スパイシーさを感じるワインと言えば、Syrah/シラーのワイン、
Shiraz/シラーズのワインと答える方が多いと思います。確かに
シラーやシラーズの赤ワイン、ロゼワインも、にはブラック・
ペッパーを思わせる香りが明確にあり、その香りを拾い上げる
事で、そのワインがシラーやシラーズで造ったと判断できます。
それ以外にもペッパリーさのある赤ワインがあるでしょうか?
勿論あります。
全てではありませんが、Pinot Noir/ピノ・ノワ(ドイツでは
Spatburgunder/シュペートブルグンダーと言います。)から
誕生した赤ワインにペッパリーさを感じる事があります。
その様な赤ワインは内陸の比較的暖かい産地で育まれたピノ・
ノワで造った時にでき上がる傾向があります。そしてそこには
スミレを思わせるパフュームさ、ブルーベリーのコンポートを
思わせる華やかさが共存し、ブドウがシッカリ熟した事を推測
させます。
ある産地、アルザスの北側で、フランス国境に接する地方)や
Baden/バーデン(アルザスの東側で、フランス国境に接する
地方)で育まれたシュペートブルグンダーから誕生するワイン
にその様なタイプが多く存在します。(備考:画像中の緑色の
楕円がアルザス地方です。)
大部分のピノ・ノワの赤ワインが小粒の赤い木なり果実の生果
(酸味を感じる)をイメージする香りが核になっていますから
ペッパリーさを感じるピノ・ノワの赤ワインの酒質は、完全に
異なるスタイルで、ブラインドで同時にテイスティングした時、
片方をピノ・ノワの赤ワインとしたなら、もう片方は別の品種
の赤ワインと思ってしまうかもしれません。
ペッパーにはホワイト・ペッパー、ピンク・ペッパー、レッド
・ペッパー、ブラック・ペッパーなどがあり、色と色は関連、
連動している事から、ホワイト・ペッパーは白ワインに感じ、
ピンク・ペッパーとレッド・ペッパーはロゼや赤ワインに感じ、
ブラック・ペッパーは赤ワインに感じ、その赤ワインはシラー
やシラーズから誕生したものでした。
取れる事があるペッパーはどのペッパーでしょうか。光が透き
通らない程、濃い深紅色のワインではありませんから、色と色
が連動、関連している事を考えても、ブラック・ペッパーでは
なく、大抵はピンク・ペッパーで、時にはレッド・ペッパーで
ある事もあります。
ハッキリとした果実味とピンク・ペッパーやレッド・ペッパー
のスパイシーさの共存するワインは、ハッキリとした果実味が
ホットな辛さと融合し、スパーシーさはスパイシーさとリンク
し、調和します。
では、このタイプのシュペートブルグンダーの赤ワインに何を
ペアリングさせ、マリアージュを創造しましょうか。可能性は
色々ありますが、ワインのカジュアルさに合わせ、カジュアル
な食べ物は如何でしょうか。
サラミソーセージですが、香辛料からのホットな辛さがワイン
の果実味と、原料肉からの野趣さが熟成感からのワインの複雑
さと、そして両者のスパイシーなヒント同士がリンクし、良好
なハーモニーを奏でます。
ピッツァでワインを楽しむ事は一般的でしょうが、ここはもう
一歩踏み込んで、このピッツァを食べるからこのワイン、この
ワインを楽しむからこのピッツァをと言った具合にペアリング
をするなら、ピッツァとワインのマリアージュを今までよりも
一層楽しめる筈です。