2022年1月9日日曜日

シャンパーニュも良いけど、フランチャコルタもね。

シャンパーニュ/Champagneはフランスのシャンパーニュ地方
が故郷の発泡性ワイン。その他の産地の発泡性ワインは、例え
シャンパーニュと同じ様に造ってあったとしても、それは別の
呼称となり、絶対にシャンパーニュではありません。
事実、イタリア北部のロンバルディーア州でシャンパーニュと
同じ伝統的製法(瓶内で炭酸ガスを捕捉する発酵を行い、長い
瓶熟成を経た後に商品となる)で造られる発泡性ワインがあり
ますが、フランチャコルタ/Franciacortaと言います。
人によってはフランチャコルタの事をイタリアのシャンパンと
呼んでいますが、それは明らかな間違いで、フランチャコルタ
はフランチャコルタです。
同じ製法により誕生する発泡性ワインですが、シャンパーニュ
が華やかな果実味がより控えめで、より明確にミネラリーさを
感じるのに対し、フランチャコルタは果実味の華やかさがあり、
口当りは比較的柔らかです。
どっちが優れていて、どっちが劣っているとかの問題ではなく、
シャンパーニュでは通常、使われないピノ・ビアンコ(仏語で
ピノ・ブラン)/Pinot Bianco(Pinot Blanc)と言うブドウが
フランチャコルタには使用される事が多々あり、これに因って
ハッキリとした果実味と優しい味わいが備わり、両者の違いが
鮮明になります。
フランチャコルタはワイン名(原産地呼称)で、多くの欧州の
ワインがそうである様に、フランチャコルタと言う村を含んだ
エリアで造られている為、その村名に因み、フランチャコルタ
と名付けられました。
ですので、既に言及しました様に、原産地が違えば、当然の事
ながら原産地呼称が異なる訳で、フランチャコルタは他の何物
でもなく、フランチャコルタなのです。
フランチャコルタの故郷へは2018年と2019年の春に2回訪問
し、複数のワイナリーで色々な事を学んで来ました。もちろん
シャンパーニュ地方にも数度、行っていますが、地勢も、土壌
も、日射も、シャンパーニュにはシャンパーニュならではの、
フランチャコルタにはフランチャコルタならではの自然環境が
あり、両者の相違を生み出しているのはブドウ品種の違いだけ
ではありません。これはワインの世界ではテロワールと言い、
判り易く言いますと、地味、その土地土地の個性と言えます。
当店では様々なフランチャコルタを常時、販売していて、状況
に応じ、最適なフランチャコルタをお楽しみ頂ける様になって
います。
小売価格は4,400~11,000円で、白とロゼがあり、フレッシュ
なタイプから、深みのある熟成タイプまであります。今日は、
その中からフレッシュなタイプのロゼを紹介致します。




*Antica Fratta 2016 Franciacorta Essence Rose Brut
アンティカ・フラッタ
2016フランチャコルタ、エッセンス、ロゼ、ブリュット

相性の良い料理:酸味の効いた軽い味付けの料理。
        チーズなら、シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
6,600円
アセロラやサクランボを思わせるチャーミングな香りがあり、
綺麗に広がる酸味とミネラリーさがフレッシュさを引き立て
ます。味わう程にリフレッシュさせられるクリーンな香味を
備えているワインです。
♡ピッツァ・マルゲリータ
♡ロールキャベツ、トマトスープ
♡ホタテ貝のカルパッチョ、ピンク・ペッパー添え
この様な感じの料理と共にお楽しみ頂けるフランチャコルタ
です。



炭酸ガスを捕捉する瓶内発酵をし、長期に渡る瓶熟成を経て
市場に流通できる商品の状態にする為、コルクをする準備を
する時をイタリアではスボッカトゥーラ/Sboccaturaと言い、
その時をラヴェルに記載してある事があります。今日、紹介
のフランチャコルタでしたら、「02/2021」がそれに当たり、
2021年2月にズボッカトゥーラをしたと判ります。
ズボッカトゥーラをしてからもワインは熟成を続けますが、
ズボッカトゥーラをしたのは造り手がこのワインを飲む時が
来ました。とのメッセージを発している訳で、購入したら、
早めに消費するのがベターですが、熟成感ある酒質が好みの
スタイルでしたら、冷暗所に瓶を立てたまま保管し、品質を
保つのに大切な事ですのでもう一度言いますが、立てたまま
です。しかるべき時期に楽しむ事も可能です。