2016年3月28日月曜日

Old vs New/伝統国vs新興国

ワインの伝統国の代表格と言えばフランス、イタリア、ドイツ。ワインの
新興国(伝統国に対しニュー・ワールドとしばしば表現される)の代表
と言えばアメリカ合衆国になるでしょう。
伝統国にも自国原産のワイン醸造用ブドウがあり、アメリカにも自国
原産のブドウがあります。しかし、アメリカに自生していたブドウから
ワインを造るとフォキシー・フレーヴァーと言うファンタ・グレープの様
な感じの香りが含まれてしまい、伝統国原産のワイン醸造用ブドウで
造ったワインに感じる洗練された深みのある高貴な香りが欠如して
しまいます。
その為、アメリカに自生していたブドウからワインを造る事は次第に
なくなって行きました。そして、ワインの新興国でも伝統国と同じ様に
それらの国原産のブドウでワインを造る様になったのです。


国際的に栽培されワイン造りに用いられているその様なブドウには
フランスのブルゴーニュ地方が原産地のChardonnay/シャルドネや



同じくブルゴーニュ地方が原産地のPinot Noir/ピノ・ノワ、フランスの
ボルドー地方が原産地のCabernet Sauvignon/カベルネ・ソーヴィニョン
等があります。




シャルドネやピノ・ノワから造られたワインならやはりブルゴーニュ、
カベルネ・ソーヴィニョンから造られたワインならボルドーだよね。と
言う考えは根強いですが、世界各地にその両地方に並び称される
産地が誕生して来ています。
ニュー・ワールドの代表、アメリカ合衆国でしたら、シャルドネの産地
にはカリフォルニア州のSonoma/ソノマ、ピノ・ノワの産地なら同じく
ソノマやオレゴン州があり、カベルネ・ソーヴィニョンの産地なら今や
ボルドーをも凌ぐとさえ言われているカリフォルニア州のNapa/ナパ
があります。
ブルゴーニュのシャルドネとソノマのシャルドネから造られたワイン
は似ているのか。それとも全く違うのか。その答えはYesでもありNo
でもあり、ひとつひとつのワインについて答えるのでなければ正確
に語る事は出来ません。ピノ・ノワやカベルネ・ソーヴィニョンから
造られるワインでも同じです。
どちらが優れているかとの質問にも、ワインを指名し、個々について
チェックし、答えを出さない限り、優劣はつけられません。育つ環境
が異なれば性格や個性は異なり、それぞれに良さがあるからです。
かつてはフランスのワインに対し、アメリカのワインはアルコールが
圧倒的に高く、濃厚で原料ブドウ由来の品種個性に欠けると言われ
ましたが、最近ではその表現は必ずしも正しくない様です。
アメリカの場合、それぞれの品種に相応しい気候風土を持つエリア
に、その品種のより相応しいクローンを選抜して育て、ワインを造る
事を推進していて、以前とはスタイルの異なる洗練度の高いワイン
になって来ています。
先日、同じ品種から造られたフランスのワインとアメリカのワインを
同一ヴィンテージで比べましたが、その時はアメリカのワインの方
がエレガントだった程で、アメリカのワインには確実に新しい流れが
来ていると感じました。
当店では太田市内の飲食店で毎月一度、ワイン会を開いているの
ですが、フランスとアメリカの同条件の比較は非常に興味深かった
ので、年内の会のテーマを伝統国ワインvsニュー・ワールド・ワイン
のブラインド比較とし、会を開催して行く予定です。そんな会に関心
がありましたら、是非、ご参加下さい。ワイン代、料理代全て込みで
6,000円会費です。次回の開催は4月6日(第一水曜日)です。この
会の告知はFacebookのWINE_HOUSEでして頂けます。WINE
とHOUSEの間にはアンダーバーが入ります。
1種類ずつ味わうのも悪くはないですが、複数を同時に楽しむ事で
色々な違い、それぞれの個性を実感でき、楽しみが倍増します。
そんな場に当店主催の会をご利用頂ければと思います。