ボージョレ・ヌーヴォーは発売された年内に飲まなくてはいけない。
白ワインは数年しか向上する熟成をしない。ワインは栓を開けたら
その日の内に飲み切らないといけない。そんな訳の分からない事を
今だに言っているワイン業界の人やワイン本が存在しています。
とても不思議で理解に苦しむ事です。その様な事を世の中に発して
いる人は実際に確かめたのでしょうか?そうは思えません。やりも
しないで思い込みで、あるいはどこからかの借用知識で誤った情報
を発しているとしか思えません。
当店が発する情報は全て事実に基づいている事をここに宣言します。
テイスティングした事のないワインは1度も売った事がありません。
だからワインの香りや味わいを正確に伝える事が出来ますし、飲み
頃温度、相性の良い料理、抜栓してからワインがどの様に変化する
のか、抜栓後どのくらいの期間で飲み切るのがベストなのかを確実
に話す事が出来ます。
更に行った事のないワイン産地のワインは売った事がなく、当店が
販売しているワインのほぼ100%近くは訪問し、見聞した事のある
ワイナリーが造ったワインです。
しかし、これだけの事をしても伝える事が不可能な事もあります。
それはワインの真実はボトルの中にある。ボトルの中の真実を知る
事が出来るのは栓を開けた人だけであるからです。
ワインの瓶もワインの栓(コルク、スクリューキャップ等)もこの
世に2つと全く同じものがありません。別々のボトルに入れられた
時からそのワイン達は別々の道を歩み始めます。一卵性双生児でも
別々の人格である様に。
先日の月例のワイン会で1999ヴィンテージの2つの赤ワインを仲間
と楽しみました。片方はGamay/ガメイ品種の赤ワイン、もう片方
はSyrah/シラー品種の赤ワインです。
ガメイのワインは熟成のピークである様に感じ、シラーのワインは
今後の向上の可能性を大いに残していました。世間に流布している
誤情報を鵜呑みにしたなら、どちらの赤ワインもとっくに飲み頃を
過ぎ、もっと早い時期に飲むべきワインであったはずです。
勿論、実際に楽しんだそれら2つのワインのコンディションが特に
良好であったのかもしれません。他のボトルだったら異なる香味を
呈していたかもしれません。ただ、一つ言える事はパーフェクトな
環境に置かれていたなら、ワインは思っているより長く生き続ける
と。これはワイン業界人としての30年強の経験に基づいています。
来月5日の月例のワイン会「第266回ワインと料理のマリアージュを
楽しむ会」ではRomorantin/ロモランタンと言う希少品種で造った
1999ヴィンテージの白ワインも楽しむ予定です。
このロモランタン品種から誕生する白ワインは若い内は鋭角に主張
する豊かな酸味があり、とても厳しい口当たりをしています。この
豊かな酸味は長期熟成を保証し、長い時間をかけて和み、優しさ、
品位を身に着けて行きます。5年ほど前に味わった時にはまだまだ
暴れた香味で、更なる時の経過が必要な状態でした。来月の抜栓の
時にはどの様な真実を私達に示してくれるのでしょうか?
興味のある方がいらっしゃいましたら、先着2名まで参加が可能と
なっています。会費は全て込みで6,000円で、ロモランタンの他に
複数のワインをお楽しみ頂きます。
開催日:2月5日(水)
会場:太田市浜町にある屯(かおす)
開始時刻:20時
です。参加を希望する方はお早めにお知らせ下さい。ボトルの中
の真実を一緒に確かめましょう。