2020年6月17日水曜日

いつかまたpart1

滅多に誰ともすれ違わない。風の音や鳥の鳴き声しか聞こえない。
もし、ここで倒れてしまったら、心臓が動いている内に発見され
ないだろうな。と思ってしまう。ワインを造る為のブドウ畑は、
そんな環境の中にあります。もちろん全てがそうとは限りません
が。
大都会に住んでいる訳ではありませんが、店の前を通る車の騒音
にさらされる毎日。それが今は昼間でさえ、騒音と感じるほどの
音は聞こえなく、ブドウ畑のすぐ近くにまで来ているかの様です。
最後にブドウ畑を訪れたのは去年の12月。今は6月。もう6か月も
経ちました。6か月もの間、ブドウ畑を訪れていない時間が経った
なんて、ワイン産地をしばしば訪問する様になった2000年以降、
初めてです。
でも、恋しくないんです。あの静寂さの中の美しい景色が。騒音
から逃れたい衝動が起こらないのです。完全に自粛、巣籠モード
です。3密にならないから、積極的に行くべきなのに。
Stay at home.していた身体は、急に動かすとケガをし易い。急
にブドウ畑を訪問すると事故を起こし易い。ならば来るべき日に
備え、ワイン産地を、ブドウ畑を訪問した気になってみるか。と
言う事で、ヴァーチャル・ツアーをしてみたいと思います。
旅の目的地は北イタリア、ヴェネト州のSoave/ソアーヴェ村です。
ソアーヴェ村を中心としたエリアでソアーヴェと言う白ワインが
造られています。このワインは最も有名なイタリアワインの一つ
です。
ソアーヴェと言うと、かつては水替わりに飲める(水の様な酒質)
白ワインの代表格でした。平地にブドウ樹が植えられ、多収穫の
ブドウから大量生産された結果です。
高品質のワインを造る為には、肥えていない地にブドウ樹を植え、
収穫量を制限し、高品質のブドウの実を収穫する必要があります。
それをしさえすれば、高品質のワインができたも同然。ワインは
畑で造られると言われるくらいですから。
高い志を持つ生産者は、そんな水っぽいソアーヴェと決別する為、
険しい斜面で植樹数を制限し、厳しい選果により低収量を実現、
その実で味わいの充実した全く別物のソアーヴェを造り出します。
その様なソアーヴェに姿を変えるブドウがどんな所で栽培されて
いるのか。そこへ旅してみましょう。
でも、その前に。ブドウ畑を訪れるとこの様な光景をほぼ間違い
なく目にします。ブドウ樹が植わっている列の一番外側に。これ
にはどんな意味があるのでしょうか?バラが植えてある理由です。
お考え下さい。5択です。
①わざわざ畑まで来てくれた人への歓迎の気持ちを表す為。
②la vie en rose./バラ色の人生と言われる様に、皆の人生が幸福
や希望に満ちている様を願って。
③畑の光景に鮮やかな色どりを添える為。
④ブドウ樹よりも先にバラは病害虫による被害が出るので、その
症状を見て、ブドウ樹への予防、対応をする為。
⑤畑の所有者、畑の管理者がバラが好きだから。
どうですか?正解は画像の下に。


正解は④。バラの樹や花はブドウの樹、花、実よりも先に病害虫
に攻撃され、被害が発生するそうです。その為、ブドウに被害が
及ばない。あるいは及ぶ前に様々な策を取る事ができる。バラが
畑を囲む事で、ボディガードの様な役割を果たしている訳です。
ブドウ畑に行くチャンスがあったなら、バラの樹を見つけてみて
下さい。絶対ではないですが、きっとあるはずです。
次回はソアーヴェのぶどう畑を散策してみましょう。




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