2016年12月2日金曜日

次はここだ@カリフォルニア州

アメリカ合衆国のワイン・ビジネスの中心はカリフォルニア州。中でも
Napa/ナパとSonoma/ソノマはアメリカ国内だけでなく、世界でも最も
重要で有名なワイン産地に名を連ねています。
しかし、カリフォルニア州はそこだけではありません。ナパとソノマの
北側にあるMendocino County/メンドシーノ・カウンティーはその2つ
の産地に決して劣らないポテンシャルを有する産地として認知度が
急上昇中です。
中でもAnderson Valley/アンダーソン・ヴァレー、Mendocino Ridge/
メンドシーノ・リッジは自然環境がもたらす冷涼さ故、Chardonnay/
シャルドネ、Riesling/リースリング、Gewurztraminer/ゲヴュルツ-
トラミネル、Pinot Noir/ピノ・ノワ等の品種から美しいフルーティー
さを備えた高品質のワインが誕生しています。




アンダーソン・ヴァレーは南北を山に囲まれ、その底辺を東から西
へNavarro River/ナヴァロ川が緩やかに流れています。この川の
河口エリアは開けた平野になっていて、沖合を流れる寒流の冷気
が河口から上流に向けて入り込んで来ます。これがこの地を冷涼
にしている最大の要因です。
アンダーソン・ヴァレーの南側の山がメンドシーノ・リッジで、こちら
は最高海抜が1,500mにもなる為、やはり冷涼な気候になります。
一方でアンダーソン・ヴァレーにかかる霧の上方に畑が位置する
事から、日射量に恵まれ、アンダーソン・ヴァレーのワインよりも
果実味のハッキリとした酒質になる傾向があります。




ナパ、ソノマ方面から北上し、アンダーソン・ヴァレーへ向け西方
へ128号線を進むと、アンダーソン・ヴァレーの看板が出迎えて
くれます。
この地には果樹園、牧草地、ブドウ畑が混在する風景が広がり
のどかです。ブドウ畑はヴァレーの北側の起伏が豊かな南向き
斜面に拓かれています。こんな風景がどこまでも続く産地です。




これが沖合からの冷気を内陸へと運んでくるナヴァロ川です。
水温と空気の温度差から午前中には視界不良な位、厚い霧
に包まれます。
霧に包まれた午前中の冷涼さ、霧が晴れた午後の温かさ、
日没後の急激な気温の低下による温度差がブドウに豊かな
果実味と酸味、糖度をもたらします。これがピュアな果実味を
持つワインへと変身する訳です。
次回はこの産地でワイン造りをする至高のワイナリーを紹介
致します。