10月3日21:40発の成田ーイスタンブール運行のターキッシュ
・エアラインズで約13時間の空の旅をし、イスタンブール空港
で約2時間のトランジット、その後イスタンブールーブカレスト
運行のターキッシュ・エアラインズで約2時間の空の旅を再びし
40時間以上も不眠の状態で最初に訪問したのがルーマニア国内
屈指のワイン銘醸地Dealu Mare/デアル・マーレにあり、同国
最高峰に位置付けられるワイナリーの一つであるBudureasca/
ブドゥレアスカです。
このワイナリーのワインは既に日本にやって来ていて店で販売
しているものの、現地訪問は今回が初めて(ブドゥレアスカの
ワインメーカーのStephen/ステファンさんとは以前から面識が
あるのですが)で、ここへの訪問を心待ちにしていました。
心待ちにしていた訪問ですから、眠気を催す事など一切なく、
むしろテンションはマックス(もちろんハイな方へ)。ひとつ
残らず見聞し、感じ取ってやろうと意気込んでワイナリーへと
乗り込みました。
ブカレストから北上する事、約1時間。遂にブドゥレアスカに
到着です。彼らのワインの品位ある美しさがどこから来ている
のかをこの入口からの眺めで既に感じ取れます。
最近、特に感じる事なのですが、人間もワインもどちらもその
背景にあるものが人柄や香味となってその人、そのものに必ず
反映されていると言う事。清潔さに欠けるワイナリーのワイン
には香味に複雑さを感じるものの、洗練された美しさがなく、
味わい尽くしてあげるのに過度のエネルギーが必要となったり
すると言った具合に。
上の画像はブドゥレアスカのヘッドオフィスの2階から彼らの
ワインを生み出すブドウ畑を望む画像です。中央の黒い車が
今回、私達が移動に使ったもので、フロントとサイドに丸い
ステッカーが貼ってあるのですが、今回のイヴェントの公式
のロゴマークになり、イヴェント関係者が使う車のほぼ全て
に張り付けてありました。
上の画像をご覧下さい。この清潔感は彼らのワインの美しさ
の源です。ワインの発酵は思い描いた酒質により小樽、大樽、
小型のステンレスタンク、大型のステンレスタンクを使い分け
行っています。
上の画像は最近、挑戦し始めた本格的製法のスパークリング
ワインです。発泡していないワインを瓶に詰め、そこに酵母
と糖分を加え、瓶内で炭酸ガスを捕捉する為の発酵を行い、
その後、EUのワイン法ですと6か月の瓶内熟成(通常はそれ
よりも遥かに長い期間)を進めつつ、炭酸ガスを捕捉する為
に発酵に使われた酵母の残骸を瓶口に集めるのですが、それ
を行っている様子が上の画像です。
瓶口が下向きになる様、ピュピトルと言う木の台にセットし、
一定期間毎に瓶を回転させ、酵母の残骸(澱)を瓶口に集め
て行きます。瓶口に集まった澱を取り除き、スパークリング
ワインは商品として完成します。
こちらはワインの熟成庫です。帯状に赤く染まった木樽には
赤が、赤く染まっていない木樽には白ワインが入っています。
壁際のラックには木樽熟成を終え、更に香味を洗練させる為
の瓶詰めワインが積まれています。
ブドゥレアスカの場合、現在の商品の最新ヴィンテージが白
なら2016、赤なら2015なので、ブドウから上の画像の様な
洗練する為の瓶詰めの状態になるのに白なら約1年、赤なら
約2年費やす事になります。
こちらが新たな挑戦のスパークリングワインです。2014年に
収穫されたブドウで造られたワインです。今は2017年の収穫
が終わった直後ですので、スパークリングワインが商品として
完成するのに3年程かかっている事になり、発泡していない白
ワインや赤ワインよりも費やす時間(結果コストも)がかかる
事が判ります。スパークリングワインを誰もが製造しない訳は
そこにあり、贅沢な資金と貯蔵スペースを持っている事が絶対
条件なのです。
今回の訪問までブドゥレアスカでスパークリングワインを造って
と全く知りませんでした。ワインメーカーのステファンは新たな
挑戦なので、この事を知っている人は少ないだろうと言っていま
した。
今回の訪問でこのスパークリングワインのテイスティングは実現
しませんでしたが、他の彼らのワインからその酒質を想像するの
なら間違いなく素晴らしい香味に仕上がっている事でしょう。
ブドゥレアスカへ訪問が実現した今、次なる目標は彼らの新たな
挑戦のスパークリングワインをテイスティングする事。そして、
近い将来、この日本で販売できる日が来る事を願っています。
彼らのワインの素晴らしさを裏付ける勲章が上の画像です。賞
を取る事が何の証明になるのだ。そう言う人が時々いますが、
賞を取れないより、取れる方が良いに決まっています。第三者
の厳粛な判断が下されているのですから。
ブドゥレアスカのワインは白が2,500円、赤は1,800円が2種類
と2,500円が1種類(いずれも消費税別)で販売中です。是非、
味わってみて下さい。「美」と言う形容が相応しい逸品です。