何かを食べている時、例えそれがカップ麺、漬物、チョコレート
やケーキであっても、あのワインならマリアージュしそうだ、と
思いを巡らせてしまいます。朝も、昼も、夜も。そして夢の中で
でも。
久し振りに興味深いカップ・ラーメンに出会いました。海鮮風味
の塩味スープで、優しいトロミがあり、上品な味わいです。今、
流行りの監修ものですが、北京風香塩と言う商品ですから本場、
中国王道の味わいでしょう。
これを食べた時、真っ先に思い浮かんだのは、海鮮の塩あんかけ
で、海鮮から来る旨味(ミネラリーさある苦味のアクセント)が
餡の粘性ある甘味旨味と一体化し、それがこのカップ・ラーメン
のスープに再現されています。その様なニュアンスがあのワイン
に合わせたい。そのニュアンスがあのワインを呼んでいる。そう
思わずにいられませんでした。
そのワインは何?海鮮、塩、餡、それらがコールするワインは、
白?ロゼ?赤?海の幸だからと言って、即、白ワインをとはなら
ないのですが、蟹やホタテの風味ですので、ここは赤ではない方
が良く、塩で味を調えてありますから、ロゼでもない方がベター
となって、結果、白ワインがベスト・チョイスとなります。
では、どんな白ワインが良いのでしょうか?考慮するポイントは
ミネラリーさある苦味のアクセントがスープにある事です。その
様なアクセントを感じる白ワインが良いのです。
具体的には、硬水のミネラル・ウォーターをイメージできる酒質
の白ワインです。オーク樽でなく、ステンレス・タンクで造った
キリリと引き締まった口当たりで、シッカリと豊かなミネラリー
さを感じる骨太なボディーのワインが良く、餡との相性を考える
と、辛すぎない味わいのワインがベターです。
のはこのワイン!!偶然にも、ルーツが同じ中華人民共和国。その
ワインの故郷は、寧夏回族自治区(Ningxia / ニンシャ)です。
寧夏には中国のGrand Cru / グラン・クリュ(特級)とされる畑
が多数あり、そこで育まれたブドウで造ったワインの多くは今や
世界のトップ・クラスに君臨する程です。
その寧夏からやって来た白ワインは北京風香塩麺のベストな相棒。
これ程までにマリアージュするのはそうそうあるものではなく、
奇跡のコラボレーションと言っても過言ではありません。
カップ・ラーメンを食べながらだってワイン。ワインはいつでも
食と共にあります。