2016年4月27日水曜日

Viognier/ヴィオニエfrom小布施

高貴な白ワインを造るブドウとして重要なポジションにありながら、その
存在を明らかにする地が限られている事で、メジャー品種の中でも一番
馴染みが薄いかもしれないブドウのViognier/ヴィオニエ。
収穫量が多くならないので商いにならない。完璧な日照に乾いた大地を
必要とするので栽培したくても出来ない。その様な要因もメジャー品種で
ありながら、表舞台で影を薄くしてしまっているのでしょう。
しかし、この品種から造られた白ワインを一度でも味わう機会があれば、
その香味はあなたの身体に染み込み、忘れ難い印象を残すでしょう。
その位、個性的でユニークなワインに変身するブドウなのです。




ヴィオニエで造られる白ワインの典型は、白い果肉の果実(カリンや
アンズ、ラ・フランスのコンポートを思わせる)の香り、白や黄色の花
から湧き上がる豊かなフローラルさがあり、造る過程でオーク樽を
使用すれば、そこにカスタードクリームを思わせる香味が伴います。
そして豊かなアルコールに支えられ、ドッシリとしたヴォリュームが
口中を長く満たします。
小布施ワイナリーのヴィオニエはオーク樽の影響がワインに及んで
いませんので、カスタードクリームを思わせるニュアンスは全くなく、
また、ワインにフレッシュさを求めた為でしょうか、ブドウが過熟する
前に収穫していると思われ、高過ぎないアルコールの広がりの中に
豊かな酸味とミネラルのハーモニーの爽やかさが心地良い酒質に
仕上がっています。
上の画像でチェックしますと、一番右にヴィオニエがあり、ピーチ、
花、スィートレモンを感じる香味があるとなり、爽やかなイメージとは
異なります。しかし、この個性が発現する前に実を摘んだなら、左
の個性に、それよりも早く摘んだなら更に左にと言う具合に備わる
個性は、より爽やかに感じられる果実や花、植物へと変化します。
その様な事から、恐らく過熟前に摘み、爽やかな要素をワインへと
移り変わらせたのではと推測している訳です。
それでもなおヴィオニエに典型の香りはシッカリと感じとれますから
前回、紹介しましたAlbarino/アルバリーニョ同様、この品種も高山
の地に適応している筈です。




Sogga Pere et Fils 2015 Viognier/ソッガ・ペール・エ・フィス、ヴィオニエ
相性の良い料理:柑橘類の酸味や青みの薬味、ハーブが良く合う淡白
           な味わいの料理。
チーズなら、シェーヴル(山羊乳)タイプ。
飲み頃温度:7度。
このワインも割り当て商品になり、少量の入荷です。お買求めの決断は
速攻でする事をお勧め致します。




春の恵み、ホワイトアスパラガスの自然の甘味を生かした調理をし、塩
で、場合によりレモン果汁のアクセントを添え、このヴィオニエのワイン
を一緒に味わってみて下さい。
ブドウ由来の甘味とアスパラガスが蓄えた自然の恵み(甘味旨味)の
素晴らしいマリアージュがあなたを至福の世界へと誘います。