白ワインを造り出す代表的な2つのブドウは?と問えば、多くの方がこう
答えるでしょう。Sauvignon Blanc/ソーヴィニョン・ブランとChardonnay
/シャルドネと。人によってはRiesling/リースリングがソーヴィニョン・
ブランに変わる可能性がありますが。ここでは一応、ソーヴィニョン・
ブランとシャルドネと言う事にしておきましょう。
それぞれの品種から出来る白ワインの大まかな特徴を色で表現します
と、ソーヴィニョン・ブランは白か緑、シャルドネは白か黄になります。
どちらも白の場合があり、似ていて区別がつくのか?と疑問を持ちます
が、実は区別するのが非常に困難を極める時があります。
シャルドネはワインへと生まれ変わる時、オーク樽の要素を身に着ける
事が多いのですが、時にオーク樽を使わずに造られたり、樽の要素を
ワインに移さない造り方をします。そうして出来上がったワインの特徴は
白。そう、この時にソーヴィニョン・ブランと類似します。
それから少々、専門的になりますが、どちらの品種も白亜質(フランス
でTerre Blanche/テール・ブランシュと呼ばれる大地)の土壌で育まれ、
その実からワインが造られると、どちらもその特徴は白で表せます。
白って何?それは感じられる香りが白をイメージさせると言う事です。
白い果肉の果実であったり、高原に咲く白い花であったり、私達の周り
にある白い色をしたものを思わせる香りがあるのです。
今回、入荷しました小布施ワイナリーのソーヴィニョン・ブランのワイン
とシャルドネのワインはどちらも白で表せる特徴を持っています。つまり
シャルドネはオーク樽の要素を身に着けていないワインと言え、その
証拠にシャルドネのワインのラベルを見るとNon Boise/ノン・ボワセ
(木の香りのない)とあります。
白と言うキーワードで語れるソーヴィニョン・ブランのワインとシャルドネ
のワイン。決定的に異なる所はあるのか?興味はそこへ向かいます。
実はあるのです。それを感じ取って私達ワイン業界にいる人間は両者
を区別しています。
ワインを味わった後口にある種の味が残ります。それがソーヴィニョン
・ブランにはあり、シャルドネにはないのです。その味とは、苦味です。
硬水を飲んだ時に感じる苦味であったり、根菜類を食べた時に感じる
苦味であったり、春の山菜に感じる苦味であったり、その様な苦味が
ほんの少しでも感じられたなら、それはソーヴィニョン・ブランのワイン
です。
時にはもっと分かり易い違いがある事もあります。白をイメージさせる
個性に加え、緑をイメージさせる個性があったなら、それは迷う事なく
ソーヴィニョン・ブランのワインです。
今の季節の若葉であったり、料理に使うフレッシュ・ハーブであったり。
白と緑が同時あるとはどんな感じなのか実感したければ、セロリを
かじってみると良いでしょう。セロリだけを食べ、口の中に広がる香り。
それがソーヴィニョン・ブランであると語りかける要素を連想する香り
です。
今日紹介の2種類は小布施ワイナリーの商品の中では比較的生産量
が多く、価格がお手頃です。チャンスがあれば、一緒に両者を味わい
比べてみて下さい。類似点、そして微妙な違いを興味深く楽しめる筈
です。
*Sogga Pere et Fils 2015 Sauvignon Blanc
ソッガ・ペール・エ・フィス2015ソーヴィニョン・ブラン
飲み頃温度:11~14度。
<コクのある辛口>
緑をイメージさせる個性に合わせ、青のり、パセリ、分葱などの食材で
緑色の彩を添えた料理と一緒にお楽しみ頂くと良いでしょう。
*Sogga Pere et Fils 2015 Chardonnay
ソッガ・ペール・エ・フィス2015シャルドネ
飲み頃温度:7度。
<軽く、爽やかな辛口>
苦味のない食材を淡く調理し、柑橘果実の爽やかさを添えた料理との
相性に優れています。