フランスのボルドー地方の伝統的なブドウでもあるPetit Verdot/
プティ・ヴェルド。晩熟で育て難い為、栽培を断念するブドウ農家
が続出。一時は絶滅かとさえ言われていましたが、近年、高品質で
個性豊かなワインを誕生させるブドウとして見直され、栽培が復活
しつつあります。
プティ・ヴェルドはシッカリ完熟した時、凝縮したタンニンの強い、
格別にスパイシーで、濃い色合いを帯びたワインとなります。但し、
天候に恵まれた優良年に限られるのですが。
天候に恵まれた優良年とはどんな年なのでしょうか。開花前までは
十分な降水量があり、開花後は降水量が少なく、ブドウの生育期は
気温が高い晴天の日が続き、収穫期には日夜の気温差があり、乾燥
した晴天の日が続く。この様な感じです。
日本の春から秋を思い浮かべて下さい。梅雨があり、台風の来襲が
しばしばあり、秋雨前線が停滞し晴れ間が少ない。これでは天候に
恵まれた優良年とは決して言えません。つまり、この日本でプティ
・ヴェルドを完熟させる事は容易ではない訳です。違う言い方なら
プティ・ヴェルドでワイン造りをする事はこの日本では奇跡がない
限り不可能に近いと言えるのではないでしょうか。
しかし、ワインの神の庇護の下、不可能を可能に変えてしまう強運
の人、日本ワイン最高の造り手である曽我彰彦さんは品種の個性を
明確に感じるプティ・ヴェルドのワインを造り上げました。ワイン
のヴィンテージは2017年。9月中旬の台風による強風の為、農作物
に大きな被害が出た年です。やはりこの男は持っているのでしょう
か。
色は濃く、全体に黒みを感じ、ワインの縁(エッジ)には鮮やかな
紫色を感じます。グラスの内側を伝うワインのしずくの落下は遅く
アルコールのヴォリュームが豊かな事を想像させます。
黒みの強い果実(ブラックベリーやアメリカンチェリー)、紫色の
花を思わせる華やかな香りが豊かにグラスの中から立ち上がります。
酸味、ミネラリーさは十分でタンニンの広がりが明確、ドッシリと
した中にも滑らかさとしなやかさが備わっています。
余韻は長く、スパイシーさと鉄分ぽさある重厚さが落ち着きを持ち
広がり残ります。
ここでプティ・ヴェルドのワインの特徴を思い出してみて下さい。
既に言及した様に、「凝縮したタンニンの強い、格別にスパイシー
で、濃い色合いを帯びたワイン。」とあります。曽我さんが全霊を
傾け造り上げた2017年のプティ・ヴェルドの赤ワインは真にそれ
です。プティ・ヴェルドの赤ワインとは。その真実が知りたいなら
このワインを飲むべきでは。是非、自分の五感でチェックしてみて
下さい。
上の画像の右のワインがプティ・ヴェルドです。グラスの中から
曽我さんの思いが伝わってきます。
相性の良い料理:脂肪分の多い、コッテリとしたコクのある料理。
チーズなら、ブリー。
飲み頃温度:19度。
<まろやかなミディアム~フルボディー>
左のMerlot/メルロの赤ワインも在庫があります。
相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。チーズなら、
パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度:15~18度。
<まろやかなミディアムボディー>