が、平成元年にワイン業界で働き始めた頃は今から思えば、今
とは比較にならないくらい未成熟でした。
「魚料理には白ワイン、肉料理には赤ワイン」、「仏蘭西料理
にはフランスワイン、伊太利料理にはイタリアワイン」などと
言った法則があり、それを厳守し、ワインを飲み、ビジネスを
してました。
本当に未熟です。今、そんな事を言い、それを厳守していたら
何て無知な人だろうと大笑いされてしまうでしょう。醤油文化
のなかった欧州では魚料理の味わいが白ワインに合う様に調理
されていますから、魚料理には白ワインでOKな訳で、日本と
状況が異なります。
出汁、醤油を駆使し、料理を作る日本では、例えば鰻の蒲焼、
ぶりの照り焼き、鰹の角煮などの様に、魚料理であっても白で
なく、赤ワインの方が圧倒的にマッチする事が多いのです。
その結果、私達の日常の食卓でワインと料理のマリアージュを
完成させる場合、「肉魚料理に関係なく、料理の見た目の色が
白、黄、緑色ぽかったら白ワイン、赤、茶、黒色ぽかったら赤
ワイン」が最も簡単にマリアージュを創造できる方法となるの
です。
色とフレーヴァーは連動しています。白ワインには苺の香味は
ありません。赤ワインにレモンの香味はありません。白だから
白っぽい色をした食材、料理と同系の要素がある。同様に、赤
だから赤っぽい色をした食材、料理と同系の要素がある。非常
に興味深い事実です。
その事実を脳裏に焼き込み、これからはワインと料理を合わせ
楽しんで頂きたいと思います。
一方、出身が同じもの同士を合わせる。これには一理あって、
環境によって創られる性質、性格、つまり地味がありますから
日本酒の世界でも言われている様に、新潟の郷土料理には新潟
の地酒が合い易く、ワインでもフランスのものにはフランスの
ものを、イタリアのものにはイタリアのものを、と言った具合
です。
但し、地と地のペアリングは融通が利き、ブルゴーニュの料理
(フランス)であっても、ブルゴーニュに類似する環境のある
地で誕生したワインなら、他の国のワインでもマリアージュを
創造する為の相棒となり得ます。地味と地味の融合が成せる技
です。
そこで和伊のマリアージュを海と海の融合の切り口で完成させ
たいと思います。お題は「いか入り揚げすり身」、「鰺フライ」
です。あなたならどんなワインを合わせ楽しみますか?
出汁、醤油を駆使し、料理を作る日本では、例えば鰻の蒲焼、
ぶりの照り焼き、鰹の角煮などの様に、魚料理であっても白で
なく、赤ワインの方が圧倒的にマッチする事が多いのです。
その結果、私達の日常の食卓でワインと料理のマリアージュを
完成させる場合、「肉魚料理に関係なく、料理の見た目の色が
白、黄、緑色ぽかったら白ワイン、赤、茶、黒色ぽかったら赤
ワイン」が最も簡単にマリアージュを創造できる方法となるの
です。
色とフレーヴァーは連動しています。白ワインには苺の香味は
ありません。赤ワインにレモンの香味はありません。白だから
白っぽい色をした食材、料理と同系の要素がある。同様に、赤
だから赤っぽい色をした食材、料理と同系の要素がある。非常
に興味深い事実です。
その事実を脳裏に焼き込み、これからはワインと料理を合わせ
楽しんで頂きたいと思います。
一方、出身が同じもの同士を合わせる。これには一理あって、
環境によって創られる性質、性格、つまり地味がありますから
日本酒の世界でも言われている様に、新潟の郷土料理には新潟
の地酒が合い易く、ワインでもフランスのものにはフランスの
ものを、イタリアのものにはイタリアのものを、と言った具合
です。
但し、地と地のペアリングは融通が利き、ブルゴーニュの料理
(フランス)であっても、ブルゴーニュに類似する環境のある
地で誕生したワインなら、他の国のワインでもマリアージュを
創造する為の相棒となり得ます。地味と地味の融合が成せる技
です。
そこで和伊のマリアージュを海と海の融合の切り口で完成させ
たいと思います。お題は「いか入り揚げすり身」、「鰺フライ」
です。あなたならどんなワインを合わせ楽しみますか?
着目すべきは「いか」、「鰺」の味です。その味に相乗する様、
同系の香味を備えたワインを探し出します。魚介類ですから、
相手として相応しいのは、山のワインではなく、海のワインで
あると誰もが推測するでしょう。
同系の香味を備えたワインを探し出します。魚介類ですから、
相手として相応しいのは、山のワインではなく、海のワインで
あると誰もが推測するでしょう。
海のワインとはどんなワインなのでしょうか。沿岸部、島嶼に
拓かれた畑で育まれたブドウで造ったワインです。その様な地
で育まれるとブドウはどの様な個性を身に着けるのでしょうか。
一般的にその様なブドウは、いわゆる磯のニュアンスを備える
と言われています。
磯のニュアンスとは、塩気、浜辺に打ち上げられた貝殻が陽光
で乾かされた時の香り、そして海水のミネラリーさ。と言った
感じです。
それらがある事で、「いか」、「鰺」を食した時に感じる風味
(苦味、ミネラリーさ)とリンクし、地と地の味の相乗効果が
生まれ、パーフェクト・マリアージュができ上がります。
30年程前の法則なら、超日本的な食べ物「いか入り揚げすり身」
と「鰺フライ」にワインを合わせるなんて。そこは日本酒だろ。
と言われたでしょうし、合わせ楽しもうとしているのはワイン
で、しかもイタリア産ですから、それではダメだ。とストップ
をかけられたに違いありません。
そんな過去の悪しき遺産とはとっくにバイバイしていますので、
今まで培って来た技を余す所なく使い、選び出したイタリア産
白ワインで超日本的な食べ物とパーフェクトなマリアージュを
奏でてみましょう。
拓かれた畑で育まれたブドウで造ったワインです。その様な地
で育まれるとブドウはどの様な個性を身に着けるのでしょうか。
一般的にその様なブドウは、いわゆる磯のニュアンスを備える
と言われています。
磯のニュアンスとは、塩気、浜辺に打ち上げられた貝殻が陽光
で乾かされた時の香り、そして海水のミネラリーさ。と言った
感じです。
それらがある事で、「いか」、「鰺」を食した時に感じる風味
(苦味、ミネラリーさ)とリンクし、地と地の味の相乗効果が
生まれ、パーフェクト・マリアージュができ上がります。
30年程前の法則なら、超日本的な食べ物「いか入り揚げすり身」
と「鰺フライ」にワインを合わせるなんて。そこは日本酒だろ。
と言われたでしょうし、合わせ楽しもうとしているのはワイン
で、しかもイタリア産ですから、それではダメだ。とストップ
をかけられたに違いありません。
そんな過去の悪しき遺産とはとっくにバイバイしていますので、
今まで培って来た技を余す所なく使い、選び出したイタリア産
白ワインで超日本的な食べ物とパーフェクトなマリアージュを
奏でてみましょう。
先ずは「いか入り揚げすり身」(何という名の食べ物なのかを
知りませんので、そう呼ばせてもらいます。)に合わせ、この
白ワインを。
Grillo/グリッロと言うブドウで造ったシチリア島のワインです。
心地良く広がる苦味のアクセントと骨太なミネラリーさがある
知りませんので、そう呼ばせてもらいます。)に合わせ、この
白ワインを。
Grillo/グリッロと言うブドウで造ったシチリア島のワインです。
心地良く広がる苦味のアクセントと骨太なミネラリーさがある
事に加え、フレッシュなハーブを思わせる爽やかさと粘性ある
ふくらみある口当りがあります。
苦味とミネラリーさがいかと、爽やかさがねぎと、グラな厚み
が揚げすり身の表面の油分と密にリンクし、完璧と言える程の
マリアージュが生まれます。
ふくらみある口当りがあります。
苦味とミネラリーさがいかと、爽やかさがねぎと、グラな厚み
が揚げすり身の表面の油分と密にリンクし、完璧と言える程の
マリアージュが生まれます。
チェンターレ2019グリッロ
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口>
1,870円
次に「鰺フライ」に合わせ楽しみたいワインですが、今回は塩
で食しますので、いか入り揚げすり身と同じ白ワインでも良い
のですが、鰺フライの方が磯のニュアンスをより強く感じる事
からグリッロの白ワインを更に骨太な口当りにし、爽やかさを
なくした酒質の方が良く、こちらの白ワインをお勧めします。