私達が好きな揚げ物と言えば、鶏の唐揚げは絶対に上位三傑
に入るでしょう。鶏の唐揚げはどこに行っても食べられるの
ですが、どうせ食べるのならお気に入りの店の鶏の唐揚げを
食べたいものです。
過去にも数度、取り上げましたが、当店の近くに「どデカ」
な鶏の唐揚げをとても安価に提供してくれる店があります。
その店は「大衆食堂 わっしょい」。どデカな鶏の唐揚げが
5個も入った弁当が何と790円(税込み)。驚くのはでかい
のと価格だけではありません。味がそこら辺の店では絶対に
出会えない超絶品ときていますので、ワインに合わせて毎週
味わっています。
個人的には料理人が作った味わいを変化させたくない、壊し
たくありませんので、レモン果汁をかけたり、マヨネーズや
タルタルソースを付けたりする事はしません。しかし、他の
人は好みにより味を加えるでしょうから、鶏の唐揚げの味の
変化に応じ、それぞれに合うワインが異なる事を解説したい
と思います。それを参考にしつつ、当店でワインをゲットし、
To goした「大衆食堂 わっしょい どデカ唐揚げ」と融合
させ、至福の食卓を創って下さい。
肉料理には赤ワインと信じ切っている人がとても多いのです
が、その組み合わせは常に良と言う訳ではありません。肉で
あれば、何の肉料理でも赤ワインなのではなく、基本は肉、
魚に関係なく、白身ならば白ワインが、赤身なら赤ワインが
ベターと覚えておくとOKです。
鶏の肉は白身。他の鳥の肉より穏やかな味わいで、野趣さが
少なく、赤ワインの渋味成分(タンニン)と調和する要素が
ありません。と言う事は鶏肉の料理なら、赤ワインではなく
白ワインを合わせるのが良なのです。
但し、鶏肉の料理に醤油の味わい、ソースの味わい、油分が
明確に備わる(揚げ物)時には白ワインでなく、赤ワインを
合わせるのがベターとなります。
鶏の唐揚げ。鶏肉に下味が付き、かつ油分をまとった衣が肉
を包み込んでいます。塩麴の下味なら白ワインがベターなの
ですが、醬油ベースの調味液で下味を付けているなら、白で
なく、赤ワインの方がベターとなり、更にニンニクの成分が
含まれているのなら、確実に赤ワインの方が唐揚げに近づき
ます。
わっしょいの唐揚げは醤油の存在も、ニンニクの存在も強く
ありませんので、何もつけ足さないのであれば、赤ワインも
良ですが、強いて言えば白ワインよりコクがあり、赤ワイン
より優しい味わいのロゼワインがベストの選択となります。
実際、わっしょいで唐揚げ弁当をTo goし、ワインとの融合
を図る時にはロゼワインをチョイスしています。
唐揚げ弁当をTo goした人ならご存じでしょうが、レモン、
マヨネーズが添えられています。レモンとマヨネーズを同時
に唐揚げに添える人はいないでしょうが、どちらを添えるか、
それにより合うワインが一変します。
レモンをかけたなら、唐揚げにシャープで爽やかな酸味が、
マヨネーズを付けたなら、唐揚げにクリーミーなオイリーさ
が加わります。それらは元々、唐揚げのフレーヴァーにない
要素です。
ですので、新たに加わったフレーヴァーに寄り添うワインを
選ぶ必要が出て来ます。レモン果汁に合わせ、酸が爽やかに
主張するワインを。マヨネーズの風味に合わせ、粘性のある
コクを感じるワインを。と言った具合です。
レモンが持っている酸は口中ではじける様な爽やかさの酸味
で、リンゴ酸と言います。リンゴ酸は果実が必ず持っている
成分で、ブドウから誕生するワインには必ず含有されている
のですが、それにも関わらず不思議な事に大部分の白ワイン、
一部のロゼワインだけが備えています。
マヨネーズのコク、これには乳系の要素が明確にあり、酸で
考えたなら、リンゴ酸でなく、乳酸になります。乳酸は果実
由来の酸味ではありませんからワインにはないのではと思う
かもしれません。
ところが乳酸を含有しているワインが実際にあります。一部
の白ワイン、大半のロゼワイン、ほぼ全ての赤ワインがそう
です。
乳酸は醸造の過程で生成され、ブドウ由来のリンゴ酸が一定
の条件の下、乳酸菌の働きで性質が変化し、乳酸になる現象
で、この変化をマロラクティック・ファーメンテーション /
Malolactic Fermentation(マロラクティック発酵)と言い
ます。
マロはマリック・アシッドを指し、リンゴ酸を意味し、ラク
-ティックとはラクティック・アシッドを指し、乳酸を意味
し、発酵(ファーメンテーション)と言う作用で化学変化が
起きた訳です。
この化学変化はワインにオイリーさ、深み、クリーミーさを
もたらします。それがクリーム、マヨネーズなどと好相性と
なります。
つまり、白ワイン、ロゼワイン、赤ワインの何れでもOKで
あった唐揚げにマヨネーズが添えられた事で乳酸との相性が
良くなり、レモンを添えた時に活躍する白ワインはお役御免
となります。
そしてマヨネーズのミルキー、クリーミーな様相は、ミルク、
クリームに代表されるニュアンスで、ロゼワインや赤ワイン
に感じるフレーヴァーではなく、木樽で醸造した白ワインに
特有のものであることから、鶏の唐揚げにマヨネーズを添え
食べるのなら、木樽でワイン造りをした白ワインがベストの
選択となります。
が変わるのです。当店でワインを買う際は是非、どんな料理
を食べるのか。そして、それをどの様に食べるのかを決めて
おいて頂くと、パーフェクトなマリアージュを奏でてくれる
ワインをお勧めできます。
・わっしょいの唐揚げにレモン果汁をかけるのらこのワイン
*Pizzini Pinot Grigio Spritz Canned250㎖(画像中の左側)
ピッツィーニ、ピノ・グリージョ、スプリッツ 缶入り250㎖
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口>微発泡の白ワインです。
600円
・わっしょいの唐揚げをそのまま食べるのならこのワイン
*Pizzini Rose Spritz Canned250㎖(画像中の右側)
ピッツィーニ、ロゼ、スプリッツ 缶入り250㎖
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな、やや辛口>微発泡のロゼワインです。
600円
・わっしょいの唐揚げにマヨネーズを添えるならこのワイン
*Radacini 2018 Chardonnay
ラダチニ2018シャルドネ
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口>発泡してない白ワインです。
1,760円