2016年5月4日水曜日
Blanc de Noirs、それは黒から生まれた白
ブドウを果皮の色で大別すると白ブドウ、灰色ブドウ、黒ブドウの3つに
なります。上の画像のブドウで見ますと、左から3つ目までが白ブドウ、
その右が灰色ブドウ、一番右が黒ブドウになります。
それらのブドウを使い白ワイン、ロゼワイン、赤ワインを造るのですが、
ワインの色はブドウの果皮の色がどのくらい果汁に移ったかで決まり
ます。
上の画像は黒ブドウの実とその断面です。黒と表現できるのは果皮
だけで、果肉は白(白ブドウの様)です。と言う事は果皮の色を果汁
に移さずにワイン造りをすれば白ワインが出来る事になります。
事実、黒ブドウを破砕し、白い果汁に果皮を漬け込むマセラシオンと
言う行程を経ないでその果汁を発酵させ、ワインにするとそれは白の
ワインになります。黒ブドウから造る白ワインで、黒からの白/Blanc
de Noirs/ブラン・ド・ノワと言います。
ブラン・ド・ノワは白ワインなのですが、黒ブドウを圧搾した際に自然
に果皮から染み出る色素が果汁に移り、ベージュの色調をほのかに
感じる外観をする事が良くあります。上の画像では少々分かり難い
かもしれませんが、ベージュの色調、ゴールドの色調とも言えそうな
外観をしています。これがブラン・ド・ノワのワインです。
このブラン・ド・ノワは発泡していないワイン(スティルワイン)よりも
発泡しているワイン(スパークリングワイン)で見かける事が多く、
そう記載されているラベルを見た事があるかもしれません。
ブラン・ド・ノワと言っても、ベージュやゴールドの色調が淡いタイプ
もあれば、ロゼワインと思える程、色合いの濃いタイプもあります。
香りは黄色やオレンジ色の果実のコンポートを思わせるものと苺と
ミルクのキャンディーを思わせるものが主なタイプで、前者は濃厚
で黒ブドウの果皮由来のタンニン(渋味)を感じる事が多く、後者は
軽やかでチャーミングな酒質をしている事が多い様です。
今回紹介します上の画像のブラン・ド・ノワは前者のタイプですが、
タンニンは感じなく、代わりにホワイトペッパー様の爽やかでホット
なスパイシーさを感じ、軽快な酒質をしています。その爽やかさを
生かす為、ワインをシッカリと冷やし、香味を引き締めてあげれば
より一層、このワインの持ち味が引き立ちますし、柑橘類の爽快
さを添えた料理に合わせ楽しめば、このワインの良さを損なう事
なく味わえます。
*Honigsackel 2015 Pfalz Blanc de Noir (Germany)
ホーニッヒゼッケル2015ファルツ、ブラン・ド・ノワ(ドイツ)
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う
淡白な味わいの料理。
チーズなら、シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口>
2,000円(消費税別)