2022年1月13日木曜日

緑、これがポイントです。

通常、白ワインには白色、黄色、緑色をイメージできる香味を
感じます。赤ワインには赤色、紫色、黒色をした物を連想する
香味を感じます。ロゼワインの場合、白ワインに限りなく近い
酒質ならば白ワインに感じる香味を、赤ワインに限りなく近い
酒質ならば赤ワインに感じる香味を感じる傾向があります。
白色、黄色、緑色をイメージできるとは、白い花であったり、
レモンであったり、ミントや若葉であったりと言った感じで、
赤色、紫色、黒色を連想するとは、その様な色をしたフルーツ
であったり、レッド・ペッパー、スミレ、コーヒーであったり
と言った具合です。
つまり、色と色は連動していて、白ワインに苺の香りはなく、
赤ワインにレモンの香りはない訳です。しかし、時には例外が
あり、赤ワインにも関わらず、緑色をイメージする香味がある
事があります。





その様なスタイルの代表的な赤ワインは、Cabernet Sauvignon
/カベルネ・ソーヴィニョンと言うブドウを多くの場合、単一
で用い、造ってあります。
カベルネ・ソーヴィニョンで造った赤ワインの典型的な個性と
して感じる香りは、緑黄色野菜(特にピーマン)、植物(特に
杉の葉やシダ)、香味野菜や香辛料(特にローリエや山椒)が
あり、それらを指して緑色のイメージがあると言及している訳
です。
その様な香味は同系の香味を備えた料理を相棒としてコールし、
チンジャオ・ロースー、パセリやバジリコを振りかけた料理、
海苔を使った料理、ローリエの風味の効いたビーフ・シチュー、
春菊を入れたすき焼き、山椒を振りかけた鰻の蒲焼を食べる時
などに大活躍するワインとなります。
但し、アメリカ合衆国カリフォルニア州のナパ・ヴァレー産の
カベルネ・ソーヴィニョンの赤ワインですと緑色のイメージを
湧かせる香味があまりない事が、殆どない事も、多く、その時
には、すき焼きに春菊を入れない、鰻の蒲焼の山椒をかけない
と言った方が相性としてベターとなります。
今日紹介しますカベルネ・ソーヴィニョンの赤ワインは、緑色
をイメージするヒントがあり、「シダ」、「タバコ」、「炭火
で焼いたピーマン」、「メントール」などを、果実のヒントと
共に感じます。




日本では未成熟な事を青二才などと言い、青で表現しますが、
外国では青でなく、緑でそれを表現します。つまり、本来、赤
ワインに緑色をイメージするヒントを感じるなら、それは未熟
なブドウで造ってしまった品質の優れない赤ワインである事を
証明していますが、カベルネ・ソーヴィニョンの赤ワインでは
緑色の物を連想する香味を感じるのは個性ですので、それには
該当しません。
むしろ青みのニュアンスを料理に添える事の多い私達にとって
ワインに青み(緑色)のニュアンスがある事はプラスと思って
良いでしょう。
「ほうれん草入り出汁巻き玉子焼き」、「鮪の赤身やたらこ等
の魚卵の軍艦寿司」、「刻みパセリを振りかけたナポリタン・
スパゲッティ」と言ったお馴染みの食べ物、更にはカベルネ・
ソーヴィニョンの故郷、ボルドーで定番の「子羊の香草焼き」
にも合わせ楽しめるのです。そんな赤ワインがこちら!!




*Loredan Gasparini 2018 Cabernet Sauvignon
 ロレダン・ガスパリーニ2018カベルネ・ソーヴィニョン

飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなミディアムボディー>
2,200円
この赤ワインはイタリア産なのですが、近年、イタリア国内の
いくつかの産地でカベルネ・ソーヴィニョンを使い優れた品質
の赤ワインが造られています。
北部ヴェネト州にはMontello e Colli Asolani/モンテッロ・エ
・コッリ・アゾラーニ(この赤ワイン)、中部トスカーナ州に
Bolgheri/ボルゲリと言った原産地呼称があり、イタリアを代表
するカベルネ・ソーヴィニョンの赤ワインがそこから誕生して
います。