カリフォルニア州Napa Valley/ナパ・ヴァレーで近年、存在感を増して来た
ワイン産地Pritchard Hill/プリチャード・ヒル。標高約900mに位置する複数
の丘から構成されています。
今では良質のCabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョンを産出する
とされ、多くのワイナリーの畑が拓かれていますが、この産地の歴史が
始まったのは僅か50年ほど前の事です。
上の画像の赤丸で囲まれたワイナリーChappellet Vineyard/シャペレ・
ヴィンヤードがこの地の潜在能力にいち早く気づき、ブドウを植樹した
のが1967年でした。
そして、この地で育まれたブドウで造り上げた赤ワインの素晴らしさが
大きな話題となり、プリチャード・ヒルの様な高地ではナパ・ヴァレーの
底Valley Floor/ヴァレー・フロアに拓かれた畑のブドウで造る赤ワイン
とは性格の異なる酒質のワインになるとの認識が広く定着しました。
それをマウンテン・ワイン、特にカベルネ・ソーヴィニョンの赤ワインを
山カベと称し、ヴァレー・フロア（上の画像の上部の茶色ぽく見える所）
のワイン、山の麓Hill Side/ヒル・サイド（ヴァレー・フロアの両サイド）
のワインと共にカリフォルニア・ワインの多様性を語る上で欠かせない
存在となっています。
こちらが山カベ、プリチャード・ヒルのパイオニア、シャペレ・ヴィンヤード
のワイナリーです。宇宙基地の様な外観が丘の頂の木々の中に佇み、
実に神秘的です。
シャペレではここプリチャード・ヒルで育まれたブドウのみから造るワイン
とプリチャード・ヒルのブドウを主体に他のエリアのブドウも使って造る
ワイン、更にはプリチャード・ヒルのブドウも一部使い造るワインの3つの
レインジがあります。
当店では後者の２レインジの赤ワインを販売していますので、それらを
次回、紹介致します。
上の画像はシャペレの創業当時の醸造所です。昨秋、出版された
NAPA VALLEY THEN & NOW (by KELLI A.WHITE)で紹介されて
います。
ケリーはSt.Helena/サンタレーナにあるレストラン、PRESSで働く
ソムリエールで、自らの足で集めた情報を整理し、４年半の年月
をかけてその大作を完成させました。
この本は驚く事に史上初のナパ・ヴァレーを包括したガイド本だ
そうで、その厚さにも圧倒されますが、記載事項の詳細さ、情報
の多さにはただただ凄いと感服させられます。
