2016年4月13日水曜日

赤ワインfrom Larkmead Vineyards/ラークミード・ヴィンヤーズ

かつてアメリカ合衆国には禁酒法がありました。10年強続いたのですが
その間、ワイナリーはワインの醸造販売を禁じられていました。医療用
や教会でのミサに使う為にワイン造りを許された極僅かのワイナリーを
除いて。
その一方で、自己消費の為に家庭でのワイン造りは制限付きで許され
そのワイン造りの為のブドウを供するブドウ栽培農家が各地に出現、
隆盛を極めました。ここにワイン造りとブドウ作りの分業が出来上がり
ました。
今でもそれぞれのワイン産地内にはワイナリーにブドウを供給する栽培
農家(Vineyard/ヴィンヤード)があり、優れた立地で良質のブドウを供給
するヴィンヤードにそのブドウを求め、多くのワイナリーが殺到します。



Larkmead Rd/ラークミード・ロードにあるラークミード・ヴィンヤーズも
元々はワイナリーにブドウを供給するブドウ栽培農家です。現在では
ブドウの供給の傍ら、自らも良質のワインを造っていて、それぞれの
分野で高い評価を得ています。
Larkmead Winery/ラークミード・ワイナリーのワインは日本への輸出が
現在はありません。では、なぜここを訪問したんだとなりますが、供給
を受けたワイナリーが造る複数のワインが日本へ来ていて、その殆ど
を取引先の輸入元が取り扱い、当店での販売が可能な為、いつもの
事ですが販売に当たり、知識を深めるようと見聞しに行った訳です。




実際に行き判明した事は本当に数多くの著名なワイナリーへブドウを
供給している事でした。上の画像はイランからの移民が設立した荘厳
な外観のワイナリーDarioush/ダリオーシュに供給されるブドウを育む
区画です。
このダリオーシュはワイナリーの建物が荘厳なだけでなく、造られる
ワインも高級感に満ち溢れ、洗練された優美な香味にノック・アウト
されそうですし、ワイナリーでの様々なサーヴィスを受けていると自分
がセレブになったかの様な錯覚に陥ってしまいそうになります。
ダリオーシュ訪問記はいずれアップします。見ているだけでもセレブに
なった気になるでしょう。



こちらの画像はTocai/トカイと言う品種の古木です。トカイは別名
Sauvignon Vert/ソーヴィニョン・ヴェールやSauvignonas/ソーヴィ
-ニョナーゼと言い、Sauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブランと言う
メジャーなワイン醸造用ブドウから造られるワインに似た白ワイン
を造れるブドウです。
今、カリフォルニアでは古木から収穫された収量の少ない、エキス
の凝縮したブドウから造るエレガントな香味のワインが一つの流れ
になっていて、その様なブドウを探し求めるワインメーカーが多数
います。この畑を見たなら、きっとこのブドウでワインを造りたいと
思わずにいられないでしょう。




それではラークミード・ヴィンヤーズで育まれた良質のブドウから
造られたフランスのボルドー赤ワインにも決して劣らない逸品を
紹介します。
造り手はRivers Marie/リヴァース・マリー。Pinot Noir/ピノ・ノワ
とChardonnay/シャルドネに特化し、秀逸なワインを造る造り手
でしたが、元々の得意分野のCabernet Sauvignon/カベルネ・
ソーヴィニョンでのワイン造りも本格化させ、2012ヴィンテージ
から商品として流通させています。
黒味の強い果実の落ち着いた香り、品種特性である深い緑色の
ハーブをイメージさせる深みのある香りが共存。口に含めば丸く
ふくらみのあるボディーにドッシリとした重厚感を感じるタンニン
(渋味)が溶け込み、豊かなアルコール分の厚みと共に口中を
長く満たします。
角々しさの全くない品位ある芳醇さは飲み応え十分で、緑色の
植物をイメージさせる香りを含んでいる所から、ローリエで風味
付けしたビーフシチュー、ピーマンの色合い鮮やかなチンジャオ
・ロースーなどの料理とマリアージュさせつつ楽しみたいワイン
です。



Rivers Marie 2012 Calistoga Cabernet Sauvignon
リヴァース・マリー2012カリストガ、カベルネ・ソーヴィニョン
相性の良い料理:脂肪分の多い、コッテリとしたコクのある料理。
チーズなら、青かびタイプ。ブリー。
飲み頃温度:19度。
<まろやかなフルボディー>
15,000円(消費税別)
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連日、高額ワインばかりの紹介で申し訳ございません。今回の
訪問先がこの様なワインを造るワイナリーがメインでしたので
全ての紹介が終わるまでしばらくお許し下さい。