前回、ピッツァとペアリングさせた2種類の日本酒、Iono/
いおの。ワインに置き換えれば、フルーティーな白ワイン
的な特別純米酒とミディアムボディーの赤ワイン的な山廃
純米吟醸原酒でした。
寿司と日本酒のマリアージュは決して珍しくもなく、普段
から多くの方が実践、楽しんでいる事でしょう。ですので
日本酒をワイン的香味の捉え方をしつつ、どの様な寿司と
相性が良いのか検証してみます。
魚の味わいをその味で包み込んで、悪い言い方をすると魚
の味わいを消し去り、自身の味に画一化してしまう事実に
気付いてから、刺身や寿司を醤油で食べる事を止めました。
ですので、以下の結果は「寿司 with 天然海水塩」からで、
「with 醤油」からのものとは異なります。
「with 醤油」で行ったのなら、寿司と特別純米酒の関係は
より離反し、寿司と山廃純米吟醸原酒の関係はより緊密に
なります。
つまり、ある寿司と特別純米酒のペアリングが〇であった
としたら、「with 醤油」の時には△あるいは×に変わると
推測でき、ある寿司と山廃純米吟醸原酒のペアリングが〇
であったなら、「with 醤油」の時は◎に変わるだろうと
言う事です。
それは白ワインと醤油の組み合わせがあまり良いと言えず、
赤ワインと醤油の組み合わせは常にと言っても良いくらい
に良好だからです。
フルーティーな白ワイン的酒質と捉える事が可能ないおの
特別純米酒は、白ワインと醤油の相性に準じ、ミディアム
ボディーの赤ワイン的な酒質と捉える事の可能な山廃純米
吟醸原酒は、赤ワインと醤油の相性に準じると考えられる
事で、「with 天然海水塩」の結果と「wit h醤油」の結果
が異なる訳です。
意外な事にパイナップルと好相性だった特別純米酒。その
フルーティーさと爽やかさがゆずとマッチし易いと予想し、
「ゆず塩炙りの寿司」もチョイス。
赤ワイン的と形容できる山廃純米吟醸原酒は、赤ワインと
好相性の「玉子」、「寒ぶり」、「まだい」、「えんがわ」
「まぐろ」に当然、マッチすると考え、これらもチョイス。
「水だこ」はその苦味のアクセントがある味わいが山廃の
骨太な旨味と相乗すると強く思い、これもチョイス。
・ゆず塩炙りまだい
*特別純米酒(予想)◎ (実際)〇
*山廃純米吟醸原酒(予想)× (実際)×
特別純米酒は「ゆず」とはOKなのですが、「まだい」の味
の深みに追い付かず、山廃純米吟醸原酒はその芳醇な香味
が寿司に勝り過ぎてマッチしません。
・ゆず塩炙り寒ぶり
*特別純米酒(予想)◎ (実際)△
*山廃純米吟醸原酒(予想)△ (実際)〇
特別純米酒は「ゆず」とはOKですが、「寒ぶり」の味わい
の豊かさを生かせず、山廃純米吟醸原酒は「寒ぶり」との
相性に優れていますが、「ゆず」がマリアージュを妨げて
います。
・水だこ
*特別純米酒(予想)〇 (実際)〇
*山廃純米吟醸原酒(予想)◎ (実際)△
特別純米酒のライトタッチな味わいと「水だこ」の淡く、
ミネラリーな味わいがマッチします。山廃純米吟醸原酒は
「水だこ」が予想よりも淡い味わいであった為、その風味
を消し去り、また、お互いの苦味を引き立ててしまい心地
良くありません。
・わさびえんがわ
*特別純米酒(予想)〇 (実際)〇
*山廃純米吟醸原酒(予想)◎ (実際)×
「わさび」の爽やかさが特別純米酒の味わいを引き寄せ、
両者が融合します。逆に「わさび」が邪魔をし、山廃純米
吟醸原酒の旨味を嫌味に変えてしまいます。予想を覆し、
「えんがわ」の主張が「わさび」に包み込まれていて全く
前面に出て来ないのがその要因です。
・活〆まだい
*特別純米酒(予想)〇 (実際)〇
*山廃純米吟醸原酒(予想)◎ (実際)△
特別純米酒の穏やかな旨味が「まだい」の上品な甘味ある
旨味とリンクします。「まだい」の繊細な風味が山廃純米
吟醸原酒の芳醇さと完全にかけ離れています。
・活〆寒ぶり
*特別純米酒(予想)△ (実際)×
*山廃純米吟醸原酒(予想)◎ (実際)〇
「寒ぶり」の味わいの芳醇さが特別純米酒の優しい味わい
と相容れず、一方、山廃純米吟醸原酒は「寒ぶり」のその
芳醇な味わいを持ってしても更にその上を行ってしまい、
調和しきれません。
・まぐろ軍艦
*特別純米酒(予想)△ (実際)×
*山廃純米吟醸原酒(予想)◎ (実際)〇
「まぐろ」の鉄分ぽさと血合いっぽさが特別純米酒の柔和
さを凌駕し、生々しい味が口中に広がります。「まぐろ」
も山廃純米吟醸原酒と「寒ぶり」の関係に準じます。但し
醤油をつけて食したなら、どちらのペアリングも◎になる
でしょう。
・旨だしたまご
*特別純米酒(予想)〇 (実際)×
*山廃純米吟醸原酒(予想)〇 (実際)〇
「たまご」は白ワインには合わず、赤ワインとは好相性の
結果を見せる通り、フルーティーな白ワイン的とも言える
酒質の特別純米酒と好相性ではなく、ミディアムボディー
の赤ワイン的とも言える酒質の山廃純米吟醸原酒とはその
結果通り良好なマッチングを見せてくれました。
予想を真実は覆す。何でもやってみましょう。意見を言う
のはそれからです。料理とのマリアージュ。奥深く、無限
の広がりがある世界。それを追求するのを止めてしまう事
は罪です。
Iono/いおの2種類は販売中です。