2021年7月11日日曜日

久し振りのアルザス赤ワインです。


パリの東、約500km辺りに広がるアルザス/Alsaceと言う地方。
ワインの銘醸地としても有名ですが、おとぎ話に出て来る様な
小さな街が点在し、そこには可愛らしい家並みがのどかな風景
と共に広がるワイン好きでなくても一度は訪れ、滞在するべき
所です。
TGV(日本で言う所の新幹線)がパリ東駅からアルザス地方の
中心の街、ストラスブールまで直通となった為、2時間程度で
行ける様になり、訪れやすくなりました。して欲しいとは思い
ませんが、強行するなら日帰り旅行さえ可能です。
アルザス地方は様々なスタイルの白ワインで名を馳せています
が、ワイン法で認められている唯一のピノ・ノワ/Pinot Noirの
赤ワインも秀逸で、ピノ・ノワの故郷、ブルゴーニュ地方の赤
ワインと趣を異にする酒質です。
アルザス地方に広がるブドウ畑は山の東側斜面に拓かれ、豊富
な陽光を浴び、また、大陸性気候の恩恵(少雨、低湿、日夜の
寒暖差など)を受け、シッカリ熟した良質のブドウが育まれ、
そのブドウでワインを造ると豊かな果実味があり、アルコール
分の温かみあるふくらみと共に柔和で優美な香味が伝え広がる
酒質となります。
アルザス地方を訪れ、複数のワイナリーを巡ったのは10年程前
で、それ以来、2つの造り手のワインを販売しています。在庫を
切らさない様にしていますが、白ワインが主のこの地方の特性
から生産量の多くないピノ・ノワの赤ワインが時々欠品します。
そして一度、欠品しますと再入荷まで時間がかかります。





そんな訳でしばらく欠品していましたピノ・ノワの赤ワインが
再入荷して来ましたので、早速、紹介したいと思います。その
ワインは既に述べた様にハッキリとした果実味(初めはプラム
やサクランボ、ワインが空気に触れ内包されていた香りが解き
放たれるとブラック・ベリーやアメリカン・チェリー)があり、
豊かなアルコール分の厚みと共にファットなボディーを形成、
そこにオーク樽からの成分と相乗したタンニン(渋味成分)が
芳醇さを添えます。
ピノ・ノワの故郷、ブルゴーニュ地方の酸味の広がりを基調と
した赤ワインと一線を画すラウンドなボディーのワインです。
そしてピノ・ノワの赤ワインとしては比較的重厚感も備わって
いて、鉄分ぽさや赤身肉の血合いぽさのニュアンスを残す余韻
はマグロやカツオ、モツやレヴァーを使った料理との相性が良
です。




今日紹介したいこのワインをテイスティングした時、120%の
確率でマリアージュする筈の食べ物を思い付きました。それは
「スモーク・レヴァー」なのですが。
どうしてマリアージュすると確信したのか。ワインに鉄分ぽさ
がある、血合いぽさがある事に加え、シッカリと熟したブドウ
で造ったワインならではの特徴の刺激的なスパイシーさがあり、
スモーク・レヴァーの製造過程で使った香辛料が発する香りと
相乗するからです。
ですので誰が作ったものでも良い訳でなく、ドイツ国家資格の
マイスター所有者、フローエス・ゲグルンツェの佐藤さん謹製
のスモーク・レヴァーでなくてはいけません。このレヴァーは
隔週の製造販売ですので、次の発売は特例の4連休の週です。
レヴァーが苦手でないなら、是非、購入し、今日紹介のワイン
と一緒に味わってみて下さい。「マイスター佐藤のスモーク・
レヴァーとアルザス赤ワインのマリアージュ」、その完成度、
その素晴らしさに必ず心を打たれます。




マイスター入魂の逸品に合わせ楽しみたいワインがこちら!!
*Paul Blanck 2018 Pinot Noir
 ポール・ブランク2018ピノ・ノワ

飲み頃温度:19度。
<深みのあるミディアム~フルボディー>
3,300円




アルザス地方にはワイン街道/Route des Vin d'Alsaceがあり、
迷わず産地巡りができます。お勧めはストラスブールで電車に
乗り、30分強で到着するコルマール/Colmar(南北に広がる
アルザスのワイン産地の中央付近)に滞在し、日中はレンタ・
サイクルで畑巡り、夜は落ち着いた雰囲気の街中のレストラン
で地元の特産、タルト・フランベ/Tarte Flambeeなどと一緒に
アルザスのワインやビールを味わうのが良いでしょう。



また、レンタ・カーを借り、遠出するのも一手です。交通量
が激しくないので、海外での運転経験が浅い人でもOKです。
レンタ・カーで遠出をする際にはオー・ケーニヒスブール城/
Chateau du Haut Koenigsbourgは是非、訪れて頂きたいと
思います。城から一望できるアルザス地方の風景の美しさに
息を呑むに違いありません。
このパンデミックが収束(終息ならベスト)したら、是非、
アルザス地方へ行ってみて下さい。ワインの素晴らしさだけ
でなく、自然の美しさ、街の美しさは、パリの観光だけでは
味わえない醍醐味があります。