いよいよ残り少なくなって来ました。醸造家、曽我さんがOK
の判断でしたら、あと3種類です。そして今月はこれが最後。
「Numero Deux/ヌメロ・ドゥ」です。
ご存知の方がほとんどでしょうが、なぜ、ドゥ(フランス語
で2の事)なのか。それは史上2番目に国立醸造試験所(現在
の日本醸造協会)によって頒布された酵母で醸造したからで、
2番目=ナンバー2=ヌメロ・ドゥです。
この酵母は月桂冠と言う日本酒を造っている蔵(当時は笠置屋
その後、株式会社大倉恒吉商店)に恐らく住み着いていたもの
で、そこで造られた月桂冠の新酒から分離し、他の蔵でも実用
できる様にした酵母菌です。
2号も含め、1号から5号酵母までは途中で変性したなどの理由
で昭和初期に頒布が終了し、現在ではいわば幻の酵母と言え、
その酵母で造った酒は、真に「幻の酒」と表現するに相応しい
でしょう。
今更、言うまでもありませんが、「本当の日本酒」とは何か?
「本物の日本酒」とはどう言う酒なのか?それは曽我彰彦が己
の魂、情熱を込めて醸した「Sake」を飲みさえすれば判るので
あって、長々と解説する必要など無用です。
Le Sake Erotique 2020 Numero Deuxは、27日(土)13時
から販売開始致します。是非、味わって下さい。
米と言っても過言ではありませんでしたが、このドゥも同様の
酒質に仕上がっています。
見た感じ一瞬、スカイブルーのトーンを感じる色合いとサラリ
とした淡いイメージの外観に軽快で爽やかな香味を想像します
が、味わえばその落ち着きある深みに和らぎを感じます。身体
に染み入る様なしなやかさ、喉元を滑り流れる様なシルキーさ
を感じます。
優しい甘味のある上品な味わいの食材を淡い味わいに調理した
料理、例えば「甘鯛の酒蒸し」、「関西風おでん」などと相性
が良いのはもちろんですが、試した所、パーフェクトと言える
マリアージュを創造した食べ物がありました。
それは何か。生ハムで何度か登場したマイスター佐藤さんの店
フローエス・ゲグルンツェで買える「リンダービアシンケン」
です。
リンダーの名の通り、リント(牛肉)も使って作ったハムで、
牛脂の甘味と深い味わいがドゥの甘味旨味(白米を食べている
時の様な)とふくらみのある、また滑らかな味わいの広がりと
密接にリンクします。淡いながらも、味わいの深みがあるドゥ
ならではでしょう。