今回は先ずお礼から。先日、お客様からワインに関してとても
大切なご指摘を頂きました。それは誰もが予見できない事なの
ですが、それが発生した時の対応を明確にしておくべきだった
と反省しています。取引先の輸入元やワイン生産者の対応確認
に少々時間がかかりましたが、今後、当店では以下の様に対処
する事に致しました。ご指摘、誠にありがとうございました。
物事には不測の事態が発生します。ワインでは抜栓し、中身を
チェックして初めて判る事があります。それには2つの事象が
あり、ひとつは「ブショネ」、もうひとつは「ブレティまたは
ブレット」と呼ばれるものです。
ブショネはコルクに残留していた菌がワインにいたずらをし、
ワインに健全ではない香味を付けてしまった状態の事で、その
香りは濡れた雑巾、締め切った納戸を開けた時に感じる臭いで、
味わいは乾いた様な口当たりでえぐみ(嫌な苦味)があります。
そして、コルク(ワインに接していた面)にその臭いを明確に
感じます。ですので、ブショネはコルクをチェックしただけで
そうなのか、そうでないのかが判断できます。
ブレティは、酵母の一種のブレタノミセス(ブレタノマイセス)
/Brettanomycesがやはりワインにいたずらをし、違和感のある
香味をワインに付けてしまった状態の事です。
但し、悪い事ばかりでなく、ブレタノミセスによる影響が良と
なる場合があり、その時にはワインに深みを与えます。それは
ワイン・メーカーが敢えてブレタノミセスを少しだけワインに
加える事で、そのワインの香味に複雑さを備えさせ、味わいに
奥深さを付ける造り方がある事からも解ります。
ブショネによるワインの香味とブレティなワインの香味は類似
していますが、ブレティなワインの場合は、コルクにブショネ
の時の様な異臭はありません。
ブショネも、ブレティも不慮の事象で、回避する事は至難の業
ですので、当店でお買上げ頂いたワインにもそれを感じる事が
あるかもしれません。その際にして頂きたい対応があります。
新型コロナ・ウィルスによるCOVID-19の拡大でしばしば耳に
する様になった「エヴィデンス/evidence」と言う単語。証拠、
根拠、印、形跡などと言う意味ですが、事象を確認する為には
エヴィデンスが必要です。
そこで当店で買ったワインに違和感を覚えた時には、私がそれ
を確認する為にそのワインを持って来て頂きたいのです。その
手順をお知らせ致します。
違和感を覚えた時には直ちに当店へお知らせ下さい。その際は
エヴィデンスの為に電話でなく、メールにてお願い致します。
メール・アドレスは、rubyportATotv.ne.jpです。ATを@にし
入力して下さい。尚、フィッシング・メールなどでないか否か
を判断できない時はそのメールを開封しません。当方が不審な
メールではないと判断できるタイトルを添えて送信して下さい。
次にそのワインを数日以内に当店へ持って来て下さい。その際
はワインの栓(コルク、スクリューキャップなど全て)も一緒
に持って来て下さい。そこでブショネ、ブレティなのかそうで
ないのかの判断をします。
ブショネ、ブレティのワインの対応は様々です。当店では当該
ワインの輸入元、あるいは生産者の対応に従い、同様の対応を
しています。
つまり、ブショネ、ブレティは不測の事象です。故意や不注意
による結果とは言えない事象です。その為、別のボトルに交換
するか否かの対応はそれぞれです。当店では対応する輸入元の
ワイン、生産者のワインの場合には別ボトルのへの交換を承り
ます。それ以外は対応できませんので、ご了承下さい。
実際、出張先や海外の産地訪問時に買ったワインにブショネ、
ブレティがあったとしても、それは不可抗力の現象であって、
ワインとはそう言うものと心得、私はそれを了承しています。
尚、ブショネはコルク臭ですのでコルク(ヴィノロック[ガラス
製のコルク]、DIAM/ディアム、プラスチックコルクを除く)を
使用したワインにしか発生しませんが、ブレティはワインの栓
に関係なく発生します。
先日、当店でワインをお買い求め頂き、そのワイン(話の内容
から恐らくブレティ)の見解を尋ねられた際に当店のブショネ、
ブレティーなワインへの対応のアナウンスが不足していた事に
気付きました。ご指摘頂き、再度お礼申しげます。ありがとう
ございました。
今まで当店のブショネ、ブレティーなワインの扱いが不明瞭で
申し訳ございませんでした。今後は以上の事をお含み頂いた上
で対応して頂ければ幸いです。