2016年9月26日月曜日

ブレンドの妙

ワイン産業に従事する世界で唯一の首都とされるオーストリアのWien/
ウィーン。ここには近年、見事な復活を遂げたこの地ならではのユニーク
な白ワインがあります。




上の画像をご覧下さい。ブドウ畑の先の風景はウィーンの街並です。
イメージとしては東京を例にすれば、山手線の外へ出たら、そこには
小高い丘や山があり、緑豊かで、落ち着いた静かな世界が広がり、
そこにブドウ畑が拓かれている。この様な感じなのですが、日本では
絶対にあり得ないし、これからもそうなる事はないでしょう。
国外のワイン産地を訪ねると、大都市の中心地から車で30分も走る
と、そこで全くの別世界に遭遇する事が当たり前の様にしばしばあり
ます。サンフランシスコからでも、バルセロナからでも、ロンドンから
でも、ブカレストからでも、ブダペシュトからでも、ミラノからでも.、枚挙
に遑がありません。
日本ですと自然と出会う為、わざわざそこまで行くと言う感覚ですが、
大都会と自然が共存している世界中の多くの都市ではその様な感覚
を一切持つ事がありません。
さて、ウィーンのユニークな白ワインの話へ戻りましょう。その白ワイン
はGemischter Satz/ゲミシュター・サッツと言います。和訳しますと、
「混ぜ合わされた澱」と言う程の意味になります。




ブドウを含め、植物をひと区画で単一種栽培しますと様々なリスクに
犯される可能性が高まります。それを回避する為、ひと区画に複数
の植物、ブドウならば複数の品種を混植するのです。
上の画像がそのイメージです。果皮の色が緑色の白ブドウ、灰色の
色調を感じるグリブドウ、紫色の黒ブドウ。それらが一列の畝に混在
している事さえある程の混植です。
複数のブドウが混植され、ある一定のタイミングで混植ブドウを一斉
に収穫し、混醸して白ワインを造ります。混醸されたブドウがどの様
な香味を造り上げるのか。それは、1+1=2には収まらないブレンドの
妙とでも言うべき世界です。
この香りがあるから、味わいはこうに違いない。ワインを飲んだ経験
が豊富な方なら、自分なりの法則があるでしょう。経験があればある
程、確固たる法則が出来上がっている筈です。
そんな方々を悩ますのがこのゲミシュター・サッツなのです。経験で
得た法則が全く通用しないのですから。Riesling/リーズリングの香り
があるのにSauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブランの味がする。香り
からでは使っていないと思ったのに、Chardonnay/シャルドネの味が
する。こんな風に複雑極まりない、それがゲミシュター・サッツです。



ゲミシュター・サッツNo.1の造り手との評価を得ているWieninger/
ヴィーニンガーのワインがこちらです。ラヴェルにWiener Wein/
ヴィナー・ヴァイン(ウィーンのワイン)とシッカリ明記されています。
*Wieninger 2015 Wiener Gemischter Satz
 ヴィーニンガー2015ヴィナー、ゲミシュター・サッツ
相性の良い料理:わずかな脂肪分を含む素材、オリーヴオイルや
           バターを使用した料理。
           チーズなら、ゴーダ。
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口>
3,000円(消費税別)
・柚子塩で食す白身魚の天ぷらやフライ
・砂肝の塩焼き
等がこの白ワインと非常に素晴らしいハーモニーを奏でます。