魚料理人気ランキングを行ったなら、間違いなく上位に来る筈
の「鰻の蒲焼」。あなたはこれを食しながらワインを楽しむ事
がありますか?
鰻の蒲焼にワインを合わせる時に着目するポイントは3つ。鰻
そのものの味。タレの存在。そして山椒。以上の3つです。
鰻の味ですが、「血合いぽさ」、「鉄分ぽさ」、「土ぽさ」、
「シッカリある脂肪分」が特徴です。タレですが、「濃厚さ」、
「芳醇さ」、「深み」が特徴です。そこに加わる山椒の香味を
考慮すると合わせるべきワインの酒質が明らかとなります。
ワインに「血合いぽさ」、「鉄分ぽさ」、「土ぽさ」を感じ、
「シッカリある脂肪分」に調和させるのなら、それは白ワイン
でもなく、ロゼワインでもなく、ふくよかなボディーをした赤
ワイン、いわゆるフルボディーの赤ワインがベストな選択です。
そして「血合いぽさ」、「鉄分ぽさ」を感じる赤ワインなら、
Merlot/メルロ、Petit Verdot/プティ・ヴェルド、Sangiovese
/サンジョヴェーゼ、Nebbiolo/ネッビオーロ、Montepulciano/
モンテプルチャーノ、Aglianico/アリャーニコ、Tempranillo/
テンプラニージョなどで造ったものが良く、「土ぽさ」は熟成
によりワインに備わる香り(ブーケ)がそれに当たりますので
少なくとも醸造後、4~5年経過しているワインがベストです。
以上の様な赤ワインであれば、山椒のあるなしに影響を受けず、
鰻の蒲焼にマリアージュさせる事ができますが、特にメルロの
赤ワインの場合、他の品種の赤ワインよりも山椒にリンクする
香りが少ないので、ベスト・チョイスはCebernet Sauvignon/
カベルネ・ソーヴィニョンがブレンドされているワインとなり
ます。それはカベルネ・ソーヴィニョンのワインの個性である
ハーブ香が山椒の香りとが同調するからです。
更に、より高いレヴェルでのマリアージュを創り上げるのなら、
「タレ」にフォーカスし、そのタレの味わいにマッチする香味
の赤ワインをペアリングさせると良いでしょう。
それは赤ワインをどんなオーク樽の中で造ったのかを考慮する
と良い事を意味し、オーク樽は主にフレンチ・オークで作った
ものとアメリカン・オークで作ったものがあり、後者の木樽は
ワインにより明確な焦臭的な香りと芳醇でオイリーな口当りを
もたらします。
長きに渡ってつぎ足し、煮詰めて出来上がったタレには焦臭的
な香り、タップリの粘性があり、エキスが凝縮した深みのある
味わいがあって、アメリカン・オークで造り上げた赤ワインが
持つ香味に多くの共通する点がある事がお判り頂けるでしょう。
鰻の蒲焼にタレをかけ、山椒の風味をそこに添える。この様な
状態により良くマリアージュさせる最後のパーツがアメリカン
・オークからワインにもたらされた成分なのです。
の蒲焼+タレ+山椒&Opus One/オーパス・ワンを。そこまで
はちょっとなぁと言うのでしたら、アメリカン・オークで発酵
熟成をしたカリフォルニアのワインで是非、土用の丑の日の宴
を完成させてみて下さい。
在庫のあるOpus One/オーパス・ワンのヴィンテージは2007、
2012、2017になります。