2021年6月8日火曜日

ピノですが、ノワではありません。

Pinot/ピノと言えばワイン・ラヴァーの間ではPinot Noir/ピノ
・ノワ(果皮の色が深い紫色のブドウ)の事か、ピノ・ノワで
造った赤ワインの事を大抵、指しているのですが、ピノと言う
ブドウはノワだけでなく、Gris/グリやBlanc/ブランもあります
から、話が少々ややこしくなります。
ブドウは突然変異しやすい植物で、果皮の色が深い紫色だった
ブドウ、ピノ・ノワの果皮の色素が脱落し、より淡い色で灰色
がかったピンク色に変異したピノ・グリ、更に変異し、緑色を
帯びた黄色の果皮になったのがピノ・ブランです。



今日はその突然変異種の中でも北イタリアや東欧で比較的多く
栽培され、ヴォリューム感があり、骨太な酒質で、深みのある
味わいの白ワインを生み出すピノ・グリにフォーカスし、その
魅力を紹介したいと思います。
ピノ・グリ(イタリアではPinot Grigio/ピノ・グリージョ)は
その名の通り、グリ色(灰色)を帯びた果皮をしていて、果皮
の色素を果汁に移しながらワイン造りを行うと、淡い色合いの
ロゼワインに、時にはオレンジ色の色調を感じる今、大注目の
オレンジワインも造り出す事ができるブドウです。
そして果皮の色素を果汁に移さずに、つまり果皮を果汁に浸漬
(醸造用語でマセラシオン)しないでワイン造りを行った場合
でも、ベージュの色調やサーモン色の色調をわずかに感じる白
ワインができあがります。その外観を備えている事が骨太で、
深みのある味わいの源になっています。
この様な味わいの白ワインは根野菜、イカ、タコ、エビ、貝類、
砂肝や軟骨など、味わいに苦味のアクセントがある食材を使い
作った料理との相性に優れています。もちろんその様な魚介類
を生で食す時にも大活躍する白ワインでもあるのですが。
今日紹介する白ワインは、真にそんなワインで、骨太な酒質に
ドッシリとしたふくらみがあり、白ワインでありながら口中で
明確にタンニン(渋味成分)のあるコクを感じます。グリ品種
ならではの典型的な白ワインです。
ぶり塩大根、ホタテ貝のカルパッチョ、イカフライ、生ダコや
エビの握り、砂肝や薬研軟骨の串焼きなどを天然塩で味わいを
整えたなら、今日紹介のピノ・グリの白ワインには間違いなく
ベストな相棒となるでしょう。




ピノ・グリの果皮の色素がワインに移行していない白ワインの
典型的スタイルに仕上がったワインがこちら!!
*Grigorescu 2020 Pinot Gris
 グリゴレスク2020ピノ・グリ

飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口>
1,870円
一緒に楽しむのに特にお勧めの料理は、「薬研軟骨の串焼き、
塩味」、「鶏の水炊き(ポン酢など使わず、鶏の出汁の味わい
だけで食す)」です。



Outstandingな品質のジドヴェイの白ワイン。その素晴らしさを
是非、味わい尽くして下さい。