学生の頃、食費を節約する為(トライアスロンをしていたので、
練習後の空腹が半端なく、それを満たすのに学生としては破格
のエンゲル係数でした。)、休憩中に何を食べてもOKと言う
甘い汁に誘われ、焼肉店でアルバイトをしていました。
その時に、そればかり食べて飽きないのと言われる位、食べた
のが「コムタン・クッパ」。栄養満点なだけでなく、滋味深い
スープ。そのスープをシッカリ吸い込んだご飯もあるので、腹
がガッツリ満たされ、激しい練習後の身体にはとても頼もしい
料理でした。
卒業してから、一度もコムタン・クッパを食べていなかったな
とたまたま思っていた時、丁度、スーパーで目にしたコムタン
の字。懐かしくて思わず買ってしまいました。クッパでなく、
コムタン・スープのカップ麺ですが。
良い味でした。学生時代、ほぼ毎日、食べていたコムタンの味
を思い出しました。あの店はまだあそこにあるのだろうか。と
考えながら。
牛肉、牛の内臓、牛骨(骨を入れて作るとソルロンタンとなり、
スープは白濁していて、白濁していないスープのコムタンとは
異なるとWikipediaには書いてあるのですが、コムタンは白濁
してるけど...)を煮込んで作ります。柔らかく、優しい味わい
の中に、牛からの野趣な味わいも広がります。
柔らかさと優しさまででしたら、合わせるワインはコクがあり、
辛すぎない(スープにはシットリとした甘味旨味が明確に存在
していますので)白ワインがベストです。
そこに野趣さ(動物肉、内臓、骨から出る血合いっぽさ、鉄分
ぽさ)が加わりますから、白ワインに任せるのでは少々、荷が
重すぎます。
そんな時はロゼ・ワイン。それも酸味が爽やかに主張する酒質
のロゼではなく、赤ワインを連想させる香味を持つロゼがこの
場合にはベストです。
軽度の渋味(タンニン)があり、そこに鉄分や血合いの野趣な
ニュアンスを感じる。こんなロゼ・ワインがコムタン・スープ
のベスト・パートナーです。
そのロゼ・ワインがこちら!!果皮の色が灰色を帯びたピンク色
ぽいグリ・ブドウで造りました。グリ・ブドウで造ってある事
がポイントです。果皮の色が紫色の黒ブドウで造ったロゼでは
コムタン・スープの柔らかさ、優しさを生かせません。折角の
滋味深さを堪能できません。
*Down The Lane 2018 Rose Gris de Gris
ダウン・ザ・レイン2018ロゼ・グリ・ドゥ・グリ
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある、やや辛口>
1,760円
料理とワインのマリアージュを創造する時、どちらかが主で、
どちらかが従と言った主従関係で成り立つ場合もあるでしょう
が、一般的にはそうではありません。主張が同系で、均衡した
力関係がある事が必須です。
ですから、コムタン・スープのカップ麺にはグリ・ブドウから
誕生したロゼ・ワインがファースト・チョイスなのです。
スーパーやWEBでこのコムタン・スープのカップ麺を見たなら
ロゼ・ワインとマリアージュする事を思い出して下さい。次は
カップ麺をゲットし、今日紹介のロゼ・ワインとペアリングし、
その素晴らしいマリアージュをご堪能下さい。至福のひと時が
あなたに舞い降りて来るでしょう。