2020年9月15日火曜日

似合いのカップル/2 of a kind

「ワインと料理のマリアージュ」、こんなフレーズを聞いた事が
あると思います。ワインと料理の関係も人間同士の関係と同じ様
にお互いの相性、お互いの類似性、お互いの共通性に影響を受け、
その上に成り立っています。
似た者同士と言われますが、ワインと料理の関係に於てはそれが
最も基本となり、このワインにはこんな料理、この料理にはこの
ワインとなるには、お互いにどれほど多くの共通項があるのかが
ポイントになります。



Gewurztraminer/ゲヴュルツトラミネルと言うブドウをご存知
ですか?この品種で造ったワインを1度でも口にしたなら、その
感覚を絶対に忘れない位、インパクトのあるユニークな香味を
しています。因みにそれは白ワインです。
では、そのワインはどれほどユニークなのか?ライチの香りが
あります。白いバラの香りがあります。トロピカルフルーツの
香りがあります。ホワイトペッパーのヒントがあります。




そして今は9月中旬。間もなくやって来る華やかで妖艶な香り
を放つキンモクセイ(金木犀)の開花期。このキンモクセイの
花の香りがゲヴュルツトラミネルのワインにある一構成要素で、
このワインがユニークと言われる最たる所以です。
ワインはブドウで造ると決まっているのにその他の果実の香り
や花の香り、香辛料を思わせる香りがあるなんて不思議です。
一つのワインが持っている香りの要素は1,000とも2,000とも
言われていて、それらの中の複数の香りの要素が化合し、ある
一つの物質を連想させる香りが創り上げられています。その為、
ブドウが原料であるにも関わらず、ライチの香り、白いバラの
香り、トロピカルフルーツの香り、ホワイトペッパーのヒント、
そしてキンモクセイの香りを感じ、それらがそのワインの個性
となるのです。
ゲヴュルツトラミネルのワインは個性的すぎる故、少々扱いに
労力を要しますが、その個性をシッカリと理解し、扱い方さえ
マスターしてしまえば、これ程までに訴えかけて来てくれる、
語りかけて来てくれるワインは滅多にありません。この機会に
是非、ゲヴュルツトラミネルのワインを熟知して下さい。
・とてもアロマが豊かです。このアロマの美しさを楽しむ為、
ワインが常に十分に冷えている状態でお楽しみ頂く事をお勧め
します。アロマは温度が低い時、その持ち味を発揮します。
・食事と共に楽しむ際は、料理にもワインが持つトロピカルな
要素、甘いニュアンスの華やかな要素があると、ワインと料理
の風味の融合が起こり、マリアージュが創造されます。
・果実味がリッチなワインです。甘いニュアンスを強調したい
のなら高めの温度(11~14度。冷蔵庫から出すと瓶に水滴が
付きます。これが垂れ始める頃が目安です。)で、シャープさ、
爽やかさを強調し、甘いニュアンスを抑えたいなら低めの温度
(7度。常に冷蔵庫内で冷やしておくのが目安。)が理想です。
今、当店で販売しているゲヴュルツトラミネルの白ワインの中
で、最もその個性を感じやすく、最も料理と合わせ易く、更に
超コスト・パフォーマンスに優れている1本がこちらです。
*Jidvei 2018 Grigorescu Series Gewurztraminer
ジドヴェイ2018
グリゴレスク・シリーズ、ゲヴュルツトラミネル

飲み頃温度:11~14度 or 7度。
<軽く、まろやかな、やや辛口>
1,600円



「パインの入った酢豚」、「甘酢あんをかけた鶏の唐揚げ」が
がこのワインには好適ですが、もっとお勧めしたいのは.....
「パインとハムをトッピングしたピッツァ」です。両者が持つ
トロピカルさが引き立ちます。パインとハム(甘味と塩味)の
関係の良さと同様の良さが、ハムとワインのリッチな果実味の
相乗で生まれます。
超個性的で印象深いゲヴュルツトラミネルの白ワイン。きっと
あなたの心をわしづかみにするはずです。このワインを飲んで、
このマリアージュを経験して、ゲヴュルツトラミネルを知った
なら、あなたはもうゲヴュルツトラミネルのワインと一生歩み
続ける事ができるでしょう。