2022年2月23日水曜日

ヴィンテージが変われば酒質は全く異なります。

1月24日にアップした「これをエロいと言わないで何を...」で
紹介したロシアン・リヴァー・ヴァレーのピノ・ノワですが、
大好評にて完売しました。たくさんのお客様にお買い上げ頂き、
誠にありがとうございました。
そこで再注文したのですが、幸か不幸かヴィンテージが変更と
なってしまいました。どんなワインでも、例え当店で990円で
販売しているワインであっても、ヴィンテージ(原料ブドウの
収穫年)が変われば、確実にブドウの性質が異なりますので、
その違いがワインでも表現されます。
その香味が、真にエロかったPedroncelli 2018 Russian River
Valley Pinot Noir。今回、入荷して来たのは同じ生産者、同じ
産地、同じブドウ品種でヴィンテージが2019。たった1年違う
だけなのに、外観も、香りも、味わいも、何もかもが全く違い
ます。これがヴィンテージ・ヴァリエーション。ワインの最大
の特徴と言っても良いでしょう。
2018が「スレンダーな」とすれば、2019は「ぽっちゃり」と
言った所でしょうか。ブルーベリーのコンポートやリキュール
を思わせる妖艶な香り、ミルクチョコレートをイメージさせる
芳醇な香りがあり、アルコール分の厚みに支えられた果実味と
木樽熟成で身に着けたオイリーさを伴ったリッチなタンニンが
ふくよかな深みのある味わいを形成しています。
重厚さとは一線を画す厚み、深みがあり、そこに上品さ、優美
さを感じます。ピノ・ノワならではの、そして、アメリカなど
ニュー・ワールドとされる国ならではの酒質を備えた赤ワイン
となっています。





2018が「だし巻き卵焼き」、「スパゲッティ・ナポリタン」、
「生ハム」などと好相性だったのに対し、2019は「だし巻き
卵焼き、穴子や鰻入り」、「スパゲッティ・ミートソース」、
「ベリー果実を添えたチョコレート・ケーキ」などが好相性の
料理や食べ物になります。
ブドウはシッカリと完熟すると、糖度も、エキス分も高くなり
リッチな果汁が取れ、それが発酵によってワインへ変身します
から、そのワインは内容度の充実した豊かなボディーを備える
事になります。
成分が豊かですと木樽の中に入っている際に、木樽からの成分
にワインが負けませんので、木樽の持つ成分をワインへ十分に
移す事が可能となります。
2018にチョコレートのフレーヴァー少ししかなく、2019には
それが明らかに、そしてチョコレートと好相性と思わせるまで
に感じられるのは、2018と2019、それぞれの自然条件を反映
したピノ・ノワの出来具合の相違に由来しています。
それは既に言及した様に、ヴィンテージ・ヴァリエーションで
あって、品質の優劣ではありません。2018を飲んだ方は是非、
2018を思い出しつつ2019も味わって頂き、自然の成せる業、
ヴィンテージ・ヴァリエーションを実感してみて下さい。
*Pedroncelli 2019 Russian River Valley Pinot Noir
 ペドロンチェッリ2019
 ロシアン・リヴァー・ヴァレー、ピノ・ノワ

飲み頃温度:15~18度。
<味わい深いミディアム~フルボディー>
3,300円






果実味が凝縮した赤ワインは不思議と玉子料理との相性に優れて
いて、更に木樽からもたらされたオイリーな粘性は煮込んだタレ
やソースと好相性ですから、「ドゥミ・グラス・ソースのビーフ
・ハンバーグ、半熟目玉焼き添え」の様な料理にこの赤ワインは
ベストの相棒となります。