下の画像をご覧下さい。2種類の白ワインを色がより良く判る様に紙の
カップに入れてあります。右のワインにはグリーンの色調を感じ、左の
ワインにはグリーンの色調を全く感じず、強いて言えばグレーぽい色調
を感じます。同じ白ワインなのにどうしてこの様な違いが現れるのでか。
その訳を今日のブログでは取り上げたいと思います。
ワインを造るブドウは大別すると3つあります。果皮の色が緑色や黄色
をした白ブドウ、果皮の色が紫色や黒っぽい色をした黒ブドウ、果皮の
色が茶色がかった薄いピンク色をしたグリブドウの3つです。
白ワイン、ロゼワイン、赤ワインはそれらのブドウをどの様に使うかで
決まります。先ず、思い浮かべて頂きたいのは、私達の食卓に上る事
が多い巨峰です。果皮の色が濃い紫色をしていますから黒ブドウです。
食べる時に皮を剥くと思いますが、果肉は紫色ではありません。また、
果肉から出る果汁は白ワインの様な色です。巨峰を食べ進めると指が
黒っぽい紫色に染まります。これがポイントです。
🍇→破砕→果皮&果肉&果汁(これらが混然一体となっていて、この
状態がマセラシオンと言う過程です。このマセラシオンの間に果皮の
色素が果汁に染み出し、時間の経過と共に果汁は白→ピンク(ロゼ)
→赤へと変化します。)→圧搾→果汁→発酵→ワイン
⤵
果皮&果肉
ワイン造りの簡潔な流れは上の様になります。この様に果皮の色素を
果汁に移すのか、それとも移さないのか。移すとしてもその程度をどこ
に定めるのか。
それにより黒ブドウから白ワイン、ロゼワイン、赤ワインを、グリブドウ
から白ワイン、ロゼワインを造り分けます。果皮にロゼや赤い色を生み
出す色素を持たない白ブドウからは白ワインのみが造られます。
以上の事から既にお判りでしょうが、白ワインはどんなブドウからでも
造れる訳です。
黒ブドウから出来る白ワイン、グリブドウから出来る白ワイン、白ブドウ
から出来る白ワイン。全て白ワインです。しかし、紙のカップに入った
2種類の白ワインをご覧頂いて判る様に、白ワインと言っても様々な色
をした白ワインがあるのです。
それぞれのブドウから出来る白ワインの大まかな色調は、黒ブドウ⇒
ベージュの色調を感じる白ワイン、時にオレンジ色の外観をしている事
もあり。グリブドウ⇒グレーの色調を感じる白ワイン。白ブドウ⇒黄色で
グリーンの色調を感じる場合もあり。この様な感じになります。
この様なヒントを元に考えますと、紙のカップに入った白ワインは右が
白ブドウから、左がグリブドウから造られた可能性が高そうです。実際
右のワインはMelon/ムロンと言う白ブドウで造られたMuscadet Sevre
et Maine/ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌで、軽やかで爽快な香味を
しています。また、左のワインは甲州と言う日本のオリジナルのワイン
醸造用のブドウで、その甲州は下の様なブドウです。
かごの中に2種類のブドウが入っている様に見えますが、全て甲州です。
甲州はややグレーがかった薄いピンク色の果皮をしたブドウです。一部
に陽光が当たり、その外観を明確に見る事ができます。
この様に甲州はグリブドウです。実を破砕、圧搾する際には果皮の色素
が果汁に染み出ない様、優しく丁寧に行いますが、それでも僅かな色素
が染み出し、果汁へ移行してしまいます。それが出来上がったワインに
グレーの色調を感じさせる訳です。
そのグレーの色調は渋味成分で、ワインにコク、味わいの太さをもたらし
ます。甲州の白ワインもミュスカデの白ワインも軽快な酒質をしていて、
ブラインド・テイスティングをしますと非常に似ています。甲州をミュスカデ
ミュスカデと甲州と勘違いする程です。かすかなグレーの色調を感じ取る
事が出来るか否か。味わいの要素に太い苦味のコクがある事を探し出す
事が出来るか否かがこの2種類の白ワインを判別するポイントです。
甲州の白ワインに含まれる苦味のコク。これは決して嫌味な要素ではなく、
私達の食卓に上る典型的な和風料理によって、心地良い要素へと導かれ
ワインと料理のマリアージュを創造する重要な存在となります。根菜類の
苦味、甲殻類の苦味、それらを淡い味付けで引き立てた料理とこの甲州
の白ワインを合わせてみて下さい。必ず、至福のマリアージュを創造して
くれる筈です。
淡い味わいの純和風料理を食す時には甲州の白ワインを。あなたの食卓
是非、実践してみて下さい。
*Terroir Selection 2015 Iwai Vineyard Koshu
テロワール・セレクション2015祝ヴィンヤード、甲州
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う淡白な
味わいの料理。
チーズなら、シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口>
2,500円(消費税別)
