2017年9月10日日曜日

ワインをフルーツに見立てて

数年前に偶然、気付き、それ以来、時々している事があります。
それはブルーベリーとロースハムを同時に口にし、その味わい
のハーモニーを楽しむと言うもの。そんな事をする自分は味覚
がおかしいのではないかと疑い、検索してみた所、ロースハム
のソテーにブルーベリーソースをかけて食すととても美味だと
主張する記事に出会いました。少なくとも自分だけが感じる変
なペアリングではないと断言できるでしょう。生ハムにメロン、
生ハムにイチジクだって、初めて推奨した人は同じ様な気持ち
に陥っていたかもしれません。


ワインのつまみの定番の一つに生ハム、サラミ、ソーセージなど
の盛り合わせがあります。下の画像の様な盛り合わせだったなら
あなたはどんなワインを合わせ楽しみますか?


ワインの選択肢は複数あるでしょうが、ここでお勧めしたいのは
ワインをフルーツに見立てて、ロースハムとブルーベリーの組み
合わせを応用させる方法です。


ベリー系果実を大まかに見てみますと、赤みの強い果実から濃い
紫色、黒っぽい果実まであります。赤い色の果実は酸味が強めで
比較的爽やかな風味をしています。紫や黒の果実は風味がリッチ
で赤い色の果実よりも華やかさと深みを感じます。ブルーベリー
は後者の果実です。
ロースハムの塩味とブルーベリーのリッチな果実風味(甘味)を
バッティングさせる事で本来ならば反発が生じるお互いの要素を
上手く弱め合い、結果、調和を生み出す。不釣り合いを思われる
組み合わせは、実は高度な技だったのです。
生ハムと果実の組み合わせ、これを初めてやった人。それを世に
広めた人。柔軟性と物凄い応用力のある人だったのです。それが
一人の偉業なのか、多くの人の知恵の結晶なのか判りませんが、
ミスマッチでありながら、素晴らしいマリアージュを楽しめる事
に感謝致します。
肉の加工品の場合、ベリー系果実を合わせ楽しむのであれば、赤
い色のラズベリーなどより、紫色のブルーベリーなどの方が色々
なチャレンジの結果、断然マリアージュさせ易い様です。
それではワインをフルーツに見立てて、生ハムなどに合わせるの
ですが、ブルーベリーの代わりになるワインはあるのでしょうか。
ワインには様々な果実の香りを感じる事を皆様はご存知でしょう。
白桃の香りがあるワイン、グレープフルーツの香りがあるワイン、
ライチの香りがあるワイン、パインの香りがあるワイン。この様
なワインは間違いなく白ワインです。
サクランボの香りがあるワイン、アセロラの香りがあるワイン、
プラムの香りがあるワイン、ブルーベリーの香りがあるワイン。
この様なワインは多くの場合、赤ワインで時にロゼワインの事も
あるでしょう。
ここで気づいた方がいらっしゃるかもしれませんが、白ワインに
赤や紫色の果実の香りはなく、赤ワインに白や黄色の果実の香り
はない事を。同系の色同士は共に同系の風味を備えている。この
事実が料理の色とワインの色を合わせれば違和感のある組み合せ
が生まれないとする理由なのです。
ブログ内で魚料理に白ワイン、肉料理に赤ワインなのではなく、
お互いが同じ要素を持つ組み合せにする。食材は関係なく味付け
がワインと料理のマリアージュを決定すると言っているのはその
為なのです。
少し脱線しましたが、ブルーベリーの香りがある赤ワインはどの
様なワインでしょうか。ブルーベリーの様な濃い紫色をした外観
を持つワインであるともう想像できるでしょう。
その様な外観を持つ赤ワインを誕生させるブドウはSyrah/シラー、
Dolcetto/ドルチェット、Primitivo/プリミティーヴォ、Zinfandel
/ジンファンデル、Dornfelder/ドルンフェルダー、そしてMalbec/
マルベック等があり、ブルーベリーで造ったかの様なと言っても
過言でない事がしばしばです。


上の画像がマルベックで造った赤ワインの典型ですが、鮮やかな
紫色の色調はブルーベリーのジュースの外観そのものです。この
様な外観のマルベックの赤ワインをブルーベリーに見立て、肉の
加工品に合わせ楽しむ事もできる訳です。
極めつけはロースハム&ブルーベリーをつまみにブルーベリーの
香りがあるリッチな赤ワインを飲む。これは本当に最高の、至福
のマリアージュです。
何事も先ずはやってみる。新しい発見、未知の始まりは全てそこ
からです。