2021年10月10日日曜日

カベルネはソーヴィニョンだけではありません。

赤ワインを語る時、カベルネ派、ピノ派と言った言い方をする
事があります。赤ワイン用の2大メジャー品種ですし、典型的
な2つのタイプ(渋味がシッカリある酒質/カベルネ派と渋味が
比較的優しい酒質/ピノ派)のワインを造り出す品種でもあり
ますから、政治の世界ではありませんけれど、赤ワインの2大
派閥の様に語られます。
カベルネ派と言う場合、それは通常、Cabernet Sauvignon/
カベルネ・ソーヴィニョンを指してそう言っているのですが、
カベルネはソーヴィニョン種だけでなく、Cabernet Franc/
カベルネ・フランと言う種もあり、少々話がややこしくなり
ます。
と言うのも、実はソーヴィニョン種とフラン種は親子でして、
それ故、出来上がるワインの香味に共通する要素もある半面、
それぞれ異なる明確な個性があり、十分、区別し語ったり、
取扱ってあげる必要があります。
因みにフラン種が親で、ソーヴィニョン種が子で、それぞれ
から出来上がる赤ワインをイメージし易い様に色で形容する
と、前者が紫色と緑色、後者が緑色となります。
それを具体的に言いますと、紫色とは紫色の花や果実を連想
させる香味、緑色とはハーブなどの植物や緑黄色野菜を連想
させる香味を持っていると言う事です。
更に言いますと、フランのワインにはスミレやブルーベリー
を思わせる香りがありますが、ソーヴィニョンのワインには
それが基本的にはない。と言う訳です。




それを料理との接点で見てみると、「フキノトウの天ぷら」、
「ピーマンの肉詰め」、「ほうれん草のバター・ソテー」等
はどちらのワインにも好相性ですが、「春菊入りすき焼き」、
「ローリエの風味の効いたビーフ・シチュー」、「青のりを
シッカリ振りかけた焼きそば」等は、青みの香味が添え物に
なりますので、ソーヴィニョンよりも、紫色をイメージする
要素もあるフランのワインの方がベターなチョイスとなる。
と言った具合です。
カベルネの赤ワインはかなり飲んでいるけれど、フラン単一
のカベルネの赤ワインは飲んだ事がなかったな。そう言う人
はかなりいると思います。
この機会に、カベルネ・フランの典型的な赤ワインを是非、
味わってみて下さい。ソーヴィニョン単一の赤ワインと全く
別の酒質であるとお判り頂けるでしょう。




*Domaine Langlois Chateau 2018 Saumur
 ドメーヌ・ラングロワ・シャトー2018ソーミュール

飲み頃温度:19度。
<深みのあるフルボディー>
2,200円