2020年2月4日火曜日

スペインと日本、そのスペシャリティーの融合

スペインにも日本にも、その国オリジナルの他国に誇れるスペシャリティー
があります。今日は両国のスペシャリティーの中から特にその国らしいもの
を選び出し、それらの素晴らしいマリアージュを完成させたいと思います。
スペインのスペシャリティーと言えば、唯一無二のワインである「Vino do
Jerez(Sherry)/ヴィノ・ド・ヘレス(シェリー)」を挙げない訳には行き
ません。
ヴィノ・ド・ヘレス(シェリー)と言うワインの始まりは紀元前1100年と
され、フェニキア人によりブドウ栽培とワイン造りがもたらされた事に因り
ます。
ヴィノ・ド・ヘレスは造りの途中でグレープ・スピリッツを添加し、発酵を
止め、保存性を高めた酒精強化ワインで、白ワインですが、熟成方法、熟成
期間により茶色や黒色をしたタイプもあります。
ここ日本ではシェリー酒と呼ばれていた事が多く、そのまま飲むより、調理
に使ったり、カクテルの材料として使用される傾向、習慣が一般的でした。
しかし、近年、スペイン・バルの普及でヴィノ・ド・ヘレス(シェリー)は
飲むものとの認識が一般的となり、その多様性から様々なシーンで活躍して
いるのを見かける様になりました。
多様なタイプのあるヴィノ・ド・ヘレス(シェリー)ですが、その中で最も
軽やかで、爽やか、そして普通の白ワインに一番近いタイプのManzanilla/
マンサニージャの風味に合わせ、日本のスペシャリティーの一つであるあれ
をマリアージュさせてしまいましょう。
ヴィノ・ド・ヘレス(シェリー)の故郷はスペイン南部のアンダルシア地方
です。真っ青な空、目映い陽光が燦燦と降り注ぎ、エキゾチックな雰囲気が
漂う、実に魅力的な所です。
大西洋に面した街、Sanlucar de Barrameda/サンルーカル・デ・バラメダ、
入り江の様な湾に面した街、El Puerto de Santa Maria/エル・プエルト・
デ・サンタ・マリアと内陸にある街、Jerez de la Frontera/ヘレス・デ・ラ
・フロンテラを結ぶ三角形のエリアが産地の中心です。



ヴィノ・ド・ヘレス(シェリー)の一番軽快なタイプはFino/フィノになり、
3つの街でそれぞれ造られていますが、大西洋からの影響が最も及び、それ
により独特の個性を持つサンルーカル・デ・バラメダのフィノだけは特別に
マンサニージャと呼ばれ、フィノとは別のタイプとしてカテゴライズされて
います。
マンサニージャには塩味を感じる味わいがあると言われます。海からの潮風
をブドウ樹が呼吸で内部に取り込み、それが樹から実へと伝わり、その実で
造るワインには塩味が感じられると言う訳です。
ユーカリの樹がたくさんあるオーストラリアのカベルネ・ソーヴィニョンの
赤ワインにはユーカリの香りを感じ、ガリーグ(低灌木)が樹勢する地中海
沿岸エリアのワインにはガリーグの香り(ドライ・ハーブの香り)を感じ、
また、エシュテヴァと言う樹が樹勢するポルトガルのドウロ地方の赤ワイン
にはエシュテヴァの香り(メントールや深い緑色の葉の香り)がすると言う
具合です。樹が取り込んだヒントがそのままワインへと移行し、そのヒント
をワインに感じるのです。
マンサニージャに関しては塩味を感じるのは当たり前ですが、その他に海鮮
の料理のヒントを感じます。具体的にはちゃんぽんから立ち上る湯気の香り、
貝類を焼いた時に立ち上る磯をイメージできる香りがあります。ですから、
マンサニージャを楽しむ時に何かを合わせるのであれば、海鮮や磯の香りを
持つ食べ物を用意すればOKなのです。
さて、マンサニージャに合わせる日本のスペシャリティーとは何でしょか?
世界に誇るそのスペシャリティーの始まりは1971年です。そして、それは
1988年に大きな転換期を迎えました。今では日本のみならず世界中でそれ
を見る事ができます。
答えは、カップ麺です。カップヌードルで始まり、スーパーカップで転換期
を迎えたカップ・ラーメン。有名人気店の味わいを楽しめる商品があったり
し、365日毎日食べても良いくらい味わいも素晴らしくなっています。


カップ麺は滅多に食べないのですが、日本人のソウル・フードなのでしょう
か。目に入ってしまい、衝動を抑えられず、思わず買ってしまったAFURIの
柚子塩ラーメン。これを食べながら恋しくなったのは他でもないシェリーの
マンサニージャ。ラーメンの塩味がマンサニージャの塩味を欲しがっている。
そして、イカ、タコ、ホタテなど海鮮の風味もラーメンにあったなら、と。
お互いの香りがリンクしますから、海鮮塩ラーメンとマンサニージャは確実
にマリアージュします。カップ麺を食べながら、シェリーを味わう。これは
もう達人技です。恐らく当店以外ではそんな試みをする人はいないでしょう
し、そんな事をする当店をアホだと思っている人もいるでしょう。
ワインは酒精強化ワインも含め、多種多様です。このヴァリエーションこそ
あらゆるマリアージュを可能にします。限界、不可能はありません。ワイン
と料理のマリアージュ。当店は既成概念をぶっ壊す、誰も思いつかない、誰
もやらないマリアージュの楽しさを皆様に伝えて行きます。


「ちゃんぽん、海鮮塩味のカップ麺にはこのワイン!!」
*La Gitana Manzanilla/ラ・ヒターナ、マンサニージャ375ml
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口> 1,400円
スペインの伝統と日本の伝統との融合、その素晴らしいハーモニーを是非、
ご堪能下さい。そのマリアージュには本当に感動すると思います。