斜面、丘陵地、谷間、盆地、標高の高さ、など特殊な立地条件に
よって生み出されるその場所ならではの微気候。たとえ隣接する
畑であってもこの微気候により違いがもたらされます。
銘醸ワイン産地の多くが川や湖の辺にある事からも解る様に、水
が生み出すマジック（特殊な微気候）の好影響を受け、育まれた
良質のブドウから数々の素晴らしいワインが誕生します。
中欧最大の湖、Balaton/バラトン。この湖を取り囲むハンガリー
のワイン銘醸地も例外なく、湖水が生み出す微気候の影響を受け、
シッカリと、そして良好に熟したブドウから素晴らしいワインが
誕生しています。
原産地呼称、バラトン。この呼称のワインを販売した事が今まで
ありませんでしたが、2017年に訪問した事のあるオーストリーの
造り手、Moric/モリッツがオーストリア・ハンガリー帝国の時代
に遡るかつての一大産地の復権を狙い始めたプロジェクトにより
造り始めた事を知り、販売する事を決めました。
ハンガリーのワインは、Tokaji/トカイ（世界三大貴腐ワイン）が
あまりにも有名で他の素晴らしい数々のワインが目立ちませんが、
特に白ワインに驚愕の品質のものが多数あり、もっと知れ渡って
欲しいと思っていましたから、この度、念願が叶い紹介できる事
に喜びを感じています。
今日紹介のバラトンはもちろん白で、Riesling/リースリングと
Furmint/フルミントをほぼ同じ割合で使い、造ってあります。
この2品種はどちらもアロマ豊かで、比較的スリムなボディーの
ワインを造り出しますので、詳細を知らず、テイスティングした
時のこのワインの印象は、そのリッチさ、豊かなヴォリューム感
からPinot Gris/ピノ・グリなどのピノ系の品種で、オーク樽も
使い造ったのではと言ったものでした。
それもバラトン湖による微気候が成せる技で、リースリング単一
のワインとも違い、リースリングとフルミントで造った一般的な
ワインとも異なり、バラトン湖の個性（ワインの世界で言う所の
テロワール/Terroir）がシッカリ詰まったワインになっています。
カシューナッツ、ミルク・プリン、カフェ・オ・レの香りを感じ
ます。真新しいオーク樽でワイン造りをしたと推測できます。
ラ・フランスなど白い果肉の果実のコンポートを思わせる香りを
感じます。シッカリ完熟した良質のブドウで造ったワインである
事を証明しています。
グラスを回し、ワインに内包されている香りを開放してあげると
マシュマロ、白い根野菜、白いキノコを思わせるヒントが現れ、
ワインが酸素に触れながら緩やかに熟成し、洗練された酒質へと
向上した事を感じます。
味わえば、リッチでグラマーなボディーでありつつ、果実由来の
リンゴ酸を乳酸菌の働きで乳酸へと変えるマロラクティック発酵
と言う過程を多くは経ていない為、リンゴ酸の爽やかな主張から
また含有されている豊かなミネラリーから引き締まった口当たり
となり、バターやオリーヴオイルでソテーした料理に柑橘果実の
果汁を添えてあげ、ワインと料理のマリアージュを創造してあげ
たい酒質のワインに仕上がっています。
・天然マイタケの天ぷらを柑橘果汁風味の効いた天つゆで
・カツレツを塩レモンで
・鶏肉とカシューナッツの天然塩炒め
・鶏皮の串焼きを柚子塩で
この様な料理のベスト・パートナーな白ワインです。
＊Hidden Treasures 2018 Balaton Riesling Furmint
ヒドゥン・トレジャーズ18バラトン、リースリング・フルミント
飲み頃温度：11～14度。
＜コクのある辛口＞
4,400円
