2017年6月2日金曜日

ワインが届き始めています。

5月に1週間に渡り滞在したBeaujolais/ボージョレ地方。現地で
複数のDomaine/ドメーヌ(ブドウ畑を所有し、そこで育まれた
ブドウでワインを造る生産者)を訪問し、机上の学習では知る事
の出来ない様々な真実を見聞して来ました。実際に訪問して来た
ドメーヌが造り出したワイン達が輸入元から届き始めています。
これから訪問記と共にそれらのワイン達を紹介して行きますが、
その前にボージョレの予備知識を。


ボージョレと言うと日本ではBeaujolais Nouveau/ボージョレ・
ヌーヴォーのイメージが強く、赤ワインしかないと思われがちと
推測しています。ボージョレ・ヌーヴォーの消費量世界一は日本
ですから、そのイメージが定着していても不思議ではありません
が...。
しかし、ボージョレには白ワインも、ロゼワインもありますし、
ヌーヴォーは赤ワインだけでなく、ロゼワインもあります。また
ボージョレと言っても様々な酒質のワインがあり、一言で語る事
が出来ません。



ボージョレ地方にはフランスのワイン法で3つのクラスのワインを
造る事が認められています。その3つはワイン法で上位に位置する
ワインから順に以下の様になります。
*Crus des Beaujolais/クリュ・デ・ボージョレ
ボージョレ地方北部の限定されたエリア(上の画像中の紫色の部分)
が原産地で、赤ワインのみが認められています。地勢、土壌、気候
など自然条件を反映した10の異なる名称のワインがあります。
*Beaujolais Villages/ボージョレ・ヴィラージュ
北部の38の村をカヴァーするエリア(画像中のピンク色の部分)が
原産地で、白ワイン、ロゼワイン、赤ワインが認められています。
ヌーヴォーがありますがロゼワインと赤ワインのみです。
*Beaujolais/ボージョレ
南部のエリアとボージョレ・ヴィラージュの外側のエリア(画像中
の黄土色の部分)が原産地で、白ワイン、ロゼワイン、赤ワインが
認められています。ヌーヴォーがありますがロゼワインと赤ワイン
のみです。また、アルコール度数が規定よりも0.5%高い赤ワイン
はBeaujolais Superieur/ボージョレ・シューペリュールと言う別
の呼称も名乗れます。
ボージョレ地方のワインが赤とのイメージが強いのは、この地から
誕生するワインの約3%しか白ワインとロゼワインがないからでも
あるでしょう。


上の画像はボージョレ地方で最も有名な場所のひとつです。丘の上
に立つこの風車はクリュ・デ・ボージョレのひとつMoulin a Vent/
ムーラナヴァンの呼称名の由来になっています。ムーラナヴァンは
10あるクリュ・デ・ボージョレの中で最も偉大な赤ワインになると
言われていて長期熟成によりその酒質を大きく向上させます。