当店はワイン専門店ですが、密かに日本酒も販売しています。
1月~4月に1商品1回のみの入荷で超限定少量販売の「幻の」
と形容できるSake(小布施ワイナリー謹製)と当家のルーツ
がある新潟県小千谷市にある酒蔵が造る「Iono/伊乎乃」と
言う日本酒です。
ワイン専門店なのにどうして日本酒も販売するのか。明確な
理由があります。実は日本酒はイースティーな食べ物、特に
パン、そして乳酸系の旨味のある食べ物、特にナチュラル・
チーズ(もちろん全てのパンやチーズがではありません。)
とワインとでは生まれないマリアージュを創り出してくれる
からです。
小麦>米パーソンにとって、日々の食生活を充実させる為、
日本酒もそばに置いておかなくてはなりません。週に2回の
パンの日(ランチ)には日本酒がかかせませんので。
な、何と贅沢な事に「中汲み生原酒」です。日本酒で満ちた
もろみを搾り、日本酒を取り出しますが、初めの部分、中の
部分(中汲み)、終わりの部分では同じもろみからの日本酒
でありながら、酒質が異なります。
一般的に初めの所はアルコールのアタックが強めでシャープ
な口当たり、中汲みは優美でまろやか、終わりの所は味わい
に深み(雑味と紙一重)のある酒質となります。
それを実感できる非常にエレガントで、絹の様にすべすべと
した口当たりをしていて、ほのかな甘味旨味が柔らかく口中
を満たす真に中汲みらしい初しぼりです。
に脳裏に浮かんだのは、パンでもなく、ナチュラル・チーズ
でもなく、ハムでした。あのハムならばこの日本酒に間違い
なくパーフェクト・マッチするだろうと。
そこでマイスター(ドイツ国家資格)佐藤の店、フローエス
・ゲグルンツェへ間違いなく合うと思ったハムに加え、合い
そうだと推測した別の2種類を買いに行き、ペアリングして
みました。
リンダービアシンケン、リオナ、カイザーシンケンの3種類
です。リンダービアシンケンは真っ先に脳裏に浮かんだハム。
リオナとカイザーシンケンは合うだろうと推測したハムです。
結果ですが、リオナが最も良くマリアージュしました。この
ハムは水分含有量が多く、溶ける様な食感で、シットリした
甘味ある旨味が優雅に感じられます。
「非常にエレガントで、絹の様にすべすべとした口当たりを
していて、ほのかな甘味旨味が柔らかく口中を満たす。」と
Iono初しぼり中汲み生原酒の事を表現しましたが、リオナの
表現と大差ない事がお判り頂けると思います。この類似性が
パーフェクト・マッチを創造した訳です。
もちろん、リンダービアシンケン、カイザーシンケンとでも
この日本酒は良好なハーモニーを奏でます。ただ、リンダー
ビアシンケンのリント(牛肉)の部分、カイザーシンケンの
表皮の部分の風味がこの日本酒の繊細さに勝ってしまうので
パーフェクト・マッチを求めるのならもう少し味わいの太い
日本酒がベターでしょう。
実は、低温熟成した味わいの太い別のIonoも在庫しています
ので、リンダービアシンケン、カイザーシンケンに合わせて
日本酒を楽しみたい時は、そちらをお勧めします。
厳寒期を迎え、初物の日本酒の出荷が盛んになって来ました。
小布施ワイナリーでは「幻のSake(今酒造年度は9種類)」
の造りに入っています。Sakeが来るまではIonoを楽しんで
下さい。マイスター佐藤のハムで。
飲み頃温度:8~10度。
1,980円