様、青でなく
緑で表現している訳で、事実、ヴィーニョ・ヴェルデには白も
ロゼも赤もあります。活き活きとした果実味、活き活きとした
味わいがヴィーニョ・ヴェルデの持ち味です。
その様なワインですから暑さが鬱陶しい今の季節、シッカリと
冷やし、微発泡の心地良さを引き立てつつ、白ワインの代わり
に、または赤ワインの代わりに料理、食べ物に合わせ楽しめば
明日に向けた癒しのひと時となるでしょう。
*Casa do Valle 2020 Vinho Verde Rose
カサ・ド・ヴァジェ
飲み頃温度:7度。
<やや辛口>
1,980円
赤い小粒の木なり果実をイメージさせる香りに加え、ミンティー
な爽やかさを感じます。フレッシュさに満ちています。
ライトタッチで、酸味を基調とした味わいに、優しい炭酸ガスの
広がりが融合します。そこに更なる爽快さが生まれ、澄み切った
クリーンさが味わう程にリフレッシュしてくれます。
チャーミングな果実味、綺麗な酸味、そして豊かなミネラリーさ
がキリリと引き締まった余韻を残します。
この様な感じのワインにはトマトの酸味、小魚のミネラリーさ、
フレッシュ・ハーブの爽やかさがある料理が相棒として相応しく、
生地にトマトソースを十分に塗り、釜揚げしらす、ミニ・トマト
のスライス、そして多めにフレッシュ・バジルを載せ、香ばしく
焼き上げたピッツァが超お勧めの相棒です。
*Praca de S.Tiago 2020 Vinho Verde Rose
プラサ・デ・サンチアゴ
飲み頃温度:11~14度。
<やや辛口>
2,200円
Casa do Valleとは対極にあるこちらのワインは、香りこそ同系
ですが、タンニンの明確な存在感、大地(地味)を思わせ、また
赤身を連想させる野趣なヒントも少々あります。
炭酸ガス効果でフレッシュさを感じるものの、爽やかと言うより
落ち着いたフレーヴァーが口中を満たし、味わいの深みを生んで
います。
しなやかで丸みある余韻は、軽快なボディーの赤ワインに感じる
それです。赤ワインを思わせる酒質である事から、醤油、赤味噌
との相性に、地味を感じる事から大地の恵みとの相性に、赤身を
連想させる要素がある事から赤身肉との相性に優れています。
この多様な構成要素は複数の料理とのリンクを可能にし、例えば
幕の内弁当の様な盛り合わせ料理、寿司の詰め合わせ、具沢山の
煮物などと一緒に楽しむ事ができます。
それを元に是非、ペアリングさせ、その結果、創り出される至福
のマリアージュを実感して頂きたい。それをこのワインと一緒に
行ってくれるのが「崎陽軒シウマイ弁当」、黄色い紙に包まった
あの弁当です。
干し貝柱の旨味いっぱいのシウマイも、炊いたタケノコやマグロ
も、下味の深みある鶏の唐揚げも、黒ゴマの香ばしさが加わった
ご飯も、多様な構成要素のあるこのワインなら全てがパートナー。
残念ながら群馬県内では買えませんが、都内に行った際、または
関越道を利用する際に売店に立ち寄り、購入したなら是非、この
ワインと共に味わい尽くして頂きたいと思います。