2016年6月4日土曜日

ドイツの赤い優れもの

先日、参加したVinexpo Hong Kong/ヴィネクスポ香港で改めてその
素晴らしさを実感させられたのはドイツの赤ワインでした。日本では
今でも多くの方がドイツワイン=甘口の白とのイメージを強く抱いて
いますが、年々そのイメージは現実と大きくかけ離れて来ています。
19世紀の低温期に圧倒的に多くなった白ワイン用のブドウ栽培が
20世紀後半~21世紀初めに始まる気候変動により、赤ワインを造る
為のブドウ栽培へと移り変わって来ています。




1980年にはドイツで誕生するワインの11%しかなかった赤ワインですが、
2013年には全体の36%へと増加している様に。
その様な増加傾向が顕著となる前のドイツワインの実態(白ワインが
大多数で、甘口の比率が極めて高い)が未だに変わる事なく日本人の
脳裏に焼き付いている訳です。




しかし、そんな誤ったイメージを払拭する時がやって来ています。甘口
よりも辛口が主流。中でも赤ワインはドイツワインの輝かしく継続する
将来を約束してくれる存在として各方面から期待されています。
その期待を先頭に立ち、引き受けているのがSpatburgunder/シュペート
-ブルグンダー(Pinot Noir/ピノ・ノワのドイツ名)です。ドイツでの歴史の
始まりは9世紀後半。カール大帝がフランスのアルザス地方付近から今
のドイツのバーデン地方へ持ち込んだClavner/クレヴネルに起源を求め
られるそうです。
19世紀の不安定な低温期に白ワインを造るブドウに圧倒され栽培面積
を大きく減らしましたが、20世紀後半~21世紀初めの自然環境の変化
により栽培面積を増加させ、素晴らしい品質のワインを誕生させる良質
のブドウに成熟する様になったと認識され、赤ワイン用ブドウ栽培面積
の国内第1位品種になっています。




Jahrgang/ヤーガング(原料ブドウの収穫年)が変更になり新たに入荷
したシュペートブルグンダーの赤ワインが上の画像の2種になります。

右)Georg Breuer 2013 Rheingau Spatburgunder
  ゲオルグ・ブロイヤー2013ラインガウ、シュペートブルグンダー
  相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
             チーズなら、パルミジャーノ。チェダー。
  飲み頃温度:15~18度。
  <まろやかなミディアムボディー> 3,500円(消費税別)
この赤ワインは今、酒質が若々しい為、飲む前にデカンタなどに一度
移し、空気にワインを触れさせ、香味を開かせてからお楽しみ下さい。

左)Friedrich Becker 2012 Pfalz Spatburgunder
  フリードリッヒ・ベッカー2012ファルツ、シュペートブルグンダー
  相性の良い料理:脂肪分を含んだ旨味のある料理。
             チーズなら、パルミジャーノ。チェダー。
  飲み頃温度:15~18度。
  <まろやかなミディアムボディー> 3,500円(消費税別)

フルーティーさ、チャーミングさをワインに求めたいお客様はベッカーを
深みと複雑さを求めたいお客様はブロイヤーをお買求め下さい。