2021年11月18日木曜日

今日は何の日

本日は11月第3木曜日。言わなくても、もう、何の日だかご存知
ですよね。そう、Nouveau/ヌーヴォーの解禁日です。ワイン法
で11月第3木曜日から販売すると決められているフランスの新酒
(ヌーヴォー、あるいはPrimeur/プリムールとも言います。)。
日付変更線の為、世界で最も早くヌーヴォーを味わえる国、実は
ニュー・ジーランドの方が東にあるので先なのですが、彼らには
自国のワインが優先で、ヌーヴォーには関心がないので、実質、
日本が最も早くとなるのです。
当店では赤ワインを5種類、ロゼワインを1種類販売します。全て
入念にテイスティングしました所、ヌーヴォー(新酒)ですが、
落ち着きを感じる香味が何れにもあり、今年のヌーヴォーは少々
趣が異なります。
フレッシュさが命のヌーヴォーなのですが、今年の様なスタイル
もそれはそれで興味深く、料理との接点がより広くなりますから
食卓での活躍の幅が広くなるでしょう。
ヌーヴォーなんてみんな同じ。いえいえ、そんな事はありません。
それぞれが全く異なる個性を備え、それぞれの良さをアピールし、
飲み手を楽しませてくれます。是非、飲み比べてみて下さい。
ワイン専門店が厳選した造り手が魂を込め、造り上げたワインは、
その辺で売っているヌーヴォーとはひと味もふた味も違います。




*ドメーヌ・ジュベール2021ボージョレ・ヴィラージュ
飲み頃温度:15~18度。
<爽やかさあるミディアムボディー>
3,300円
今年、当店が販売するヌーヴォーの中で最もヌーヴォーらしい
のが、ジュベールのこのワイン。豊かな果実味と共に活き活き
とした酸味の広がりとメントール様のフレッシュな香りが寄り
添います。
ビオ・ワインですので過度な人的処理をしていない為、微発泡
のニュアンスを感じますが、ナチュラルさを大切にしている故
のワイン・メイキングだからです。
空気接触でのワインの変化がとても興味深く進みます。一日で
飲み切らず、是非、数日間に渡り飲み分け、日々のその変化を
お楽しみ下さい。3日目がベストと予想しています。
相性の良い料理:マグロの赤身の漬け、ビーフハンバーグ照り
焼きソースなど。




*ドメーヌ・デ・デュック2021ボージョレ・ヴィラージュ
飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなミディアムボディー>
5,500円
アルコール度数が11%と低めなのは、収穫したブドウの性質を
尊重したから。余計な事をせずブドウの声を聞き、ナチュラル
にワインを造るのがモットーのデュックならではの結果です。
そのアルコール度数にも関わらず、シッカリとしたボディーを
感じ、そこに果実味、渋味(タンニン)、醸造に使った樽から
の成分がバランス良く、優雅に備わっています。重厚さと一線
を画す味わい深さがこのワインにはあります。
ポテンシャルの豊かさを示す様に抜栓直後より、2日目の方が
より豊かな香味を楽しめます。大きく向上する2日目の香味を
是非、お楽しみ下さい。
相性の良い料理:牛肉とごぼうの炊き合わせ、出汁の味わいが
豊かな玉子焼き(煮鰻入りがベター)など。




*ドメーヌ・リュエ2021ボージョレ・ヴィラージュ
飲み頃温度:15~18度。
<果実味リッチなミディアムボディー>
3,300円
今年、販売するヌーヴォーの中で最も果実味が豊かなワインが
このリュエのヌーヴォー。ブルーベリーのコンポートやスミレ
のパフュームさを明確に感じ、味わいにもリッチなベリー果実
のフレーヴァーがあります。
それらを醸造で使用した木樽由来の成分(ソトロンと言う成分
で、醤油との相性に優れた)が包み込んでいます。それは和み
と言える感覚となり、静かに優しく口中を満たします。
このヌーヴォーは2日目でも十分、楽しめますが、抜栓直後から
香味を全開しますので、是非、その華やかさを楽しんで下さい。
相性の良い料理:里芋の煮転がし、筑前煮など。



*ピエール・シェルメット2021ボージョレ・レ・グリオット
飲み頃温度:19度。
<深みのあるミディアム~フルボディー>
3,300円
ボージョレの一つ格上のヴィラージュものではありませんが、
レ・グリオットと言う区画の畑のブドウで造った実質、格上と
同等と考えても良いワインです。
果実味の残存と熟成感の共存。フレッシュさと落ち着きの共存。
華やかさと複雑さの共存。を感じます。流石、シェルメットと
言わざるを得ません。
ヌーヴォーの枠組みを超えたこのワインはヌーヴォーを馬鹿に
している人を必ず改心させるでしょう。
相性の良い料理:煮穴子、養殖うなぎの蒲焼など。





*ドメーヌ・ドゥ・ラ・マドヌ2021ボージョレ・ヴィラージュ
飲み頃温度:19度。
<熟成感のある味わい深いミディアム~フルボディー>
3,300円
常に異次元のレヴェルにあるマドヌのヌーヴォーですが、今年
もその通りに仕上がっています。このヌーヴォーを何も知らず
味わったなら誰もヌーヴォーと思わないかもしれません。その
酒質は真にブルゴーニュの高級ピノ・ノワの赤ワインです。
ガメイと言うブドウで造るボージョレが、ワイン用高貴品種の
ピノ・ノワと言うブドウで造ったブルゴーニュのワインに匹敵
する。しかもヌーヴォーが。あり得ないでしょう。普通なら。
当店は何の躊躇もなくこのマドヌのヌーヴォーを開業以来販売
し続けています。その位、素晴らしいワインなのです。
ヌーヴォーであってもここまでできる。ドメーヌ・ドゥ・ラ・
マドヌはそれを証明しています。
相性の良い料理:マグロやカツオの角煮、鶏レヴァーの串焼き
タレ味など。




*ドメーヌ・リュエ2021ボージョレ・ロゼ
飲み頃温度:8~10度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
3,300円
当店が毎年唯一販売するロゼのヌーヴォーです。日本では残念
ながら人気のないロゼワインですが、それには理由があって、
一番の原因は心を打たれるロゼワインに出会える機会がない事。
これに尽きます。
そんなロゼワインが輸入されていない。輸入されていてもそれ
に出会うチャンスがない。など理由は様々ですが、最大の原因
はロゼワインを本気で日本に定着させようとするガッツがない
ワイン商が多過ぎる。これに尽きます。
話題性のあるヌーヴォーでその勢いを借りてロゼワインの良さ
を知らしめる。そのチャンスが今なのです。ロゼワインがない
ワインライフなんて、そう言ってもらえるロゼワインがここに
あります。
ドメーヌ・リュエ2021ボージョレ・ロゼ・ヌーヴォーを是非、
味わって下さい。あなたが抱いているロゼワインに対する認識
が完璧に変わります。
相性の良い料理:ホタテ貝のカルパッチョ、里芋のそぼろ鶏塩
あんかけ、鶏つくね焼き塩味など。