ワインがあります。2種類がPinot Noir/ピノ・ノワで、1種類が
Gamay/ガメイで造られています。
上の画像がその3種類のロゼワインです。2：1に分けるとすると
外観の類似で判断すれば両側の2種類と真ん中の1種類と言う区別
になります。2種類がピノ・ノワで造られていますので比較的色の
うすい両側のロゼがそれと言う事になります。果たしてその通り
なのでしょうか？
ロゼワインを造る事の出来るブドウは果皮の色が濃い紫色をし、
大別すると黒ブドウと呼ばれています。その他に白ブドウとグリ
ブドウがあり、それらをどの様に使うかで白、ロゼ、赤ワインを
造り分けています。
私達に馴染みの深い巨峰を思い浮かべて下さい。果皮の色が紫色
ですから黒ブドウに大別されます。多くの方が巨峰を食べる時に
皮を剥いて中だけを食べると思いますが、実の色は何色でしょう
か。白っぽい色で果汁もその通りです。自分の指を見て下さい。
紫色、黒っぽい色に染まっていませんか？指をそんな色に染めた
色素がロゼワインや赤ワインの色なのです。
黒ブドウでロゼワインや赤ワインを造る時、先ずブドウを破砕し
実から果汁を絞り出します。ご承知の様にこの果汁は白ワインの
様な外観の色調をしています。この果汁に黒ブドウの果皮を浸漬
し、果汁をロゼ色や赤色にしつつ、果汁に含有されている糖分を
酵母で発酵させて果汁にアルコールを備えさせ（つまりワインに
し）ます。
上の画像でピンク色ぽい部分から赤色ぽい部分を含む三角形の中
に下に行くに従い長くなる白い矢印があります。この矢印が果皮
を果汁に浸漬（Maceration/マセラシオン）している長さで長く
なる程、色合いが濃くなる事を示しています。
3種類のロゼはピノ・ノワかガメイのどちらかで造られました。
Cabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョン等の黒ブドウ
と比べるとこの2種類のブドウからは比較的軽い酒質（タンニン
/渋味が少なく、色合いの淡い）の赤ワインが出来ます。果皮に
含有されている色素の量が少なく、出来上がる赤ワインに類似
する香味を見つける事が出来ます。
3種類の内、両側の外観が似ているので、その2種類とは異なる
ブドウで真ん中が造られたのではと先ずは推測してみましたが、
ロゼワインの違いはマセラシオンの時間の長短による事も判り
ましたから、外観だけでの区別は出来ません。香り、味わいも
チェックし、総合的に判断するしかないでしょう。
紙カップに入った3種類のロゼワインは上の画像のワインを同じ
位置のカップに注ぎました。どのブドウから造られたのか結果
から明かしますと、左がガメイ、真ん中と右がピノ・ノワです。
ピノ・ノワ（正確にはクローンの違いや産地の違い、栽培方法の
違いがありますので、同じとは言えないのかもしれませんが）で
造ったにも関わらず、こんなにも異なる外観をしています。造る
過程の違いがこれ程の違いを生むのです。
香りや味わいに共通項がどの様にあるのでしょうか。ベリー果実
のコンポートの様な香りがあるガメイのロゼに対し、ピノ・ノワ
のロゼにはどちらにもチェリーやプラムの生果の香りあります。
味わいは果実味のリッチさと酸味が穏やかでラウンドさを感じる
ガメイのロゼに対し、ピノ・ノワのロゼのどちらにも酸味を基調
とした爽やかさ、涼しさを感じます。
テイスティングしたなら、ブドウ品種を当てる事が困難でも2つ
のグループに分ける事は比較的簡単に出来るかもしれません。
テイスティングと言うと白ワイン、赤ワインばかりでロゼワイン
をする機会がないでしょうが、時にはゲーム感覚でロゼワインの
テイスティイングをこの様にしてみると、とても興味深い経験と
なる筈です。
*Pierre Marie Chermette 2013 Les Griottes
ピエール・マリー・シェルメット2013レ・グリオット
🍇Gamay/ガメイ
相性の良い料理：脂肪分を含んだ旨味のある料理。チーズなら、
パルミジャーノ。チェダー。
飲み頃温度：15度。
＜コクのある、やや辛口＞
2,500円（消費税別）
*Ramusa 2015 Sicilia
ラムーザ2015シチリア
🍇Pinot Nero/ピノ・ネロ（＝Pinot Noir/ピノ・ノワ）
相性の良い料理：酸味の効いた軽い味付けの料理。チーズなら、
シェーヴルタイプ。
飲み頃温度：7度。
＜軽く、爽やかな、やや辛口＞
2,500円（消費税別）
*Lucien Crochet 2014 Sancerre
ルシアン・クロシェ2014サンセール
🍇Pinot Noir/ピノ・ノワ
相性の良い料理：酸味の効いた軽い味付けの料理。チーズなら、
シェーヴルタイプ。
飲み頃温度：7度。
＜軽く、爽やかな辛口＞
5,000円（消費税別）
