生の魚介を食す事が嫌な人はあまりいないと思いますが、ワイン
を飲みながらとなるとそれは嫌だと言う人がある程度いると推測
します。
刺身や寿司など生の魚介を食べながらワインを味わう時、一番の
問題は口中に違和感(生臭さ)を感じがちな事です。それが出現
する事で刺身をつまみに、寿司を食べながら、ワインを味わうと
言う行為はナンセンスだ、邪道だとなってしまうのです。
何故、口中に生臭さを感じてしまうのでしょうか。それは刺身や
寿司に合わないワインを一緒に口にしているからに他なりません。
魚には白ワインと信じ込んで、本来、赤ワインを合わせるべき所
なのに白ワインを合わせてしまっている。
ワインの果実味がリッチ過ぎて、フルーティーさが先行し、魚介
の磯のニュアンス、血合いや鉄分を感じる味わいと反発し、調和
できず、生々しさが浮きだってしまった。この2つが主たる原因
です。
細かく見ればきりがないないのですが、生の魚介とワインを不快
のないマリアージュをさせるには以下の事を考慮すればOKです。
・白身の魚、甲殻類、貝類は白ワイン
・赤身の魚、鮭、脂ののった白身の魚には赤ワイン
を基本とし、白ワインは果実味があっても、その果実味は柑橘系
である事。赤ワインは濃厚な果実味がなく、血合いのニュアンス
や鉄分ぽさのあるドライな味わいのもの。
白ワインに合う魚介には山葵をシッカリつけてOKですが、醤油は
とても控えめに、ポン酢はOKですが、できれば天然海水塩で食す
のがベスト。
赤ワインに合う魚介は山葵をとても控えめにし(本当は山葵なし
がベスト)、ポン酢で食べず、塩でもOKですが、醤油で食す。
ここまで条件を整えれば、口中に違和感(生臭さ)が広がる事は
先ずないと言えます。
白身の魚、甲殻類、貝類の刺身や寿司に合わせ楽しめる白ワイン
は当店に色々ありますが、その中から新着のイタリア白ワインを
一例として紹介致します。
*Salluvii 2019 Gavi / サッルヴィ2019ガヴィ
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口>
3,300円
硬水のミネラル・ウォーターをイメージさせるフリンティーさを
明確に感じ、果実味は穏やかで、柑橘果実のビターなニュアンス
やフレッシュ・ハーブのニュアンスを感じます。
味わいはやはり骨太なミネラリーさがあり、軽度の苦味あるコク
にミンティーさやメントールを思わせる爽やかさが加わります。
余韻はシャープで力強く、極めて辛口のテイストを残します。
「生カキに白ワイン」と聞いた事があると思いますが、この様な
タイプの白ワインの事を指して言っています。
脂ののりの少ない白身魚、エビなどの甲殻類、カキやつぶ貝など
の貝類、そしてイカやタコの刺身や寿司を塩やポン酢で食すなら
その時は迷わず今日紹介のガヴィの様な酒質の白ワインを合わせ
楽しんで下さい。
当店は「刺身とワインの完璧なマリアージュ」、「寿司とワイン
の完璧なマリアージュ」をアシストする事に情熱を注いでいます。